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23.嵐のあと
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岳が肩を掴んだと同時、大和がくっと引き金に指をかけた。部下の構える銃口が一斉に大和を狙うが──。
「えらい騒ぎだな?」
突然、部屋のドアが開かれた。
閉ざされた空間に、どっと冷えた外気が流れ込む。姿を見せたのは正嗣とその部下達だった。真琴と藤の姿も見える。
真琴以外、皆、銃を構えていた。それで一気に形勢は逆転する。
それを見た古山の部下達は、成す術もなく大人しく銃を手放し手を上げた。正嗣は岳を振り返り。
「岳。間に合ったか?」
「まあ、な。なんとか…」
岳は身体が固まったままの大和を腕に抱くと、その手からそっと銃を取り上げた。
そのまま、正嗣の足元へ向け銃を床へ滑らせる。正嗣はそれを拾い上げ。
「…銃を持てばいい」
「持てば人を撃たないという自信がなくてな?」
岳は笑って答えた。
古山を部下の一人、玉置が押さえ込む。手下も正嗣の部下が端から壁へと押し付け、その他の武器もすべて取り上げていった。
古山は正嗣を睨みつけると。
「…荒っぽいな。なんでお前までここにいる?」
「荒っぽいのはお互い様だ。あんたの権利書その他を貰うために岳に呼ばれたのさ。…正式に取引する。大人しく引き下がれば良かったものを…。岳を引きずり込んだ罰だ。それに、大和君も巻き込んだ。…当然だ」
「楠…」
「準備は出来てるか? 鷹来」
正嗣は鷹来を振り返る。
「ええ。必要なものはすべて揃えてきました」
「鷹来…。お前、後で覚えとけよ。岳も楠も。…このままで済むと思うな?」
「私たちにあたるのはお門違いかと…。私は父の指示であなたの元へ来ました。その父が仕えているのは誰だと?」
「…会長か?」
「そうです。もともとあなたの動向を探るために私は派遣されました。あなたは少し自由が過ぎるところがあると。暫く様子をうかがっていたのですが…。残念です」
結果に頭を振る鷹来に、古山は顔をしかめて見せた。鷹来は続ける。
「既に会長はあなたの処分を決めています。あなたがもっと頭が良ければ生き残る道もあったのでしょうが…。楠さんの言う通り、少し派手にやりすぎましたね?」
「くっ…」
「会長はあなたの組を一時取り上げるとおっしゃいました。明日にでも会長宅へ出向いて下さい──」
そう言いかけた所で、
「いいや。ここで済まそう」
その背後から、やや年配の低い声が辺りに響いた。更に数人の部下を従えて現れたのは和装の壮年の男。
「こいつはすぐに連れて帰った方が良さそうだ。往生際が悪いからな?」
「磯谷会長…」
古山が驚きの表情を浮かべ呟く。その呟きは無視して、岳に目を向けると。
「岳。お前なりに頑張ったようだが、古山の性格を見抜けなかったようだな? こいつは諦めが悪い。悪すぎる…」
ちらと視線を古山に流し、すぐに岳へと戻す。
「お前は──戻る気はないんだろう?」
「はい」
再び腕の中に閉じ込めた大和をぎゅっと抱きしめて答える。磯谷はその答えにふんと鼻先で笑うと。
「お前は頑なだからな? いいことも悪いことも。…だが、それでいい。お前はもう自由だ。今後一切、こちらには関わらせない。…他人だ」
「…はい」
「父親によろしくな」
岳は頷くことで答える。
父の潔と磯谷は同門で年齢も近い。若い時は互いに競いあった仲らしい。
磯谷は古山に目を向けると。
「お前は今後、俺の下につける。もう一度学び直しだ。組は一時預かりとなる。面倒はうちで見るから安心しろ」
「…はい…」
「今、言った通り、岳はもう一般人だ。今後、手を出せばどうなるか、よく考えて行動しろ? …俺はお前を買っている。だが、悪い面ばかり表に出すな。いい所を伸ばせ。俺の所でそれを良く学べ」
「……」
古山はじっとコンクリの床を見つめている。
そこで、磯谷は再び岳に──いや、今度は腕の中の大和に目を向けた。
「大和君は、なかなか気骨のある青年だな? …それにいい子だ」
「大切な奴です…」
磯谷はそこで初めて笑みを浮かべると。
「だが、扱いには気を付けた方がよさそうだ。…ちゃんと見張っておけよ?」
「…分かっています」
そういうと岳はそっと大和のほわほわとした髪に口づける。それまで呆然自失だった大和が、ゆるゆると顔を上げた。
揺らぎながらも、ようやくまともな色を宿した瞳がそこにある。
磯谷は顎に手をあてながら。
「古山ではないが、お前より先に大和君に会っていたら、こっちに引っ張っていたな。…それくらいの気概のある子だ」
「会長…」
岳が唸るように声をあげた。そんな事にさせるつもりはない。磯谷は笑う。
「冗談だ。──さて、これで一件落着、か?」
「この権利書は、打ち合わせ通り、楠に渡しても?」
鷹来がすかさず声を上げる。磯谷はふむと腕組みした後。
「当初の予定通り、楠に預けておく。やることが多すぎてな。俺の手には余る。店や土地が荒れてもこまるだろう? それに、今回の件は俺の不行届きが原因だ。お前にくれてやる」
「分かりました」
正嗣は頭を下げた。
「さて。久しぶりにでばったな。…古山、行くぞ」
「…は」
既に拘束は解かれていた。
古山は冷たいコンクリの床から立ちあがって、一度、岳に目を向けると。
「…じゃあな」
それだけ口にして後は振り返ることはなかった。古山の部下もそのあとに続く。
今後、古山に会うことは一切ないだろう。
去って行く古山の背が、今まで見たことがないくらい、小さく見えた。
+++
大半が去り、がらんとした室内には、銃器その他を片付ける正嗣の部下らと、正嗣、鷹来、藤と真琴が残っている。
端に大希の姿もあったが、岳の視線は素通りした。岳は正嗣に向けて、
「当分は落ち着きそうだな?」
そう言えば、正嗣はふんと鼻を鳴らした後。
「どうせ落ち着けば、また凝りもせず張り合ってくるさ。それでも、もう今回のようなことはやってこない…。やれば終わりだ。それくらい分からない馬鹿じゃない。あとは磯谷さんの采配次第だな」
「会長、直々に出てくるとは思わなかったが…」
岳は皆が去っていたドアを見つめる。正嗣は珍しく笑みを浮かべると。
「それは──大和君のお陰だろう。まあ、頼まれなくとも、最後は出てきてくれたと思うが」
「大和が?」
「会った事は知っているだろう?」
岳は頷いて見せる。古山から聞いてはいた。正嗣は思いだすようにして言葉を続ける。
「会長は大和君と会って、少し方向を修正したようだ。見守るだけにとどめるつもりだったのを、少し出張りたいと…」
すると、岳の腕のなかでそれまで大人しくしていた大和がぽつりと口を開いた。
「…岳をもとの世界に戻したくて…。古山を、止めて欲しかった…」
「大和のお陰だな? …ありがとう」
しかし、大和は首を振ると顔を上げ。
「俺は…何も出来なかった。磯谷さんが動いたのは、岳が動いたからだ。…俺がしたのは──」
大和の身体が震えている。岳は眉をひそめると大和を見つめたまま。
「後の始末は任せていいか? 楠、鷹来」
正嗣は頷くと。
「勿論。後はうちのもんが適当にやっとく」
「古山の方も私が責任を持って片付けます。古山に借りていた部屋のものはどうします?」
鷹来が尋ねる。
「俺の私物は何もない。適当に処分してくれ」
古山に差し当たってと渡された金で揃えたものだ。
家具も衣類も、当てつけで全て高級品を揃えてやったが、何一つ、持ち帰る気にはなれなかった。
「分かった。──で、こいつの処分は?」
正嗣がひっそりと隅の方で佇む大希を顎で指した。岳はチラと目を向けたものの、直ぐに反らし。
「俺が殴り飛ばさないうちに、雅のところにでも連れて行ってくれ。等分、顔も見たくない…」
「分かった。──お前、何したんだ?」
正嗣は大希を急かすように背を押すと、人形の様にヨロヨロと歩き出した。
一度だけ立ち止まって振り返ろうとしたが。
「もう、やめとけ。お前に太刀打ちできる相手じゃない」
正嗣がそれを止めた。
それで、項垂れると再び歩き出した。
「えらい騒ぎだな?」
突然、部屋のドアが開かれた。
閉ざされた空間に、どっと冷えた外気が流れ込む。姿を見せたのは正嗣とその部下達だった。真琴と藤の姿も見える。
真琴以外、皆、銃を構えていた。それで一気に形勢は逆転する。
それを見た古山の部下達は、成す術もなく大人しく銃を手放し手を上げた。正嗣は岳を振り返り。
「岳。間に合ったか?」
「まあ、な。なんとか…」
岳は身体が固まったままの大和を腕に抱くと、その手からそっと銃を取り上げた。
そのまま、正嗣の足元へ向け銃を床へ滑らせる。正嗣はそれを拾い上げ。
「…銃を持てばいい」
「持てば人を撃たないという自信がなくてな?」
岳は笑って答えた。
古山を部下の一人、玉置が押さえ込む。手下も正嗣の部下が端から壁へと押し付け、その他の武器もすべて取り上げていった。
古山は正嗣を睨みつけると。
「…荒っぽいな。なんでお前までここにいる?」
「荒っぽいのはお互い様だ。あんたの権利書その他を貰うために岳に呼ばれたのさ。…正式に取引する。大人しく引き下がれば良かったものを…。岳を引きずり込んだ罰だ。それに、大和君も巻き込んだ。…当然だ」
「楠…」
「準備は出来てるか? 鷹来」
正嗣は鷹来を振り返る。
「ええ。必要なものはすべて揃えてきました」
「鷹来…。お前、後で覚えとけよ。岳も楠も。…このままで済むと思うな?」
「私たちにあたるのはお門違いかと…。私は父の指示であなたの元へ来ました。その父が仕えているのは誰だと?」
「…会長か?」
「そうです。もともとあなたの動向を探るために私は派遣されました。あなたは少し自由が過ぎるところがあると。暫く様子をうかがっていたのですが…。残念です」
結果に頭を振る鷹来に、古山は顔をしかめて見せた。鷹来は続ける。
「既に会長はあなたの処分を決めています。あなたがもっと頭が良ければ生き残る道もあったのでしょうが…。楠さんの言う通り、少し派手にやりすぎましたね?」
「くっ…」
「会長はあなたの組を一時取り上げるとおっしゃいました。明日にでも会長宅へ出向いて下さい──」
そう言いかけた所で、
「いいや。ここで済まそう」
その背後から、やや年配の低い声が辺りに響いた。更に数人の部下を従えて現れたのは和装の壮年の男。
「こいつはすぐに連れて帰った方が良さそうだ。往生際が悪いからな?」
「磯谷会長…」
古山が驚きの表情を浮かべ呟く。その呟きは無視して、岳に目を向けると。
「岳。お前なりに頑張ったようだが、古山の性格を見抜けなかったようだな? こいつは諦めが悪い。悪すぎる…」
ちらと視線を古山に流し、すぐに岳へと戻す。
「お前は──戻る気はないんだろう?」
「はい」
再び腕の中に閉じ込めた大和をぎゅっと抱きしめて答える。磯谷はその答えにふんと鼻先で笑うと。
「お前は頑なだからな? いいことも悪いことも。…だが、それでいい。お前はもう自由だ。今後一切、こちらには関わらせない。…他人だ」
「…はい」
「父親によろしくな」
岳は頷くことで答える。
父の潔と磯谷は同門で年齢も近い。若い時は互いに競いあった仲らしい。
磯谷は古山に目を向けると。
「お前は今後、俺の下につける。もう一度学び直しだ。組は一時預かりとなる。面倒はうちで見るから安心しろ」
「…はい…」
「今、言った通り、岳はもう一般人だ。今後、手を出せばどうなるか、よく考えて行動しろ? …俺はお前を買っている。だが、悪い面ばかり表に出すな。いい所を伸ばせ。俺の所でそれを良く学べ」
「……」
古山はじっとコンクリの床を見つめている。
そこで、磯谷は再び岳に──いや、今度は腕の中の大和に目を向けた。
「大和君は、なかなか気骨のある青年だな? …それにいい子だ」
「大切な奴です…」
磯谷はそこで初めて笑みを浮かべると。
「だが、扱いには気を付けた方がよさそうだ。…ちゃんと見張っておけよ?」
「…分かっています」
そういうと岳はそっと大和のほわほわとした髪に口づける。それまで呆然自失だった大和が、ゆるゆると顔を上げた。
揺らぎながらも、ようやくまともな色を宿した瞳がそこにある。
磯谷は顎に手をあてながら。
「古山ではないが、お前より先に大和君に会っていたら、こっちに引っ張っていたな。…それくらいの気概のある子だ」
「会長…」
岳が唸るように声をあげた。そんな事にさせるつもりはない。磯谷は笑う。
「冗談だ。──さて、これで一件落着、か?」
「この権利書は、打ち合わせ通り、楠に渡しても?」
鷹来がすかさず声を上げる。磯谷はふむと腕組みした後。
「当初の予定通り、楠に預けておく。やることが多すぎてな。俺の手には余る。店や土地が荒れてもこまるだろう? それに、今回の件は俺の不行届きが原因だ。お前にくれてやる」
「分かりました」
正嗣は頭を下げた。
「さて。久しぶりにでばったな。…古山、行くぞ」
「…は」
既に拘束は解かれていた。
古山は冷たいコンクリの床から立ちあがって、一度、岳に目を向けると。
「…じゃあな」
それだけ口にして後は振り返ることはなかった。古山の部下もそのあとに続く。
今後、古山に会うことは一切ないだろう。
去って行く古山の背が、今まで見たことがないくらい、小さく見えた。
+++
大半が去り、がらんとした室内には、銃器その他を片付ける正嗣の部下らと、正嗣、鷹来、藤と真琴が残っている。
端に大希の姿もあったが、岳の視線は素通りした。岳は正嗣に向けて、
「当分は落ち着きそうだな?」
そう言えば、正嗣はふんと鼻を鳴らした後。
「どうせ落ち着けば、また凝りもせず張り合ってくるさ。それでも、もう今回のようなことはやってこない…。やれば終わりだ。それくらい分からない馬鹿じゃない。あとは磯谷さんの采配次第だな」
「会長、直々に出てくるとは思わなかったが…」
岳は皆が去っていたドアを見つめる。正嗣は珍しく笑みを浮かべると。
「それは──大和君のお陰だろう。まあ、頼まれなくとも、最後は出てきてくれたと思うが」
「大和が?」
「会った事は知っているだろう?」
岳は頷いて見せる。古山から聞いてはいた。正嗣は思いだすようにして言葉を続ける。
「会長は大和君と会って、少し方向を修正したようだ。見守るだけにとどめるつもりだったのを、少し出張りたいと…」
すると、岳の腕のなかでそれまで大人しくしていた大和がぽつりと口を開いた。
「…岳をもとの世界に戻したくて…。古山を、止めて欲しかった…」
「大和のお陰だな? …ありがとう」
しかし、大和は首を振ると顔を上げ。
「俺は…何も出来なかった。磯谷さんが動いたのは、岳が動いたからだ。…俺がしたのは──」
大和の身体が震えている。岳は眉をひそめると大和を見つめたまま。
「後の始末は任せていいか? 楠、鷹来」
正嗣は頷くと。
「勿論。後はうちのもんが適当にやっとく」
「古山の方も私が責任を持って片付けます。古山に借りていた部屋のものはどうします?」
鷹来が尋ねる。
「俺の私物は何もない。適当に処分してくれ」
古山に差し当たってと渡された金で揃えたものだ。
家具も衣類も、当てつけで全て高級品を揃えてやったが、何一つ、持ち帰る気にはなれなかった。
「分かった。──で、こいつの処分は?」
正嗣がひっそりと隅の方で佇む大希を顎で指した。岳はチラと目を向けたものの、直ぐに反らし。
「俺が殴り飛ばさないうちに、雅のところにでも連れて行ってくれ。等分、顔も見たくない…」
「分かった。──お前、何したんだ?」
正嗣は大希を急かすように背を押すと、人形の様にヨロヨロと歩き出した。
一度だけ立ち止まって振り返ろうとしたが。
「もう、やめとけ。お前に太刀打ちできる相手じゃない」
正嗣がそれを止めた。
それで、項垂れると再び歩き出した。
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