【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。

朝日みらい

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第39章:静かな日々 

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数年が経ち、王国は安定し、私とエドアルドの生活も落ち着いてきた。

もちろん、最初は色々な困難があったけれど、今では平穏な日々が広がっている。

王国の民も、私たちも、皆が幸せそうに暮らしている。

それに、私たちの家庭も、賑やかで温かいものになった。

「リリス、今日も元気だな。」

エドアルドが私を見て、にっこりと笑った。

その顔は、変わらず優しさと愛に溢れていて、私は思わず胸が温かくなる。

「もちろんよ、あなたがいるから。」

私は彼にそう答えながら、少し照れくさい顔をして笑った。

だって、どうしても彼に甘えてしまうんだから。

「俺がいるから…って、俺も君がいるから元気なんだよ。」

エドアルドが私を見つめて、照れくさそうに言った。

普段は頼もしい王様だけど、私の前ではこうやって少し照れてくれるところが、なんだか可愛くて仕方ない。

「エドアルド…」

私は思わず彼に近づき、その手を握った。

彼の手は温かくて、まるで何もかも守ってくれるような気がして、自然に安心する。

「リリス、最近、少しだけお前を甘やかしすぎてる気がするな。」

エドアルドがちょっと困った顔をして言った。

けれど、その目は、どこか嬉しそうで、私は思わず笑ってしまう。

「だって、あなたが甘やかしてくれるんだもの。」

私は無邪気にそう言うと、エドアルドはまた照れ笑いを浮かべた。

「でも、確かに、少しは自分で頑張らなきゃね。」

「そんなに無理しなくていいんだよ、リリス。」

エドアルドは柔らかく私の髪を撫でながら言った。

その優しさが、私の心を温かく包んでくれる。

その時、子どもたちが元気よく走り回る声が聞こえてきた。

私たちの家の庭には、元気いっぱいな子どもたちの笑顔があふれている。

二人の娘と、最近生まれたばかりの息子が、遊んでいるのだ。

「あ、パパ!ママ!」

娘たちが一緒に走り寄ってきて、私たちの元に駆け寄った。

「何をしてるの?」

私は微笑んで、娘たちを迎え入れた。

「ママ、見て!お兄ちゃんと遊んでるの!」

長女が嬉しそうに言うと、次女も「お兄ちゃん、かわいいね!」と続ける。

「お兄ちゃん、もう少しでお昼寝の時間だから、気を付けてね。」

私は優しく注意しながら、二人を見守った。

エドアルドも、楽しそうに笑って子どもたちを見ていた。

「リリス、俺たち、こんなに幸せな日々が来るなんて、思ってもみなかったな。」

エドアルドがぽつりとつぶやいた。その言葉に私は少し驚いたけれど、すぐに笑顔になった。

「私も、まさかこんなに穏やかな日々が続くなんて思わなかった。でも…これが私たちの未来なんだと思うの。」

私はエドアルドに微笑みながら言った。

彼と一緒にいることが、こんなにも幸せで、毎日が宝物のように感じられる。

「リリス、君がいてくれて本当に良かった。」

エドアルドが私の手をそっと握り、その温もりを感じる。

私はその手を握り返しながら、深く息をついた。

「私もよ、エドアルド。」

私は彼に微笑んだ。

「私、あなたと一緒にいることで、何が一番大切かってことが分かった。どんな困難も、あなたが隣にいてくれるなら乗り越えられるって。」

「それはお前が強いからだよ。」

エドアルドが優しく言ったけれど、私はすぐに首を振った。

「エドアルドが支えてくれたからこそ、私は強くなれたの。あなたと一緒だから、私も成長できた。」

私は真剣な気持ちを込めて、彼を見つめた。

エドアルドは少し照れたように笑うと、また私をそっと抱きしめてくれた。

「ありがとう、リリス。」

エドアルドが耳元で囁くと、思わず私は顔を赤くしてしまう。

その後、子どもたちと一緒に過ごした穏やかな午後が過ぎていく。

夕日が差し込む部屋で、私たちは一緒に座り、家族としての時間を大切にしていた。

外では風が優しく吹いていて、窓から見える景色は、まるで絵画のように美しい。

「これからも、ずっと一緒にいようね。」

私はエドアルドに言った。

「もちろんだよ、リリス。」

エドアルドは私を見つめ、微笑みながら言った。

その言葉が、私の心に温かく響いた。

「ずっと、二人で。」

私はそっと彼に寄り添い、幸せそうに目を閉じた。
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