【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@

文字の大きさ
38 / 139
第一章 原作前

第34話 ドライVSガイツ・ボッタクリーノ……なんか、ごめん?

しおりを挟む
「ツヴァイ様はドンと構えてお待ちください。ドライ様はメインのガイツ・ボッタクリーノの捕縛をお任せしてよろしいでしょうか」

「え? そりゃ、そっちの方が俺的にも願ったりかなったりなところはあるけど……あの傷の男、イン・ズィードラーは強いです、よ?」

 そういえばミラさんのレベルをちゃんと見てなかったよな……ちゅきちゅきだいちゅきに目が行って!

 ゾワゾワって来たぞ! くっ、ミラさんのアルカイックスマイルが、トラウマになりそうな気しかしない!

 覗いちゃ駄目だ! 落ち着け……ミラさんのステータスはきっと深淵か何かに違いない。自ら飛び込むようなことはしないとここに誓おう。

「厄介ごとを片付けるのもメイドの仕事でございます。この程度の者であればメイドの敵ではございません」

「そ、それじゃあお願いしちゃおっかな、あは、あは、はは……」

 うん。誓おう。天地神明に。メイド。怖い。逆らっちゃ駄目。

「おいガイツ、ナメられてるよなオレ様が」

「ええ。わたくしの方も相手が少年のようです。いくらなんでも女子供に遅れをとる気はないのですが。それとガイツ様と呼びなさい」

「だよなガイツ、それとも痛い目を見たいのか? おい、ガキとメイド、聞いてるだろ? 女子供はスッこんでろってことだ。だが……やるんなら容赦しねえぞ!」

「こうなっては容赦もなにもありませんけどね。それからガイツ様だ。次呼び捨てにしたら後で再教育させてもらいますからね」

「ガイツよ、前々から思ってたがよ、俺様はお前の部下でもなんでもねえんだよ、それがわかったら黙ってやがれ」

「……まあ良いでしょう」

 放っておけばワンチャン潰しあってくれそうな勢いだったけど、ガイツの方が折れた感じだろうか。

 そのガイツは生活魔法のストレージから細身の片手剣を取り出した。鞘はついてない抜き身で。

 その剣は打ち合えば確実に折れ曲がりそうなほど細い。

 俺も剣を抜き、見たところ突きが主体の剣だと思う。

 リズと槍対剣で練習していたから突きのさばき方はある程度わかる。わかるけど――

「行きますよ!」

 ――ご丁寧に合図をしてから攻撃してきたその速さは想定外の速さだった。

 ギン!

「ぐっ!」

 なんとか一撃目は弾き、切先を反らせた。が――

「それそれそれ――それ!」

「がっ! いぎっ! くそっ! ぐはっ!」

 さらに二連突きで左右の肩に被弾し、三連目は顔を狙ってきた。首を捻りながら体を反らし頬を掠めるだけで避けることに成功。

 だけど無理矢理体を反らしてバランスが崩れた俺には四連目の蹴りは避けられなかった。

 レベル29のガイツの蹴りは酷く重い蹴りだった。

 それも押し飛ばす蹴りではなく、上から蹴り落とす軌道、まるで地面に押し潰すのが目的だと言わんばかりの蹴り。

 お腹と、打ち落とされ痛む背中。大丈夫、物理耐性のお陰でまだ動ける!

「ぐぽっ」

 痛む腹を抱えてなんとか跪いた格好まで戻せたんだけど、何かが込み上げ地面にぶちまけた。

 なんだ? これ、真っ赤だ……コレ、血。

「ドライ! そこのあなた! わたくしのドライになんてことをなさるの!」

「ぺっ、リズ。大丈夫だよ。こんなの俺にはかすり傷だから」

「ほほう。蹴った感じですと、内蔵がぐちゃぐちゃに潰れているのですが……私も鈍りましたかね」

「そうみたいだね」

 その通りだよ! めちゃくちゃ痛いしのたうち回りたいくらいだけどここはやせ我慢して、自己再生スキルを信じるしかない!

「こん、なの、何発、食らっても、問題ない、かな。おじさんこそ、息が上がっているけど、運動不足なんじゃないかな」

 問題大有りだけど、今この時間だけでも急激に痛みが引いていってる。頑張れ自己再生。

 もっと話を長引かせれば勝機はある。レベル29だけど、動きは完全に見えた。だから戦える。

「ほう。両腕も使えないと言うのに大口を叩きますね。これだから子供は嫌いです」

 確かにダランと垂れて太ももの間に垂れ下がっているけど、その手にはまだ離さず持っている剣がある。

「ちょっと痛かったけど、血がこれだけしか出てないですよ? レベル29なのに、あ、もしかして手加減してくれたのかな?」

「…………小僧、もしかしてまだ 自分が死なないとでも思っているんじゃないかね?」

 今の間は結構本気で蹴ったってことだよな。これを何度も食らうのはまずい。

 でもガイツが持つ細身の剣で、突きじゃない、切る動作の攻撃ならチャンスはそこだ。だから――

「まあ、首でも切り飛ばされたらさすがに死んじゃうかもね」

 そう言って無防備に首を晒してあげた。

「ではその口を塞ぐために首を切り離してあげましょう!」

 垂れ下がった腕を見てそう見えたのかもしれないけど、この話の時間で腕は力を取り戻せている。

 ガイツはその場でぐるりと一回転。遠心力を加えて首を切り飛ばそうと狙ってきた。もらい!

 頭を引っ込め、剣の下を掻い潜りながら、ガイツの左太ももに剣を突き刺した。

「グァアアアアアア! き、キサマ!」

「オマケだ! ファイアーボール!」

 駄目押しに右足の付け根を狙いファイアーボールを至近距離で――あっ!

 ファイアーボールはガイツの股間で爆発した……。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は村田 歩(ムラタアユム) 目を覚ますとそこは石畳の町だった 異世界の中世ヨーロッパの街並み 僕はすぐにステータスを確認できるか声を上げた 案の定この世界はステータスのある世界 村スキルというもの以外は平凡なステータス 終わったと思ったら村スキルがスタートする

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...