【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

亜沙美多郎

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spin-offージェイクと騎士ー

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「ルイ、やはり今夜番う」
 ホテルの一室を押さえてもらうと、すぐに温かいシャワーを浴びた。


 俺は仕事を抜け出して来てしまったから、従業員に謝罪を入れ、すぐに戻ると言ったのだが、断られてしまった。

「副主任、最近のご機嫌な原因はその子ですよね? こんな時は、一緒にいてあげてください」
 こんなことを言われる日が来るなんて、前代未聞だ。
「いや、しかし……」
 すると、隣から別の従業員が走り寄る。
「副主任、私たちを信用してください! 明日の報告書で、必ず驚かせて見せますから!」
「それに、副主任もそんなびしょ濡れだと、風邪ひいちゃいますよ?」

 半ば、押し切られる形で早退した。
 そして冒頭に戻る……。

「慕われているんですね」
 シャワーを浴びながらルイが言う。
 全身冷え切っているから、時間をかけて温めた。
「従業員? そうだな、有難いことに。恵まれていると思うよ」
「それはジェイクさんの気持ちがみんなに伝わっているからです」
「そうだと、良いね」
 
 きっとルイは話を紛らわせようとしているんだ。
 何も聞いて欲しくないのかもしれない。
 それなら、今は無理に何も問い詰めたりしないでおこう。
 無事、帰って来たのだから……。

「もう、寒くない?」
「はい、すっかり温まりました」

 シャワールームから出ると、ルイの様子が少し変わった。
 今夜番う、なんて部屋に入っていきなり言ったものだから、身構えているのかもしれない。
「ほら、しっかり拭かないと」
「わふっ!」
 ルイにタオルを頭から被せ、わしゃわしゃと拭いた。

「わわっ! 自分で出来ますから!!」
「今日は俺がやりたいんだ」
「ひゃっ! くすぐったい」

 ルイの脇をタオル越しにくすぐった。

 少し顔が綻んだところにキスをした。
 ルイの瞳が一点だけを見つめる。

 俺も、ルイだけを見ている。
 
 今度はゆっくりと唇を重ねた。

「ルイ、もうどこにも行かないって約束してくれる?」
 ルイは無言で頷いた。
 俺は、アルファのフェロモンを解放し、ルイの発情を促しにかかる。

「本当は、自然な発情を待ちたかった。でも、もうこれ以上は待てない」
 裸のまま抱きしめ合う。
 温まった体温を共有するように、肌を押し付けた。
 タオルごと、ルイを抱き上げてベッドへと移動する。

「体が……熱い……」
 オメガのフェロモンが溢れ出している。
 優しくベッドに寝かせると、より強いアルファのフェロモンで発情を促す。

「ルイ……」
「ジェイクさ……体が……」
「ああ、アルファの力を使わせてもらう。これからは、止められない」

 ルイの口腔に舌を強引に押し込んだ。

「んんっ……っくぅ、ん……」

 ルイが目を閉じ、俺の首に腕を回す。
 
 二人の舌が絡まる。
 もう離さないよ、ルイ……。
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