【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん

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第4話「真の実力と新たな決意」

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翌朝、セリアは騎士団長のガレットから重要な情報を聞かされた。

「昨日の魔物たちは、実は偵察だったのです」

ガレットの表情は深刻だった。彼の隣に立つ部下の騎士たちも、同様に緊張した面持ちでいる。

「偵察? ということは……」

「はい。本隊がまだ控えているということです。我々の調査によると、森の奥にオークの群れが潜んでいます。その数、おそらく五十体以上」

村人たちの顔が青ざめた。昨日のダイアウルフでさえ、村にとっては大きな脅威だった。それが五十体以上のオークとなれば、もはや絶望的な状況だった。

「騎士団で対処できないのですか?」

セリアが尋ねると、ガレットは苦い表情を浮かべた。

「申し訳ございません。現在、王都では別の大規模な魔物討伐作戦が行われており、こちらに回せる戦力は我々十名程度しか……」

つまり、十名の騎士では五十体のオークには到底太刀打ちできないということだった。

「村の人たちを避難させるのはどうでしょう?」

村長が提案したが、ガレットは首を振った。

「避難先がありません。近隣の町も、同様に魔物の脅威にさらされています。それに、オークたちは執念深い。一度標的を定めると、どこまでも追いかけてきます」

絶望的な状況だった。前世なら、セリアもこの場で諦めるしかなかっただろう。でも今は違う。

「私が行きます」

セリアの言葉に、全員が振り返った。

「セリア様、しかし相手は五十体以上の……」

「昨日の戦いを見たでしょう? 私の魔法なら、数は問題じゃないわ」

実際、昨日魔法を使った時の感覚を思い出すと、セリアには確信があった。この世界での自分の魔力は、明らかに常識を超えている。

「しかし、お一人では危険すぎます。せめて我々も同行を……」

「足手まといになるだけよ」

セリアの言葉は冷たく聞こえたかもしれないが、事実だった。騎士たちの実力では、大規模な魔法の巻き添えを避けることすら困難だろう。

「でも、せめて状況を確認するために、遠くから見守らせてください」

ガレットの提案に、セリアは頷いた。

「分かったわ。でも、絶対に近づかないこと」

午後、セリアは森の奥へ向かった。騎士たちは約束通り、遠距離から双眼鏡で見守っている。

森の中は薄暗く、不気味な静寂に包まれていた。しかし、セリアの魔力探知能力は、確実にオークたちの存在を捉えていた。

「いた」

大きな洞窟の前に、オークたちが陣取っているのが見えた。その数は、ガレットの予想を上回る七十体近く。どれも筋骨隆々とした巨躯で、粗野な武器を手にしている。

普通の魔法使いなら、この光景を見ただけで逃げ出すだろう。でも、セリアの心に恐怖はなかった。むしろ、前世では味わえなかった高揚感すら感じていた。

「前世では、会議で理不尽な決定をされても、パワハラを受けても、何も言い返せなかった。でも今は……」

セリアは両手を空に向けた。体の奥底から、巨大な魔力が湧き上がってくる。

「今度は、私が圧倒的な力を見せてあげる」

「雷よ、天より降り注げ──サンダーストーム!」

空が一瞬で暗雲に覆われ、雷鳴が響いた。そして次の瞬間、無数の雷が洞窟周辺に降り注いだ。

オークたちは一瞬にして半数が倒れた。残った者たちも、突然の攻撃に混乱している。

「まだ終わりじゃないわ。大地よ、揺れ動け──アースクエイク!」

地面が激しく揺れ、洞窟の一部が崩落した。オークたちは立っていることすらできない。

「そして最後に──メテオ!」

空から巨大な炎の隕石が降ってきた。それは洞窟を直撃し、巨大な爆発を起こした。

爆煙が晴れた時、そこにはもはやオークの姿はなかった。洞窟も完全に崩落し、巨大なクレーターができていた。

「これで……終わり」

セリアは静かに呟いた。魔力はまだ十分に残っている。この程度の魔法では、彼女の力の半分も使っていなかった。

遠くで見守っていた騎士たちは、言葉を失っていた。

「あれが……人間の魔法なのか?」

「まるで天災のようだった……」

ガレットも、騎士として数多くの戦場を経験してきたが、これほどの破壊力を目の当たりにしたのは初めてだった。

セリアが戻ってくると、騎士たちは深々と頭を下げた。

「セリア様、ありがとうございました。あなたのおかげで、村は救われました」

「当然のことをしただけよ」

しかし、内心でセリアは満足感に浸っていた。前世では決して得られなかった、絶対的な力による解決。理不尽な相手を、完全に黙らせることができる力。

村に戻ると、村人たちは歓喜の声を上げた。

「セリア様が魔物を全滅させてくださいました!」

「もう安心ですね!」

その夜、再び祝宴が開かれた。しかし、セリアの心は既に次のことを考えていた。

「この力があれば、もっと多くの人を助けることができる」

前世では、自分一人を守ることすらできなかった。でも今は違う。理不尽な権力者たちを正し、困っている人々を救うことができる。

「アンナ、明日王都に向かう準備をして」

「王都ですか? セリア様」

「ええ。この村だけじゃなく、もっと多くの人たちが理不尽な目に遭っているはず。それを何とかしたいの」

アンナは微笑んだ。

「分かりました。きっとセリア様なら、多くの人を幸せにできるでしょう」

その時、ガレットが近づいてきた。

「セリア様、もしよろしければ、冒険者ギルドに登録されることをお勧めします」

「冒険者ギルド?」

「はい。あなたほどの実力があれば、最高ランクからスタートできるでしょう。そうすれば、より大きな問題解決の依頼を受けることができます」

セリアの目が輝いた。前世では、どんなに頑張っても評価されることはなかった。でも今度は、自分の実力が正当に評価される世界がある。

「それは良いアイデアね。ありがとう、ガレット」

セリアの新しい冒険が、いよいよ始まろうとしていた。圧倒的な力を手に入れた彼女が、この世界でどのような活躍を見せるのか。

前世の鬱憤を晴らすかのような、爽快な日々が待っていた。
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