【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪

鈴菜

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真実の愛

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時は進んで、私が16歳の時。
第一王子アダム殿下がとある女性と親密な関係にあるという噂が広まり始めました。

女性の名前は、フレンダ。
もとは隣国の伯爵令嬢で、彼女の両親が王族の意向に反する動きを見せたとして謀殺されたため命からがらこの国に亡命してきた、と語りました。
天涯孤独で身寄りが無く、自身の境遇に絶望し精神的に弱り果てた哀れな女性は王子の心を動かしました。

やがて王子は本気でフレンダを愛するようになって、婚約者の私を忘れるようになりました。
これに慌てたのが教会と王城の上層部。
優れた癒しの魔法を使う聖女を国に繋ぎ止めるための政略結婚が王子の色恋で破談になった場合、聖女が力を使うのを拒絶する恐れがあるからでしょう。

彼らは知っていますからね。
幼い時ですら教会を半壊させるほどの攻撃魔法を使う私の恐ろしさを。
従順とは程遠く、権力に一切屈しない強い精神を持つ私の高潔さを。
私がその気になれば、王子の浮気を理由に聖女の役目を放棄するのを承諾させられることを。

私はそんな心配症な彼らに優しく微笑み、こう言って差し上げました。

「ご心配なく。たとえアダム殿下が噂の元伯爵令嬢と結婚されようとも、聖女の役目を放棄しません。」

この言葉で安堵するお気楽な方も何人かいました。
ですが、もちろん言葉通りではありません。

つまり表向き聖女と結婚しフレンダは側室に迎える、といったものは認めない。
また故意かどうかは不明として、現婚約者を蔑ろにし殿下に近付いた、私に負い目があるフレンダが王妃となることで、王族が聖女に借りを持った体制になるのを求める。
そういった意味を持っています。

隠された意味を正しく理解した利口な方々は当然私をこれまで以上に警戒することとなります。
一方で、王子に良い報告がしたいだけのお馬鹿さんは結婚せずとも聖女の役目を果たす、といった部分だけを彼に伝えます。

こうして着々と崩壊していきました。
報告を受けた王子は私との婚約破棄を急ぐように部下へ命令し、自分はフレンダとの愛を育みました。
困り果てたのはその部下たちです。
王子の命令通りに遂行すれば王族が聖女の顔色を窺わないといけなくなってしまいますからね。

議論は過熱しました。
王子の命令通りにすべきだ。今からでも王子を諫め、聖女との良好な関係を築くべきだ。問題のフレンダが居なくなれば大丈夫だろう。ならば暗殺でもするか。いや、アレに危害が加えられた時は結局王子が聖女を頼ることになる。その時に今回以上の条件を付けられるといけない。そもそも王子があの様な小娘に懸想するのが良くない。では、どうする…?


そんな中、私はまた新しく動きました。
知り合いの力を借りて怪しい老婆に変装し、向かった先はかつて私の家だったセレナーデ侯爵家の屋敷。
その庭で本を読んでいた少女に声をかけます。

「もしもし、そこの可愛いお嬢さん。聖女の力を得る気は無いかね?」
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