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九頁 愛憎のヒガンバナ
122話 異変
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シュヴァリエ・アクナイトの誘拐は瞬く間にアクナイト公爵家をはじめとした五つの公爵家と王家に伝えられた。さらにはその犯行がリコリス侯爵家の手の者によるものであるとなっては国家のためにも動かないわけにはいかなかった。王室は即座にリコリス侯爵家に使いを送ったがその時すでに侯爵夫妻とその姉、そして子どもたちは足取りがつかめない状況になっておりさすがに異常事態であると判断し王室と公爵家で緊急会議が開かれることとなった。
その一方でアーダへと赴いていた学生たちはそれぞれルートを変更し、リコリス家の別荘や関係の深い領地を巡りながらアクナイト公爵子息の捜索を行いながら帰国することとなり、各馬車にアーダからの護衛がつけられた。これはアーダ側からの申し出で両国の外交に揺らぎがないことを言外に宣言したも同然である。またアーダの国王からも此度の件で両国の関係が揺らぐことはないとの旨を記した書状がツヴィトーク王室に届けられたこともあり、アーダ側の対応にツヴィトークはひとまず安堵の息を漏らしたという。
そしてアウル、エヴェイユをはじめとした面々は一旦学園へ帰ることになった。王族や他国の高位貴族の無事が確認できない状況ではさらに不安が広がるだろうとの判断である。事態が事態だけに最短ルートで帰国し、現在は第二の生徒会長室にて会議を行っていた。
どこか余裕のない表情を浮かべながら、アウルはシュヴァリエから送られたバングルを握りしめていた。そんなアウルにやや呆れながら、エヴェイユが声をかける。
「……少し落ち着いたらどうですか?」
「だが……俺がそばにいればシュヴァリエは」
「オルニス公子のせいではありませんよ。もとはと言えばシュヴァリエ様が勝手にどこかに行くのが悪いんですから」
「リヒト……そんなこと言っちゃだめだよ。……アクナイトさん大丈夫かな?」
「あの状況下で咄嗟に証拠を残せるんですから、余裕があると思いたいですが……」
「本当によくやりますよね。それに加えて……」
リヒトの視線はアウルの顔から下へと移動し、アウルの膝の上にいるもふもふを捉えた。それにつられて全員の視線がアウルの膝にいるもふもふ——フェイバースパイダーの子どもへと向けられる。
「フェイバースパイダーの子どもがこんなところまで来るとは思いませんでしたよ」
「僕もびっくりしたよ! きっとアクナイトさんに会いたかったんだね」
「私は報告書で把握していた程度ですが、正直半信半疑だったんです。まさか本当にこのようなことがあるとは……」
「ギュ? ギュギュ~♪」
自分を覗き込んでくる人間をつぶらな瞳で見つめる子蜘蛛はたいそう愛らしいが、纏う空気はどこか重く、この子蜘蛛もお気に入りの人間に害を為されて怒っていることがわかる。外交に関わる上眷属まで怒らせている以上、中途半端な対応は許されない。
「いきなりオルニス公子から紹介された時は非常に驚きましたよ」
「俺も驚いた。シュヴァリエを探していたら突然現れて現場に案内されたんだからな」
「それならアクナイトさんが攫われるところを目撃していたのかもしれませんね」
「おそらくな」
「それなら助けようとしそうなものだけど……」
「……シュヴァリエがこの子蜘蛛を守るために庇ったのだとしたら、その意図を汲んで俺たちを連れてくることを優先した可能性はある」
「ああ……人間のいざこざに巻き込んで眷属を傷つけたら大変なことになりますからね」
「それにシュヴァリエ自身も相当気に入っているようだったから余計に守る選択をしたんだろ」
「アクナイトさん結構撫でてたもんね」
みんなの脳裏には無表情で子蜘蛛を撫でているシュヴァリエの姿が浮かんだ。無表情のシュヴァリエと彼に撫でられてご満悦の子蜘蛛という妙にちぐはぐな光景にこんな状況下にもかかわらずほんの少しだけ空気が緩む。そのおかげというのもなんだが、それぞれに僅かな余裕が戻ったのを互いに確認し改めて今後についての話し合いが行われる流れになった。
「実を言うとリコリス侯爵家ではアマラ・リコリスがアクナイト公爵家から離縁されたあと、たびたび不審な動きがありました。その動きをいち早く察知した兄上がアクナイト公爵と共に監視を行っていたのですが……」
「なにかあるのか?」
「いいえ。なにもなかったのですよ」
「それはおかしくないか? 不審な動きがあったんだろう?」
「ええ。不審な動きは確かにあったんです。しかしその不審な動きを辿ってもその先には何も出てこない、と」
「……どういうことだ?」
「わかりません。報告を受けた父上も調査を行っていた兄上も公爵もこの不可解な現象を不気味がっておいででした。リコリス家で働いている使用人や出入りの商人、繋がりのある貴族など……不審な動きを察知して以来リコリスの者と接触したすべての人間や物を当たりましたが何一つ、不審なものが出てこなかったのです」
「……リコリス家の不審な行動とはどんなものだったんだ?」
「そこから先は私が話しますよ」
そう言ってリヒトが話し出したのは俄には信じられない内容だった。
「クラルテが編入して間もなくアラグリア・リコリス嬢とイデアル・オルテンシア公子との間に起こった諍いを覚えていますか?」
「ああ。確かシュヴァリエが解決したものだったな。それがどうした?」
「どうやらあれはアラグリア・リコリス嬢のお遊戯だけではなかったのですよ」
「……なに?」
「どういうこと!?」
あの事件の後、小箱に奇妙な違和感を覚えたエヴェイユが魔塔に調査を依頼したところ、どうやら小箱には実際に何らかの種が入っていたらしい。種と言っても植物の種などではなく魔術で使用するための丸い形をした何かでそれが植物の種の形をしているだけという話だったそうだが。何の魔術なのかは魔塔主ですら特定できなかったという。加えて箱の外側の模様も古代文字の意地悪な文言だけではなく魔術陣の一部分でもあったということで、そちらは特定できたもののツヴィトーク王国では禁忌とされている魔術陣であったため第四王子であるリベルタも加わっての調査が行われることが決定した。
「……禁忌の術式…………そんなものがあの小箱に?」
「ええ。ですから悪い言い方にはなりますがアクナイト公爵家の次男という自分たちよりも高位の貴族子息の誘拐事件を起こしてくださったことでようやく本格的に動くことができるようになったのです」
「厄介だな……」
「全くです。もっとも不審な行動をした時点で捕らえる方法がないわけではないですが……」
リヒトは一旦言葉を切り、ちらりとクラルテに視線を向け、言葉を飲み込む。それだけでクラルテ以外の面々はリヒトが何を言おうとしていたのか察せられた。あまり褒められた方法ではないし平民であるクラルテが知らなくていい汚れた方法だ。
エヴェイユは一つ息を吐き口を開く。
「それ以外にも不審な行動は多々ありますが……ひとまずシュヴァリエ公子の行方は全力でアクナイト公爵が追っていますし学生の皆様にも捜索をお頼みしている現状です。今はとにかく情報が足りませんから」
そこまで言ったときやや乱暴に部屋の扉が開け放たれ何者かが室内へ入ってきた。
「おやクオーレ公子。いったいどうしたというのですそんなに慌てて」
部屋へと入ってきた人物——クオーレはどこか焦っている様子でただ事ではないことが窺える。
「シュヴァリエ・アクナイトが帰ってきた」
もたらされた内容にその場にいた全員が絶句し、一番先に我に返ったアウルが部屋を飛び出していったことでほかの面々も急いで部屋を出ていく。
クオーレが先導し着いた先はシュヴァリエに与えられている寮の部屋だった。そっと扉を開けると果たしてそこには——行方不明になったはずのシュヴァリエ・アクナイトがベッドに腰かけていた。特段怪我もなさそうな様子にひとまず全員が安堵する。
「シュヴァリエ!」
アウルはたまらずシュヴァリエに駆け寄り触れようとした直後——パシンと乾いた音が室内に木霊した。一瞬何が起こったのかわからなかったが、次第に伸ばした手が熱を帯びてきたことでシュヴァリエに手を払われたのだと気づく。クラルテたちも信じられないものを見る目でシュヴァリエを見ていた。
「な、なにをやっているんですか!」
その無礼な行為にリヒトが声を上げるがすぐに言葉を失った。静かにゆっくりとした動きで向けられたシュヴァリエの目は——
「私に触れるな」
温度も色も失い、ただひたすらに冷たく虚空を見つめていた。
その一方でアーダへと赴いていた学生たちはそれぞれルートを変更し、リコリス家の別荘や関係の深い領地を巡りながらアクナイト公爵子息の捜索を行いながら帰国することとなり、各馬車にアーダからの護衛がつけられた。これはアーダ側からの申し出で両国の外交に揺らぎがないことを言外に宣言したも同然である。またアーダの国王からも此度の件で両国の関係が揺らぐことはないとの旨を記した書状がツヴィトーク王室に届けられたこともあり、アーダ側の対応にツヴィトークはひとまず安堵の息を漏らしたという。
そしてアウル、エヴェイユをはじめとした面々は一旦学園へ帰ることになった。王族や他国の高位貴族の無事が確認できない状況ではさらに不安が広がるだろうとの判断である。事態が事態だけに最短ルートで帰国し、現在は第二の生徒会長室にて会議を行っていた。
どこか余裕のない表情を浮かべながら、アウルはシュヴァリエから送られたバングルを握りしめていた。そんなアウルにやや呆れながら、エヴェイユが声をかける。
「……少し落ち着いたらどうですか?」
「だが……俺がそばにいればシュヴァリエは」
「オルニス公子のせいではありませんよ。もとはと言えばシュヴァリエ様が勝手にどこかに行くのが悪いんですから」
「リヒト……そんなこと言っちゃだめだよ。……アクナイトさん大丈夫かな?」
「あの状況下で咄嗟に証拠を残せるんですから、余裕があると思いたいですが……」
「本当によくやりますよね。それに加えて……」
リヒトの視線はアウルの顔から下へと移動し、アウルの膝の上にいるもふもふを捉えた。それにつられて全員の視線がアウルの膝にいるもふもふ——フェイバースパイダーの子どもへと向けられる。
「フェイバースパイダーの子どもがこんなところまで来るとは思いませんでしたよ」
「僕もびっくりしたよ! きっとアクナイトさんに会いたかったんだね」
「私は報告書で把握していた程度ですが、正直半信半疑だったんです。まさか本当にこのようなことがあるとは……」
「ギュ? ギュギュ~♪」
自分を覗き込んでくる人間をつぶらな瞳で見つめる子蜘蛛はたいそう愛らしいが、纏う空気はどこか重く、この子蜘蛛もお気に入りの人間に害を為されて怒っていることがわかる。外交に関わる上眷属まで怒らせている以上、中途半端な対応は許されない。
「いきなりオルニス公子から紹介された時は非常に驚きましたよ」
「俺も驚いた。シュヴァリエを探していたら突然現れて現場に案内されたんだからな」
「それならアクナイトさんが攫われるところを目撃していたのかもしれませんね」
「おそらくな」
「それなら助けようとしそうなものだけど……」
「……シュヴァリエがこの子蜘蛛を守るために庇ったのだとしたら、その意図を汲んで俺たちを連れてくることを優先した可能性はある」
「ああ……人間のいざこざに巻き込んで眷属を傷つけたら大変なことになりますからね」
「それにシュヴァリエ自身も相当気に入っているようだったから余計に守る選択をしたんだろ」
「アクナイトさん結構撫でてたもんね」
みんなの脳裏には無表情で子蜘蛛を撫でているシュヴァリエの姿が浮かんだ。無表情のシュヴァリエと彼に撫でられてご満悦の子蜘蛛という妙にちぐはぐな光景にこんな状況下にもかかわらずほんの少しだけ空気が緩む。そのおかげというのもなんだが、それぞれに僅かな余裕が戻ったのを互いに確認し改めて今後についての話し合いが行われる流れになった。
「実を言うとリコリス侯爵家ではアマラ・リコリスがアクナイト公爵家から離縁されたあと、たびたび不審な動きがありました。その動きをいち早く察知した兄上がアクナイト公爵と共に監視を行っていたのですが……」
「なにかあるのか?」
「いいえ。なにもなかったのですよ」
「それはおかしくないか? 不審な動きがあったんだろう?」
「ええ。不審な動きは確かにあったんです。しかしその不審な動きを辿ってもその先には何も出てこない、と」
「……どういうことだ?」
「わかりません。報告を受けた父上も調査を行っていた兄上も公爵もこの不可解な現象を不気味がっておいででした。リコリス家で働いている使用人や出入りの商人、繋がりのある貴族など……不審な動きを察知して以来リコリスの者と接触したすべての人間や物を当たりましたが何一つ、不審なものが出てこなかったのです」
「……リコリス家の不審な行動とはどんなものだったんだ?」
「そこから先は私が話しますよ」
そう言ってリヒトが話し出したのは俄には信じられない内容だった。
「クラルテが編入して間もなくアラグリア・リコリス嬢とイデアル・オルテンシア公子との間に起こった諍いを覚えていますか?」
「ああ。確かシュヴァリエが解決したものだったな。それがどうした?」
「どうやらあれはアラグリア・リコリス嬢のお遊戯だけではなかったのですよ」
「……なに?」
「どういうこと!?」
あの事件の後、小箱に奇妙な違和感を覚えたエヴェイユが魔塔に調査を依頼したところ、どうやら小箱には実際に何らかの種が入っていたらしい。種と言っても植物の種などではなく魔術で使用するための丸い形をした何かでそれが植物の種の形をしているだけという話だったそうだが。何の魔術なのかは魔塔主ですら特定できなかったという。加えて箱の外側の模様も古代文字の意地悪な文言だけではなく魔術陣の一部分でもあったということで、そちらは特定できたもののツヴィトーク王国では禁忌とされている魔術陣であったため第四王子であるリベルタも加わっての調査が行われることが決定した。
「……禁忌の術式…………そんなものがあの小箱に?」
「ええ。ですから悪い言い方にはなりますがアクナイト公爵家の次男という自分たちよりも高位の貴族子息の誘拐事件を起こしてくださったことでようやく本格的に動くことができるようになったのです」
「厄介だな……」
「全くです。もっとも不審な行動をした時点で捕らえる方法がないわけではないですが……」
リヒトは一旦言葉を切り、ちらりとクラルテに視線を向け、言葉を飲み込む。それだけでクラルテ以外の面々はリヒトが何を言おうとしていたのか察せられた。あまり褒められた方法ではないし平民であるクラルテが知らなくていい汚れた方法だ。
エヴェイユは一つ息を吐き口を開く。
「それ以外にも不審な行動は多々ありますが……ひとまずシュヴァリエ公子の行方は全力でアクナイト公爵が追っていますし学生の皆様にも捜索をお頼みしている現状です。今はとにかく情報が足りませんから」
そこまで言ったときやや乱暴に部屋の扉が開け放たれ何者かが室内へ入ってきた。
「おやクオーレ公子。いったいどうしたというのですそんなに慌てて」
部屋へと入ってきた人物——クオーレはどこか焦っている様子でただ事ではないことが窺える。
「シュヴァリエ・アクナイトが帰ってきた」
もたらされた内容にその場にいた全員が絶句し、一番先に我に返ったアウルが部屋を飛び出していったことでほかの面々も急いで部屋を出ていく。
クオーレが先導し着いた先はシュヴァリエに与えられている寮の部屋だった。そっと扉を開けると果たしてそこには——行方不明になったはずのシュヴァリエ・アクナイトがベッドに腰かけていた。特段怪我もなさそうな様子にひとまず全員が安堵する。
「シュヴァリエ!」
アウルはたまらずシュヴァリエに駆け寄り触れようとした直後——パシンと乾いた音が室内に木霊した。一瞬何が起こったのかわからなかったが、次第に伸ばした手が熱を帯びてきたことでシュヴァリエに手を払われたのだと気づく。クラルテたちも信じられないものを見る目でシュヴァリエを見ていた。
「な、なにをやっているんですか!」
その無礼な行為にリヒトが声を上げるがすぐに言葉を失った。静かにゆっくりとした動きで向けられたシュヴァリエの目は——
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