7 / 20
第7章 25日目の奇跡
しおりを挟む
暦の神を祝う日が近づくと、村はいつもより明るく賑やかになります。
寒い風が吹いても、人々の笑い声の方が強く響く――そんな日。
「アメリア様、こちらのお花、祭壇に飾ってもよろしいですか?」
「はい、赤い花は勇気の色ですから、中央に置きましょう」
兵士たちがもってきた木の枝を彩りながら、わたしは微笑みました。
この辺境の暦祭は、王都のように豪華ではありません。けれど、ひとりひとりが心を込めて作る飾りがあたたかくて愛しいのです。
「本当に助かりますよ、アメリア様」
「いえ、わたしのほうこそ。皆さんに支えられてばかりですから」
そんな会話をしていたら、背後から声がしました。
「支えられてばかり、ではないな」
振り返ると、ライナルト様が立っていました。
凛とした姿。けれど今日はいつになく柔らかな笑みです。
「領内の者たちが言っていた。“花の令嬢が来てから、雪が和らいだ”と」
「そ、それは偶然です。暦の神さまのおかげです!」
慌てて否定するわたしに、彼は小さく笑いました。
「謙虚だな。だが――この冬の空気は確かに変わった。春は近い」
そう言って、手にしていた何かを差し出してきました。
小さな木箱。蓋を開けると、中には白い花飾りがありました。雪花草を模した細工で、花びらの中央に小さな石が埋め込まれています。
「これは……」
「暦の石だ。25の印が刻まれている。お前が生まれた日だろう」
「あ……!」
胸の奥が跳ねました。
まさか、覚えていてくださったなんて。
「この領では、祭の日とお前の誕生日が重なるそうだな。……祝福を」
彼の声が静かに響き、頬にほんのり熱が上りました。
「ライナルト様……ありがとうございます。本当に、うれしいです」
「礼を言うなら、笑え。お前の笑顔は冬を遠ざける」
思わず笑って、両手で花飾りを握りしめました。
その瞬間、村の子どもたちが走り出してきます。
「アメリア様! 誕生日なんでしょ!?」
「歌、歌っていい?」
「もう……あなたたち、誰が教えたの!?」
わたしの抗議も届かず、子どもたちが輪になって小さな歌を歌い始めました。
ライナルト様も軍服の袖をまくり、笑いながら拍子を取ってくれます。
笑顔の輪が雪の中に広がるその光景に、胸の奥が温かくなりました。
「……25日に生まれるのが、こんなに嬉しい日になるなんて」
言葉がこみ上げます。
いつかは呪いだと思っていた数字が、いまは光を持って輝いて見える。
「アメリア」
「はい」
「お前がこの地に来てから、兵たちはよく笑うようになった。村に子どもたちの声が戻った。……それだけで十分、奇跡だ」
その言葉に、思わず胸が締めつけられました。
わたしは首飾りに触れながら、そっと顔を伏せます。
「奇跡なんて、わたしにはもったいない言葉です。
でも、もしこんな日々が少しでも続くなら……それが一番の幸福です」
ライナルト様は静かに頷き、ついでわずかに手を伸ばしました。
その手が、わたしの髪に触れます。やさしく指先が一房をすくい上げました。
胸の鼓動が早まる。
けれど、不思議と怖くありませんでした。むしろ、包み込まれるように心が落ち着いていく。
「お前の髪に、陽が当たると……氷が溶けるようだ」
その囁きに、息が止まる。
頬が熱くて、視線を合わせることもできない。
「ライナルト様……そのようなことを言われたら……」
「事実を言っただけだ」
少し照れたように目を逸らす彼の姿が、どこまでもあたたかでした。
~~~~~~~~~~
日が落ちるころ、祭の炎が焚かれ、村人たちが集まって踊り出しました。
わたしも誘われ、輪の中に入ります。
雪の上を踏むたびに、地面の下の春が目を覚ますような気がしました。
ふと視線を上げると、ライナルト様がこちらを見ていました。
焚火の光に照らされた銀の目が、どこまでもやさしく光っています。
「見ていてくださっているんだ……」
その一瞬が、胸いっぱいの幸福で満たされました。
凍った時間に、ようやく春の色が差したような。
暦の神に祈ります――どうか、この日が終わらないで。
~~~~~~~~~~
祭のあと、村人たちが引き上げた広場に、ふたりきりが残りました。
雪が静かに舞い落ちる夜。
焚火の名残が淡く光り、まだ少しあたたかい。
「外は冷える。早く屋敷に戻れ」
「はい。でも、もう少しだけ見ていたくて……」
「雪を?」
「はい。……この白さが、好きになりました。
この地に来て、ようやく雪が優しく見えるようになった気がします」
そう言うと、ライナルト様は少しだけ微笑みました。
手袋を外し、ゆっくりと手を伸ばしてきます。
その手が、わたしの頬にふれました。
冷たいはずの指先が、驚くほどやわらかでした。
「おめでとう、アメリア。……25日目の娘」
息が詰まる。
「……ありがとうございます」
声が震えました。
でも笑って答えられたのは、彼の手のぬくもりがあったから。
「この日を、忘れるな」
「忘れません。25日は、わたしの運命が変わった日ですから」
そして、彼はほんの一瞬だけ、わたしの額に唇を触れさせました。
雪が舞い散る音の中で、心臓の鼓動だけが強く響いていました。
寒い風が吹いても、人々の笑い声の方が強く響く――そんな日。
「アメリア様、こちらのお花、祭壇に飾ってもよろしいですか?」
「はい、赤い花は勇気の色ですから、中央に置きましょう」
兵士たちがもってきた木の枝を彩りながら、わたしは微笑みました。
この辺境の暦祭は、王都のように豪華ではありません。けれど、ひとりひとりが心を込めて作る飾りがあたたかくて愛しいのです。
「本当に助かりますよ、アメリア様」
「いえ、わたしのほうこそ。皆さんに支えられてばかりですから」
そんな会話をしていたら、背後から声がしました。
「支えられてばかり、ではないな」
振り返ると、ライナルト様が立っていました。
凛とした姿。けれど今日はいつになく柔らかな笑みです。
「領内の者たちが言っていた。“花の令嬢が来てから、雪が和らいだ”と」
「そ、それは偶然です。暦の神さまのおかげです!」
慌てて否定するわたしに、彼は小さく笑いました。
「謙虚だな。だが――この冬の空気は確かに変わった。春は近い」
そう言って、手にしていた何かを差し出してきました。
小さな木箱。蓋を開けると、中には白い花飾りがありました。雪花草を模した細工で、花びらの中央に小さな石が埋め込まれています。
「これは……」
「暦の石だ。25の印が刻まれている。お前が生まれた日だろう」
「あ……!」
胸の奥が跳ねました。
まさか、覚えていてくださったなんて。
「この領では、祭の日とお前の誕生日が重なるそうだな。……祝福を」
彼の声が静かに響き、頬にほんのり熱が上りました。
「ライナルト様……ありがとうございます。本当に、うれしいです」
「礼を言うなら、笑え。お前の笑顔は冬を遠ざける」
思わず笑って、両手で花飾りを握りしめました。
その瞬間、村の子どもたちが走り出してきます。
「アメリア様! 誕生日なんでしょ!?」
「歌、歌っていい?」
「もう……あなたたち、誰が教えたの!?」
わたしの抗議も届かず、子どもたちが輪になって小さな歌を歌い始めました。
ライナルト様も軍服の袖をまくり、笑いながら拍子を取ってくれます。
笑顔の輪が雪の中に広がるその光景に、胸の奥が温かくなりました。
「……25日に生まれるのが、こんなに嬉しい日になるなんて」
言葉がこみ上げます。
いつかは呪いだと思っていた数字が、いまは光を持って輝いて見える。
「アメリア」
「はい」
「お前がこの地に来てから、兵たちはよく笑うようになった。村に子どもたちの声が戻った。……それだけで十分、奇跡だ」
その言葉に、思わず胸が締めつけられました。
わたしは首飾りに触れながら、そっと顔を伏せます。
「奇跡なんて、わたしにはもったいない言葉です。
でも、もしこんな日々が少しでも続くなら……それが一番の幸福です」
ライナルト様は静かに頷き、ついでわずかに手を伸ばしました。
その手が、わたしの髪に触れます。やさしく指先が一房をすくい上げました。
胸の鼓動が早まる。
けれど、不思議と怖くありませんでした。むしろ、包み込まれるように心が落ち着いていく。
「お前の髪に、陽が当たると……氷が溶けるようだ」
その囁きに、息が止まる。
頬が熱くて、視線を合わせることもできない。
「ライナルト様……そのようなことを言われたら……」
「事実を言っただけだ」
少し照れたように目を逸らす彼の姿が、どこまでもあたたかでした。
~~~~~~~~~~
日が落ちるころ、祭の炎が焚かれ、村人たちが集まって踊り出しました。
わたしも誘われ、輪の中に入ります。
雪の上を踏むたびに、地面の下の春が目を覚ますような気がしました。
ふと視線を上げると、ライナルト様がこちらを見ていました。
焚火の光に照らされた銀の目が、どこまでもやさしく光っています。
「見ていてくださっているんだ……」
その一瞬が、胸いっぱいの幸福で満たされました。
凍った時間に、ようやく春の色が差したような。
暦の神に祈ります――どうか、この日が終わらないで。
~~~~~~~~~~
祭のあと、村人たちが引き上げた広場に、ふたりきりが残りました。
雪が静かに舞い落ちる夜。
焚火の名残が淡く光り、まだ少しあたたかい。
「外は冷える。早く屋敷に戻れ」
「はい。でも、もう少しだけ見ていたくて……」
「雪を?」
「はい。……この白さが、好きになりました。
この地に来て、ようやく雪が優しく見えるようになった気がします」
そう言うと、ライナルト様は少しだけ微笑みました。
手袋を外し、ゆっくりと手を伸ばしてきます。
その手が、わたしの頬にふれました。
冷たいはずの指先が、驚くほどやわらかでした。
「おめでとう、アメリア。……25日目の娘」
息が詰まる。
「……ありがとうございます」
声が震えました。
でも笑って答えられたのは、彼の手のぬくもりがあったから。
「この日を、忘れるな」
「忘れません。25日は、わたしの運命が変わった日ですから」
そして、彼はほんの一瞬だけ、わたしの額に唇を触れさせました。
雪が舞い散る音の中で、心臓の鼓動だけが強く響いていました。
1
あなたにおすすめの小説
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
【完結】婚約解消を言い渡された天使は、売れ残り辺境伯を落としたい
ユユ
恋愛
ミルクティー色の柔らかな髪
琥珀の大きな瞳
少し小柄ながらスタイル抜群。
微笑むだけで令息が頬を染め
見つめるだけで殿方が手を差し伸べる
パーティーではダンスのお誘いで列を成す。
学園では令嬢から距離を置かれ
茶会では夫人や令嬢から嫌味を言われ
パーティーでは背後に気を付ける。
そんな日々は私には憂鬱だった。
だけど建国記念パーティーで
運命の出会いを果たす。
* 作り話です
* 完結しています
* 暇つぶしにどうぞ
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました
鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。
けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。
そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。
シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。
困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。
夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。
そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。
※他投稿サイトにも掲載中
追放された令嬢ですが、隣国公爵と白い結婚したら溺愛が止まりませんでした ~元婚約者? 今さら返り咲きは無理ですわ~
ふわふわ
恋愛
婚約破棄――そして追放。
完璧すぎると嘲られ、役立たず呼ばわりされた令嬢エテルナは、
家族にも見放され、王国を追われるように国境へと辿り着く。
そこで彼女を救ったのは、隣国の若き公爵アイオン。
「君を保護する名目が必要だ。干渉しない“白い結婚”をしよう」
契約だけの夫婦のはずだった。
お互いに心を乱さず、ただ穏やかに日々を過ごす――はずだったのに。
静かで優しさを隠した公爵。
無能と決めつけられていたエテルナに眠る、古代聖女の力。
二人の距離は、ゆっくり、けれど確実に近づき始める。
しかしその噂は王国へ戻り、
「エテルナを取り戻せ」という王太子の暴走が始まった。
「彼女はもうこちらの人間だ。二度と渡さない」
契約結婚は終わりを告げ、
守りたい想いはやがて恋に変わる──。
追放令嬢×隣国公爵×白い結婚から溺愛へ。
そして元婚約者ざまぁまで爽快に描く、
“追い出された令嬢が真の幸せを掴む物語”が、いま始まる。
---
置き去りにされた恋をもう一度
ともどーも
恋愛
「好きです。付き合ってください!」
大きな桜の木に花が咲き始めた頃、その木の下で、彼は真っ赤な顔をして告げてきた。
嬉しさに胸が熱くなり、なかなか返事ができなかった。その間、彼はまっすぐ緊張した面持ちで私を見ていた。そして、私が「はい」と答えると、お互い花が咲いたような笑顔で笑い合った。
中学校の卒業式の日だった……。
あ~……。くだらない。
脳味噌花畑の学生の恋愛ごっこだったわ。
全ての情熱を学生時代に置いてきた立花美咲(24)の前に、突然音信不通になった元カレ橘蓮(24)が現れた。
なぜ何も言わずに姿を消したのか。
蓮に起こったことを知り、美咲はあの頃に置き去りにした心を徐々に取り戻していく。
────────────────────
現時点でプロローグ+20話まで執筆ができていますが、まだ完結していません。
20話以降は不定期になると思います。
初の現代版の恋愛ストーリーなので、遅い執筆がさらに遅くなっていますが、必ず最後まで書き上げます!
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
十年間虐げられたお針子令嬢、冷徹侯爵に狂おしいほど愛される。
er
恋愛
十年前に両親を亡くしたセレスティーナは、後見人の叔父に財産を奪われ、物置部屋で使用人同然の扱いを受けていた。義妹ミレイユのために毎日ドレスを縫わされる日々——でも彼女には『星霜の記憶』という、物の過去と未来を視る特別な力があった。隠されていた舞踏会の招待状を見つけて決死の潜入を果たすと、冷徹で美しいヴィルフォール侯爵と運命の再会! 義妹のドレスが破れて大恥、叔父も悪事を暴かれて追放されるはめに。失われた伝説の刺繍技術を復活させたセレスティーナは宮廷筆頭職人に抜擢され、「ずっと君を探していた」と侯爵に溺愛される——
戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました
志熊みゅう
恋愛
十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。
卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。
マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。
その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。
――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。
彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。
断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる