私のことはお気になさらず

みおな

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罪と罰②

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「私はあなたのことを心底軽蔑します」

 私のケレス様に対しての気持ちは、それに尽きる。

 本当にカバヤン伯爵令嬢を好いていたのなら、私との婚約を解消すれば良かったのだ。

 決めるのはタービン公爵なのだから、父親を説得すれば良い。

 もしそれが難しくても、せめて相談してくれていたなら協力したのに。

 それを、私がからといって、何をしても許されるとか考えたのだろうか?

 そんな奇特な人間、いるわけないだろうに。

 自分が領地での軟禁を言い渡されたのか。

 婚姻後に国外追放になるのか。

 どうしてそこを考えないのだろうか。

「王命を聞けない貴族など、我が国には必要ない。ケレス・タービンを貴族牢へ。そして婚約者であるミネルバ・カバヤンを王宮へ呼べ。二人ともミネルバ・カバヤンが成人するまで王宮にて監視することとする」

 国王陛下の命が下され、即座に騎士がケレス様を拘束した。

「ティ、ティアっ!」

「・・・」

 私に助けを求めるように手を伸ばすけど、私はケレス様から視線を逸らしヴィル様の腕に顔を伏せた。

 何を言っても全く通じず、国王陛下のお言葉すら理解しないケレス様に、もうこれ以上関わりたくないと思った。

 恋愛感情があろうとなかろうと、カバヤン伯爵令嬢との婚姻は決定事項だ。

 まぁ、平民となるわけだし国外追放されるから、離縁してもかまわないだろうけど、リーデンス王国で一応は婚姻手続きされてからの追放となる。

 しかも追放先が、王妃殿下の妹様が嫁がれた東の国。

 私が王妃様から聞いた話では、妹様はとても不貞とかその類のことに厳しい方なのだとか。

 東の国自体も、王族ですら一夫一妻制で愛妾など許されない国風らしい。

 だから、病死ならともかく一般的な離縁は周囲の目が厳しいらしいわ。

 そんな国で、今まで貴族として傅かれて来たあの二人が生きていけるのかしら。

 まぁ、流刑のようなものだけど、生きてはいるわけだし罪人に落としたわけでもないのだから、本人たちの努力次第よね。

 ケレス様は最後まで喚いていたけれど、私はその姿を見ようとはしなかった。

 これは、彼の犯した罪に対する罰だもの。

 ケレス様のご実家であるタービン公爵家も罰を受けた。

 正当な嫡男であるケレス様を失い、別の公爵家から養子を受け入れなければならなくなった。

 カバヤン伯爵は、ミネルバ様の弟様が成人した時点で伯爵位を譲り、領地に下がることになっている。

 みんながそれぞれに罰を受けた。

 これでやっと終わったのだと、私は小さく息を吐いた。
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