私のことはお気になさらず

みおな

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空気を読まない人と自己肯定力の高い人

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 ええと、ケレス様ってこんなに意味不明な人だったの?

 どこをどうすれば、私に愛されてるって思えるの?

 お祖母様同士の願いで婚約したけど、それはいわゆる政略結婚みたいなもので、恋愛感情から結ばれたものじゃないのよ?

 もちろん、婚約者として敬おうとは思っていたし、焦がれるような愛ではなくても、穏やかな家族愛を持てるようになりたいと思っていたわ。

 それに実際、婚約してしばらく・・・カバヤン伯爵令嬢が現れるまでは、それなりの情は持っていたわ。

 でもね?

 婚約者ではない人を、あそこまで大切にして、当の婚約者の情が残るとでも思うの?

 ケレス様は、私を蔑ろにしたつもりはないのかもしれない。

 お茶会を欠席することもなかったし、一応だけどデートにも誘っていただいたわ。

 ただし、カバヤン伯爵令嬢と一緒だったけど。

 そして最終的には、帰る私を送らずにカバヤン伯爵令嬢とデートをしてたわよね?

 そのことを私がとがめなかったから、大丈夫だと思ったの?

 そんなわけないじゃない。
それをされた時点で、完全に情がなくなっただけよ。

 情もない相手にいちいち何か言うのも嫌だから、言わなかっただけで。

「何をおっしゃっているのか、理解できませんわ。私は別に意地を張っているわけではございません。心から、タービン公爵令息のことをどうでもいいだけですわ。それに、私はヴィル様の婚約者になれたこと、心から嬉しく思っていますの。変なことを言わないでくださる?」

「・・・は?」

「ですから、私はタービン公爵令息を愛したことなどございません。祖母の希望でした婚約ですし、婚約者になった限りは、敬愛できればと思っておりましたけど、ですわ」

 理解できたかしら?
それとも自己肯定力が強そうだから、これだけ言っても私が強がってると言うかしら?

「そんな・・・う、嘘だ・・・」

「そうよっ!ケレスのことを何とも思ってないなんて嘘に決まってるわ!ケレスがって、そんな強がりを言ってるんでしょ!」

 貴女も大概、ケレス様と自分のことを正しいと思ってるわよね。

 というか、喜べば良いんじゃない?

 私との婚約がなくなったし、貴女がケレス様と婚約すれば良いじゃないの。

 貴女に公爵夫人ができるかどうかはともかくとして、タービン公爵夫人も貴女のことお気に入りみたいだし。

「強がりも何も、事実を述べているだけですわ。それに、良かったではありませんか。これで心置きなくタービン公爵令息と婚約できましてよ」


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