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アリアとセフィル
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「アリア、時間があるなら散歩でもしないか?」
「は、はい、セフィル様。
喜んで!」
まだまだ私達はぎこちない。
お互い恋愛経験もなく、どう接すればいいのか分からないのである。
貴族は顔を合わせないまま婚約することも多いので、そもそも恋愛などの経験はせずに結婚してしまいがちなのだけど、私達は以下略。
(この前お兄様に両思いをしつこく主張したら、脇腹にチョップをくらった。)
甘々な関係を想像してたのだが、羞恥心のほうが勝ってしまって手を繋ぐのもやっとである。
そしてもっぱら王太子のセフィル様の身の安全を確保するため、護衛をゾロゾロ引き連れての逢瀬である。
暗殺未遂事件があった後なのだから仕方がないのだが、なんて色気ない……。
チューの一つもお願いできないではないか!
せめてもと城の北側にある薔薇園に誘ってくれた、セフィル様の優しさが身にしみる……。
「その、アリア。
手を繋いでいいか?」
はい、喜んでーー!!
心の声とは裏腹に、はい、と慎ましやかに返事して右手を出す。
嬉しそうに私の手を握るセフィル様に、胸がキュンキュンしちゃうじゃないか!
もともとセフィル様は端正な美貌の持ち主だったのだが、最近血色も良く、剣術を始めたおかげで筋肉もついてきており、男の色気がムンムン増したような気がするのだ。
私の心臓が血の呪いで止まることはもうないが、別の意味で心臓が止まってしまいそうだ……ハフン……。
私達が薔薇園のガゼボに入ると、護衛騎士は気を使ってくれ距離を置き、遠巻きに警護をしてくれている。
セフィル様が腰を下ろしたので、私も正面に腰を下ろそうとしたのだが、止められてしまう。
「アリア、恋人同士は紳士が淑女を膝の上に抱っこして座るのが常識だとフランツに聞いたのだが……。」
お兄様!グッジョブ!!
そんな常識ありはしないが、ここはほれ、淑女がそんなハシタナイことお願いできないではないか!
お兄様の助け舟をフル活用させてもらおう!
ドキドキしながらもセフィル様の膝の上にチョコンと座ると、男らしい腕にギュッと抱き締められた。
ここは天国ですか?
「ふふ、夢のようだな。
アリアをこんな風に抱き締められる日がくるなんて。」
ハッ!
頬をつねったら目が覚めて、夢でしたー残念!なんてオチないよね!?
「セフィル様、ちょっと頬をつねってもらえませんか?」
「へ?」
あぁ、初恋を拗らせすぎて、幻覚を見ている可能性も捨てきれないわ!
内心焦っていると、セフィル様がクスクス笑い始めた。
「お前達兄妹は突拍子も無いことを言い出すな。」
「心外です……。」
あの腹黒兄と私を一括りにしないでほしい。
「そうむくれるな。
可愛すぎてキスしたくなるじゃないか。」
へ?っと思ったのも一瞬で、セフィル様の唇が私の唇に重なった。
少し唇が離れ、セフィル様の美しいお顔が睫毛が触れそうな距離にある。
「愛しているよ、アリア。」
心臓がドンドコ早鐘をうち、頭がクラクラしてくる。
こんな幸せに慣れる日はくるのだろうか?
でも幸せに翻弄され、クラクラする毎日も悪くない。
今度は不意打ちではなく、2人微笑み合い、口付けを交わすのであった。
※※※
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
一途系お嬢様、いかがだったでしょうか?
私はこんな女の子、好きです!
でも私の表現力が足りないばかりに、ストーカー系残念お嬢様に見えなくもないのですが……。
一気に執筆してしまったので気になる箇所はその都度変更したりしています。
文が少し変わってたりしますが、内容は全く変わりませんのでご了承いただけたら幸いです。
ありがとうございました!
「は、はい、セフィル様。
喜んで!」
まだまだ私達はぎこちない。
お互い恋愛経験もなく、どう接すればいいのか分からないのである。
貴族は顔を合わせないまま婚約することも多いので、そもそも恋愛などの経験はせずに結婚してしまいがちなのだけど、私達は以下略。
(この前お兄様に両思いをしつこく主張したら、脇腹にチョップをくらった。)
甘々な関係を想像してたのだが、羞恥心のほうが勝ってしまって手を繋ぐのもやっとである。
そしてもっぱら王太子のセフィル様の身の安全を確保するため、護衛をゾロゾロ引き連れての逢瀬である。
暗殺未遂事件があった後なのだから仕方がないのだが、なんて色気ない……。
チューの一つもお願いできないではないか!
せめてもと城の北側にある薔薇園に誘ってくれた、セフィル様の優しさが身にしみる……。
「その、アリア。
手を繋いでいいか?」
はい、喜んでーー!!
心の声とは裏腹に、はい、と慎ましやかに返事して右手を出す。
嬉しそうに私の手を握るセフィル様に、胸がキュンキュンしちゃうじゃないか!
もともとセフィル様は端正な美貌の持ち主だったのだが、最近血色も良く、剣術を始めたおかげで筋肉もついてきており、男の色気がムンムン増したような気がするのだ。
私の心臓が血の呪いで止まることはもうないが、別の意味で心臓が止まってしまいそうだ……ハフン……。
私達が薔薇園のガゼボに入ると、護衛騎士は気を使ってくれ距離を置き、遠巻きに警護をしてくれている。
セフィル様が腰を下ろしたので、私も正面に腰を下ろそうとしたのだが、止められてしまう。
「アリア、恋人同士は紳士が淑女を膝の上に抱っこして座るのが常識だとフランツに聞いたのだが……。」
お兄様!グッジョブ!!
そんな常識ありはしないが、ここはほれ、淑女がそんなハシタナイことお願いできないではないか!
お兄様の助け舟をフル活用させてもらおう!
ドキドキしながらもセフィル様の膝の上にチョコンと座ると、男らしい腕にギュッと抱き締められた。
ここは天国ですか?
「ふふ、夢のようだな。
アリアをこんな風に抱き締められる日がくるなんて。」
ハッ!
頬をつねったら目が覚めて、夢でしたー残念!なんてオチないよね!?
「セフィル様、ちょっと頬をつねってもらえませんか?」
「へ?」
あぁ、初恋を拗らせすぎて、幻覚を見ている可能性も捨てきれないわ!
内心焦っていると、セフィル様がクスクス笑い始めた。
「お前達兄妹は突拍子も無いことを言い出すな。」
「心外です……。」
あの腹黒兄と私を一括りにしないでほしい。
「そうむくれるな。
可愛すぎてキスしたくなるじゃないか。」
へ?っと思ったのも一瞬で、セフィル様の唇が私の唇に重なった。
少し唇が離れ、セフィル様の美しいお顔が睫毛が触れそうな距離にある。
「愛しているよ、アリア。」
心臓がドンドコ早鐘をうち、頭がクラクラしてくる。
こんな幸せに慣れる日はくるのだろうか?
でも幸せに翻弄され、クラクラする毎日も悪くない。
今度は不意打ちではなく、2人微笑み合い、口付けを交わすのであった。
※※※
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
一途系お嬢様、いかがだったでしょうか?
私はこんな女の子、好きです!
でも私の表現力が足りないばかりに、ストーカー系残念お嬢様に見えなくもないのですが……。
一気に執筆してしまったので気になる箇所はその都度変更したりしています。
文が少し変わってたりしますが、内容は全く変わりませんのでご了承いただけたら幸いです。
ありがとうございました!
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(15件)
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こういう、すれ違いの異世界のお話、大好きです❗️素晴らしい作品をありがとうございます♥️♥
すみません先程の感想の追記です
『すれ違い』や『勘違い』の他に『両片思い』
or『両片想い』タグをつけてもいいかもしれません
途中であまりにアリアが可哀想で切なくて泣いてしまいましたが
最後はハッピーエンドになって良かったです
とても面白かったです٩(*´︶`*)۶
『すれ違い』や『勘違い』タグをつけておくともっと読む人が増えると思います!
とても良い作品なのでもっと多くの方々に読んでもらいたい
あと、私もセフィルsideのお話をもっと読んでみたいです!
勝手ながら番外編or続編ができることを願っています
これからも頑張ってください
応援しています(๑•̀o•́๑)۶ FIGHT☆ͦ
長文失礼しました