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第十四章
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しおりを挟むゴールデンウィークも後半の五月五日。
僕ら四人は最寄り駅から電車で三十分ほどのところにある水族館へ来ていた。ここは春休みに明と大地が二人で来たという水族館で、海岸近くにある。
提案はもちろん、明。
ゴールデンウィーク中に「四人で遊びにいこうよ」から始まり、それが今日になったのは、五月五日が大地の十七回目の誕生日だからだ。
五月五日……なんか、大くんらしい。
天気も良く、爽やかな陽気だ。
きらきら光る海を見ながら水族館への道を歩いて行く。
前を歩くのは大地と明。その後ろを僕と樹が歩く。
気がひけてなんとなく樹の後ろになってしまっているところを、樹が歩みを緩めて合わせてくれる。本来の歩幅ならもうだいぶ距離が離れているはずだ。
それが嬉しいやら申し訳ないやらで、僕の心臓は始終どきどきしている。
(いっくん……よく、行くのオーケーしたなぁ)
ちろっと視線を樹の顔を走らせ、ぱっとすぐ歩道に落とした。
楽しそうとは言い難い、いつもの無表情だった。
(こんな顔してるのに)
今までなら「行かねーよ」って言いそうだが、今回は「行けたら、行くよ」だった。
大地と樹は四人でいてもそんなに話もしない。昼休みに並んで座ることもまずない。
そんな大地の誕生日を祝う目的の遊びにつき合うとは思わなかった。
四人とはいえ、樹と一緒に遊びに行くのは小学六年のあの時以来だ。あれはとても嫌な想い出になってしまったが。
嬉しい反面、やっぱり緊張もする。
樹に冷たくされたら、とか。僕がまたへまをして嫌な思いさせたら、今以上に距離を置かれたら、とか。
いろいろ負の要素を浮かべながら、今日を迎えた。
今少しだけ樹が僕に優しくしてくれているのかも、そう思ったら少しだけ気持ちが上がった。
ゴールデンウィークのそれも祝日ともなれば、この水族館は当然のように混む。
四人で入口から入り、すぐのエスカレーターを上がると、三階分ぶち抜きの大きな水槽がある。
それを、四人一緒に見ているつもりだった。
しかし、ふと気がつくと。
(あれ……大くんたちは……?)
きょろきょろと辺りを見渡す。
僕の隣には樹がいて、水槽を眺めていた。
「あ……」
たくさん人がいる、もっと後方に明のオレンジ色の頭が見えた。周りより頭ひとつ分高い彼はその髪色もあって一目でわかった。僕よりちょっとだけ背が伸びた大地は、それでも周りに溶け込んで見えない。
たぶん、明の傍にいるのだろう。
「どうした?」
「メイさん、まだ、後ろのほうにいる」
樹も後方に顔を向ける。明と同じくらい背の高い樹も容易に周りを見渡せるだろう。
「うん」
「ねぇ、大くん、メイさんの傍にいる? 僕見えないんだけど」
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