一途な令嬢は悪役になり王子の幸福を望む

紫月

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後日談

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その後。
アイザック様は爵位剥奪の上、国外追放の刑罰が下ったそうな。
王族の血筋の方なので命までは取られないまでも、次期国王への暗殺未遂は重すぎる罪だ。
暗殺が成功すれば王位につけたのだろうが、失敗したときのリスクが高すぎた。
王族と平民の民は身分が違いすぎて顔を合わすことさえ叶わないので、もう2度と会うことはないだろう。
最後に国境を越える際、アイザック様はこう申したそうだ。
「王位などどうでもいい。
私は珠玉の宝が欲しかっただけだ。」
………どゆこと?
王位が手に入れば手に入る宝?
聞いたことない。
報告してくれたお兄様は残念な目で私を見て、「アイザック様も目の検査をされたほうがいい。これが珠玉の宝とか冗談にも程がある。」と言った。
よく意味は分からないけど、なんとなく馬鹿にされたことだけは分かった。

サラ様は無罪放免とまではいかないまでも、父親と共にしばらくの間謹慎処分が言い渡された。
が、それならば屋敷に招けばいいんじゃね?とばかりに、私に熱心に招待状を送りつけてくる。
一回訪れれば気がすむだろうと、渋々ではあるがサラ様の屋敷に訪れてみた。
なぜそんなに私にこだわるのかも、非常に気になるところだ。
「アリア様はご令嬢方の憧れの的なんです!」
私が?
なんで?
「美貌もスタイルも抜群、知識も教養もおありで、所作に品位があります。
将来王妃の座を約束されてらっしゃるにも関わらず、それを鼻にかけることもなく、私のような者にも気を配ってくださる。」
え?私、貴女にめっちゃ嫌味言ってましたよね?
「そんな完璧なアリア様に嫌味を言われると……なんかこう……ゾクゾクすると言うか……。」
サラ様、それ、まさかのマゾ宣言ですよね!?
ひょっとしてドジっ子は虐められるためのフリだったの?
知りたくもなかった真実が明らかになり、かなりドン引きした。
「それはそうとサラ様。
よく王宮にいらしてましたが、セフィル様と何を話してらしたの?」
そう、実はこれが一番気になっていたのだ。
セフィル様とサラ様は凄く楽しそうに話されていて、いつも遠くから眺めては嫉妬の炎を燃やしていたのだ。
私がアッサリ噂を信じたのも、これが一番大きい。
「アリア様談義に花を咲かせていたんです!」
「へ?」
なんですと?
「セフィル様がやたらとアリア様の話を聞きたがるので、アリア様のことをお教えしていたのです。
アリア様のお好きな色とか、食べ物とか、実はちょっと音痴でらっしゃるとか!」
「………サラ様?
それはどこ情報ですの?」
「アリア様が社交界デヴューする前から、マクシミリア公爵が夜会などで娘自慢をしまくってましたよ?」
やはり一度シメとかないといけませんわね、お父様。
というか、サラ様が王宮に頻繁に出入りしてたのは、アイザック様の手引きなんじゃないかと踏んでいたのだけど、セフィル様が原因だったのね。
ん?てことは……。
「アリア様の話を聞いているときのセフィル様は、それはそれは楽しそうでした。
アリア様、とってもセフィル様に愛されてるのですね!」
そんなオチ、誰が想像できようか。
自分の話に花を咲かせる2人に嫉妬をするとか、恥ずかしすぎて居た堪れない……。

でも、ひょっとしてサラ様は、この話がしたくて招待状を送ってきたのかもしれない。
私は心の中でこっそりサラ様に感謝したのだった。






※※※

次で完結予定です。
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