【完結】義妹に全て奪われた私。だけど公爵様と幸せを掴みます!

朝日みらい

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第23章: 領民からの感謝

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アルノーがまた出張先に出発してから数日が経ち、私は領地での新しい計画に忙しく取り組んでいた。

農業や漁業に必要な資材を手配して、領民たちに支給することで、少しでも彼らの暮らしが楽になればと思っていたからだ。

私が考えた計画が実を結んで、領民たちから、

「ありがとう」

と感謝の言葉が届くたびに、心の中で小さな幸せが膨らんでいった。

でも、実はその感謝の声がアルノーに届くと、どうやら思ったよりも大きな波紋を呼ぶことになるなんて。

ある日、アルノーが帰宅した途端、私はすぐにその知らせを聞くことになった。

彼が館に入ってくると、なんだかいつもより顔色が悪いように見えた。

「リリアナ…」

と、私の名前を呼ぶ声が低く、少し不機嫌な感じだった。

「あ、アルノー!おかえりなさい!」

私は微笑んで迎えたものの、何だか彼の表情に不安を感じた。

少し警戒しながら、

「どうしたの?」

と聞くと、アルノーは目を細めて、私をじっと見つめた。

「…何をしている?」と、冷たい声で言われる。

あ、やっぱり怒ってる…。

でも、ちょっと待って。

私、何も悪いことしてないはずよね…?

「え?あ、あの、領地で資材を支給して、農業と漁業をサポートする計画を立てたんだけど…」

と、私は少しだけ緊張しながら言うと、アルノーは腕を組んで私の顔を見つめた。

「それで?」と、彼はさらに深刻そうに言った。

私はその意味がよく分からず、ちょっと混乱したけど、すぐに周囲から伝わってきた感謝の声を思い出した。

「領民たちは、私がしたことに感謝してるわよ?」

アルノーはやっと腕を下ろし、ため息をついた。

「やってくれた、それ自体が悪いんじゃない。君が勝手に動いたことで、少し心配しただけだ。」

と彼は続けた。

「やる前に必ず俺に相談してほしい。」

でも、アルノーの顔には少し困ったような表情も浮かんでいて、なんだか微妙な気分になる。

「みんなが喜んでくれてるのに…?」

私が言うと、アルノーは少し目を細めて、口元に微笑みを浮かべた。

「喜んでいるのは分かっている。でも、次からはリリアナ一人でやらずに、必ず俺に言ってほしい。」

アルノーの言葉には、少しだけ甘さもあった。

どこかしら、私を気遣っているような感じがして、その瞬間、心が温かくなる。

「わかったわ、アルノー。次からは必ず相談するね。」

私は少し照れくさそうに答えると、アルノーはにっこりと笑って言った。

「それなら、安心だな。」

その笑顔を見た瞬間、私は心の中でドキドキしてしまう。

だって、アルノーがこんなに優しく微笑んでくれるなんて、嬉しすぎるじゃない。

「でも…」

と、私はもう少しだけ言いたいことを口にする。

「あなたがちゃんと相談に乗ってくれるって、約束よ。」

アルノーは一瞬、驚いたような顔をした後、またにっこりと笑った。

「ちゃんと答えてやる。」

そう言って、私の頭を軽く撫でてくれる。

「あ、もう…!」

私は驚いて顔を赤くしながら、思わずその手を払いのけた。

アルノーは楽しそうに笑い、また私をからかうような眼差しを向けてくる。

「顔が赤くなってるぞ?」

と、少し意地悪そうに言われ、私はさらに顔を真っ赤にしてしまう。

「だって、あなたが撫でるから!」

と、ちょっとだけムッとしてみる。

でも、そのムッとした顔も、どうやらアルノーには可愛く見えるらしく、彼はますます笑って、

「リリアナを守りたいだけなんだ。分かるよな?」

と、甘い声で言ってきた。

その言葉を聞くと、私はついふっと笑ってしまう。

「もちろん、分かっているわ。」

そう答えると、アルノーは満足げに頷き、さらに私の手を取って、今度は少し真剣な表情で言った。

「見守っていきたいと思ってる。」

その言葉に、温かい気持ちが広がっていくのを感じた。

「ありがとう、アルノー。」

そう言うと、アルノーは私の手を優しく握りしめて、にっこりと笑った。

「これからも頼む。」

その一言が、私の心をしっかりと捉えて離さなかった。
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