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第41話
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私にはわかっていた。利発なカールが、父親が何をしているのかまったく気付かないことなんて、あるはずがないと。そして、善良で正直なカールは、必ず喋ってしまうことを。だから、嫌な予感がずっと頭から離れなかったのだ。
ヘザーは更に厳しさを増した目で、カールに問う。
「その『真っ当ではないこと』は、どんなことだと思っていた?」
カールは目をそらすことも、うつむくこともなかった。
まっすぐにヘザーを見返して、言葉を紡いでいく。
「父は大柄で、動くだけで目立ってしまうので、窃盗犯ではないと思っていました。詐欺も違うと思ってました。息子の僕一人にすら、本当の仕事を完全には隠しきれないのですから」
「なるほど。それで?」
「……消去法で、恐らくは強盗か何かをしているのだと思っていました」
「賢い坊やだ。そんな賢いあんたには、『強盗』ってのがどういうものか、今さら説明する必要はないよな。人を脅し、傷つけ、場合によっては殺し、金品を巻き上げる最低のクズ。息子のあんたはそれを知りながら、親父を止めなかったって言うんだな?」
「…………」
「これは重要な質問だ。よく考えて答えろ。それで坊やの運命が決まる」
「……その通りです。僕は、僕の暮らす大きな家や、毎日出される食事、勉強のための学費に至るまで、すべてが父の悪事で賄われたものであることを気づいていながら、父を諫めることも、問い詰めることすらありませんでした」
「それは何故?」
「結局のところ、見知らぬ他人が苦しむことより、自分たちの幸福な生活の方が大事だったんだと……思います……」
「そうか。よく正直に話してくれた。少しでも嘘をついたり、保身を図るそぶりを見せたら、顔を張り飛ばしてやろうと思っていたんだが、そんな心配は坊やに対する侮辱だったな。今からは子供じゃなく、一人の男として敬意をもって接するよ」
その優しい言葉で、場の空気が急速に弛緩していく。
固唾を飲んで硬直していたシエルも、深い吐息を漏らした。
しかしヘザーは、緩む空気とは正反対の行動をとる。
なんと、収めていた短剣を再び抜いたのである。
それで、一気に緊張状態に引き戻されたシエルが口を開いた。
「あ、あの、ヘザーさん。短剣を抜いて、いったい何を……」
「今言った通りだ。子供あつかいせず、敬意をもって、一人の男として彼を始末するんだよ」
「どうして!?」
「当然だろう。彼は父親が強盗であることを知っていて、諫めもせず、その恩恵を受けて人並み以上の豪勢な暮らしをしていた。普通に考えれば同罪だ。赤の他人の手下どもより、血縁者の方が罪は重い」
「で、でもそんな……! カール君はまだ子供……」
ヘザーは更に厳しさを増した目で、カールに問う。
「その『真っ当ではないこと』は、どんなことだと思っていた?」
カールは目をそらすことも、うつむくこともなかった。
まっすぐにヘザーを見返して、言葉を紡いでいく。
「父は大柄で、動くだけで目立ってしまうので、窃盗犯ではないと思っていました。詐欺も違うと思ってました。息子の僕一人にすら、本当の仕事を完全には隠しきれないのですから」
「なるほど。それで?」
「……消去法で、恐らくは強盗か何かをしているのだと思っていました」
「賢い坊やだ。そんな賢いあんたには、『強盗』ってのがどういうものか、今さら説明する必要はないよな。人を脅し、傷つけ、場合によっては殺し、金品を巻き上げる最低のクズ。息子のあんたはそれを知りながら、親父を止めなかったって言うんだな?」
「…………」
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「それは何故?」
「結局のところ、見知らぬ他人が苦しむことより、自分たちの幸福な生活の方が大事だったんだと……思います……」
「そうか。よく正直に話してくれた。少しでも嘘をついたり、保身を図るそぶりを見せたら、顔を張り飛ばしてやろうと思っていたんだが、そんな心配は坊やに対する侮辱だったな。今からは子供じゃなく、一人の男として敬意をもって接するよ」
その優しい言葉で、場の空気が急速に弛緩していく。
固唾を飲んで硬直していたシエルも、深い吐息を漏らした。
しかしヘザーは、緩む空気とは正反対の行動をとる。
なんと、収めていた短剣を再び抜いたのである。
それで、一気に緊張状態に引き戻されたシエルが口を開いた。
「あ、あの、ヘザーさん。短剣を抜いて、いったい何を……」
「今言った通りだ。子供あつかいせず、敬意をもって、一人の男として彼を始末するんだよ」
「どうして!?」
「当然だろう。彼は父親が強盗であることを知っていて、諫めもせず、その恩恵を受けて人並み以上の豪勢な暮らしをしていた。普通に考えれば同罪だ。赤の他人の手下どもより、血縁者の方が罪は重い」
「で、でもそんな……! カール君はまだ子供……」
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