私のことはお気になさらず

みおな

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実子と養子

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 ランディは可愛かった。

 いや、男の子を可愛いというと失礼かもしれないけど、十歳だしまだ許容範囲よね?

 結婚してからは、リリアともしょっちゅう会えるわけじゃない。

 いやまぁ、あの子はグリフォン公爵家に突撃してくるけど。

 でも、さすがに毎日ってわけじゃないし、一緒に暮らしていた頃とは違う。

 だから、姉様と慕ってくれるランディが本当の弟のように可愛い。

 そういえば、うちの男共は二人とも森のクマさんだし、王太子殿下も見た目は可愛いけど陛下に似てちょっとブラック入ってるし。

 ヴィル様は、可愛いというよりかっこいいだし。

 うん。自分の子供が後継でなくてもいいわ。

 ランディが後継になるなら、ずっと一緒にいられるわよね。

 あれ?でもどうして領地にいるの?

「ランディはずっと領地なの?どうして?」

 領邸の案内の後、客間でお茶を飲むことになった。

 夫婦の部屋でも良かったんだけど、勝手にランディを入れていいのか判断がつかなかったのよね。

 王都なら、夫婦の部屋とは別に公爵夫人としての部屋があるから、アデリアに同席して貰えば問題ないのだけど、領邸は二人の部屋だからヴィル様の許可なく入れられないというか・・・

 多分、駄目とは言われないと思うのだけど。

「ここで領地経営の勉強をしています。養子になった一年ほどは王都で暮らしていたのですが、僕には公爵当主は向かない気がして・・・だから、父上にお願いして領地に。いずれティア姉様と父上の子供が生まれたら、お支えできたらと思っています」

「ランディは、それでいいの?後継になるために養子になったのでしょう?」

「僕は三男なので、継ぐ家もありません。父上の養子になりましたが、父上の子供を支えたいとお伝えしたら、父上はお許し下さいました。しかも子爵位も譲って下さると。僕には領地経営は向いているようで、とても楽しいんです」

 そう・・・
そうなのね。

 ランディ本人とヴィル様が認めているなら、私がどうこう言うことではないわ。

 それに、幼いなりにランディの為人は分かったから、いつか私とヴィル様の子供を支えてくれると言うのなら安心できる。

「ここにいたのか」

「ヴィル様」

「父上」

 低い声がして、ヴィル様が部屋に入って来られた。

「お仕事は終られましたの?」

「ああ。ランディ、頑張って学んでいるそうだな」

「はい、父上。毎日が楽しいです」

 ニコニコと答えるランディに、ヴィル様も僅かに笑みを浮かべられている。

 経営の勉強が楽しいと思えるのなら、本当に向いてるのね。

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