96 / 96
番外編
描く幸せな日々
しおりを挟む
「おかーしゃま」
駆けてくる可愛い愛娘を抱きとめました。
銀色の髪に銀の瞳をした、アルバム皇国の第1王女アリティアです。
3歳になったばかりのアリティアは甘えん坊で困ります。きっとお父様とお母様が甘やかすからですわ。
「アリティア。走ったら危ないわ」
「にーしゃまもはしってるもん」
「セレシスはもう7歳だもの。それに、アリティアは女の子でしょう?女の子は走ったりしないものよ」
アリティアは兄で第1王子のセレシスと同じようにしたがるのです。
まだ3歳ですから、淑女教育はしませんけど、怪我でもしたら大変ですわ。
アリティアに付いている侍女のフレイが、大変そうですもの。
「じぃじもばぁばもげんきいっぱい、いいってゆった」
「もう!お父様たちはすぐアリティアを甘やかすんだから。アリティア、元気なのはいいことだけど、アリティアが転んだりしたらお父様もお母様も悲しいわ。それに、フレイも悲しむわよ」
「ふれい、かなしい?」
「はい。アリティア姫さまがお怪我をされたら、フレイはもう姫さまのお側にいられません」
いえ。怪我をしたからといって解雇したり、部署移動したりしませんわよ?
アリティアはフレイに懐いていますもの。
「ふれい、いなくなる?いやぁ・・・」
あらあら。アリティアが泣き出してしまいましたわ。
そんなアリティアを、やって来た旦那様が抱き上げます。
「可愛いアリティア。何を泣いているの?」
「ひぃっく・・・おとうしゃまぁ~」
「アリティアが駆け回るものですから、怪我をしたらフレイが悲しむと伝えましたの。そうしたら・・・」
「私がお怪我をしたら側にいれませんと申し上げたせいです。申し訳ありません」
「ああ、なるほど。アリティア、お母様やフレイを困らせてはいけないよ。元気なのはいいけれど、怪我をしたらじいじもばあばも泣いてしまうよ?」
お父様とお母様は・・・ええ、泣きますわね。本当に可愛がってくださるのはいいのですけど、あまり甘やかされると我儘になりそうで困りますわ。
私は17歳の時に第1王子のセレシスを、21歳の時に第1王女のアリティアを出産しました。
セレシスはアル兄様に似て利発な男の子なのですが、アリティアがお転婆で困ります。
それでも2人とも優しくて、とても良い子たちです。
「あ。にいしゃまだぁ~」
旦那様な抱かれたアリティアが、歩いてくるセレシスに気付いて、旦那様の腕から飛び降ります。
もう。言ったそばからお転婆な子ですわ。
「アリティア、危ないよ。ほら、おいで。パールが美味しいお菓子をくれたよ。一緒に食べよう」
「ぱーりゅ、きてゆの?おかしたべゆ」
「お父様お母様、アリティア連れて行きますね」
セレシスがアリティアの手を引いて、庭園から離れていきます。
セレシスの護衛兼侍従と、フレイがその後をついて行くのを眺めながら、旦那様は私の隣へと座られました。
「セレシスはパール嬢と仲良くやっているようだね」
「ええ」
パール・ローゼンタール公爵令嬢様。
カイト様とメリッサ様のお子様で、セレシスが6歳、パール様が5歳の年に婚約いたしました。
アリティアもお姉様が出来たと、とても懐いております。
「セレスティーナは体調は大丈夫かい?体が冷えるといけないから、中に入った方がいいんじゃないか?」
「大丈夫ですわ。もう3人目ですのよ?アル兄様は過保護ですわね。それに私、もう24歳ですのよ?」
「懐かしいな、セレにアル兄様と呼ばれるのは。最近は旦那様だったから。ねぇ、僕の可愛いセレスティーナ。君はいくつになっても僕の大切な宝物だよ」
アル兄様の唇が私に優しく重なります。
ええ。私、本当に大切にされていますわ。
私、本当に幸せです。愛するお父様やお母様。愛しいセレシスとアリティア、半年後に新たに家族になるこの子と、そして誰よりも誰よりも私を愛してくれるアレクシスお兄様と、この先の未来を描いていけるのですから。
駆けてくる可愛い愛娘を抱きとめました。
銀色の髪に銀の瞳をした、アルバム皇国の第1王女アリティアです。
3歳になったばかりのアリティアは甘えん坊で困ります。きっとお父様とお母様が甘やかすからですわ。
「アリティア。走ったら危ないわ」
「にーしゃまもはしってるもん」
「セレシスはもう7歳だもの。それに、アリティアは女の子でしょう?女の子は走ったりしないものよ」
アリティアは兄で第1王子のセレシスと同じようにしたがるのです。
まだ3歳ですから、淑女教育はしませんけど、怪我でもしたら大変ですわ。
アリティアに付いている侍女のフレイが、大変そうですもの。
「じぃじもばぁばもげんきいっぱい、いいってゆった」
「もう!お父様たちはすぐアリティアを甘やかすんだから。アリティア、元気なのはいいことだけど、アリティアが転んだりしたらお父様もお母様も悲しいわ。それに、フレイも悲しむわよ」
「ふれい、かなしい?」
「はい。アリティア姫さまがお怪我をされたら、フレイはもう姫さまのお側にいられません」
いえ。怪我をしたからといって解雇したり、部署移動したりしませんわよ?
アリティアはフレイに懐いていますもの。
「ふれい、いなくなる?いやぁ・・・」
あらあら。アリティアが泣き出してしまいましたわ。
そんなアリティアを、やって来た旦那様が抱き上げます。
「可愛いアリティア。何を泣いているの?」
「ひぃっく・・・おとうしゃまぁ~」
「アリティアが駆け回るものですから、怪我をしたらフレイが悲しむと伝えましたの。そうしたら・・・」
「私がお怪我をしたら側にいれませんと申し上げたせいです。申し訳ありません」
「ああ、なるほど。アリティア、お母様やフレイを困らせてはいけないよ。元気なのはいいけれど、怪我をしたらじいじもばあばも泣いてしまうよ?」
お父様とお母様は・・・ええ、泣きますわね。本当に可愛がってくださるのはいいのですけど、あまり甘やかされると我儘になりそうで困りますわ。
私は17歳の時に第1王子のセレシスを、21歳の時に第1王女のアリティアを出産しました。
セレシスはアル兄様に似て利発な男の子なのですが、アリティアがお転婆で困ります。
それでも2人とも優しくて、とても良い子たちです。
「あ。にいしゃまだぁ~」
旦那様な抱かれたアリティアが、歩いてくるセレシスに気付いて、旦那様の腕から飛び降ります。
もう。言ったそばからお転婆な子ですわ。
「アリティア、危ないよ。ほら、おいで。パールが美味しいお菓子をくれたよ。一緒に食べよう」
「ぱーりゅ、きてゆの?おかしたべゆ」
「お父様お母様、アリティア連れて行きますね」
セレシスがアリティアの手を引いて、庭園から離れていきます。
セレシスの護衛兼侍従と、フレイがその後をついて行くのを眺めながら、旦那様は私の隣へと座られました。
「セレシスはパール嬢と仲良くやっているようだね」
「ええ」
パール・ローゼンタール公爵令嬢様。
カイト様とメリッサ様のお子様で、セレシスが6歳、パール様が5歳の年に婚約いたしました。
アリティアもお姉様が出来たと、とても懐いております。
「セレスティーナは体調は大丈夫かい?体が冷えるといけないから、中に入った方がいいんじゃないか?」
「大丈夫ですわ。もう3人目ですのよ?アル兄様は過保護ですわね。それに私、もう24歳ですのよ?」
「懐かしいな、セレにアル兄様と呼ばれるのは。最近は旦那様だったから。ねぇ、僕の可愛いセレスティーナ。君はいくつになっても僕の大切な宝物だよ」
アル兄様の唇が私に優しく重なります。
ええ。私、本当に大切にされていますわ。
私、本当に幸せです。愛するお父様やお母様。愛しいセレシスとアリティア、半年後に新たに家族になるこの子と、そして誰よりも誰よりも私を愛してくれるアレクシスお兄様と、この先の未来を描いていけるのですから。
278
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(25件)
あなたにおすすめの小説
悪女と呼ばれた死に戻り令嬢、二度目の人生は婚約破棄から始まる
冬野月子
恋愛
「私は確かに19歳で死んだの」
謎の声に導かれ馬車の事故から兄弟を守った10歳のヴェロニカは、その時に負った傷痕を理由に王太子から婚約破棄される。
けれど彼女には嫉妬から破滅し短い生涯を終えた前世の記憶があった。
なぜか死に戻ったヴェロニカは前世での過ちを繰り返さないことを望むが、婚約破棄したはずの王太子が積極的に親しくなろうとしてくる。
そして学校で再会した、馬車の事故で助けた少年は、前世で不幸な死に方をした青年だった。
恋や友情すら知らなかったヴェロニカが、前世では関わることのなかった人々との出会いや関わりの中で新たな道を進んでいく中、前世に嫉妬で殺そうとまでしたアリサが入学してきた。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
追放聖女の再就職 〜長年仕えた王家からニセモノと追い出されたわたしですが頑張りますね、魔王さま!〜
三崎ちさ
恋愛
メリアは王宮に勤める聖女、だった。
「真なる聖女はこの世に一人、エミリーのみ! お前はニセモノだ!」
ある日突然いきりたった王子から国外追放、そして婚約破棄もオマケのように言い渡される。
「困ったわ、追放されても生きてはいけるけど、どうやってお金を稼ごうかしら」
メリアには病気の両親がいる。王宮で聖女として働いていたのも両親の治療費のためだった。国の外には魔物がウロウロ、しかし聖女として活躍してきたメリアには魔物は大した脅威ではない。ただ心配なことは『お金の稼ぎ方』だけである。
そんな中、メリアはひょんなことから封印されていたはずの魔族と出会い、魔王のもとで働くことになる。
「頑張りますね、魔王さま!」
「……」(かわいい……)
一方、メリアを独断で追放した王子は父の激昂を招いていた。
「メリアを魔族と引き合わせるわけにはいかん!」
国王はメリアと魔族について、何か秘密があるようで……?
即オチ真面目魔王さまと両親のためにお金を稼ぎたい!ニセモノ疑惑聖女のラブコメです。
※小説家になろうさんにも掲載
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ハピエン、完結、後日談…最っ高です。
大好きなものが全部入っていて幸せな気分になれました(*´ー`*)
サブタイトルで誰目線かが分かりやすくて読みやすかったです。
最初の方だけ『王』と『皇』が混ざっているような気がします。読み間違いだったらすみません(>_<)
楽しかったです。ありがとうございました。
読んでくださりありがとうございました。
楽しく読んでいただけたようで、良かったです😊
また他作品も気が向いたら読んで下さいね。
ありがとうございました。
あっ…途中で送信しちゃったΣ(゚д゚lll)
以下続き
浄化されてお祓いされて、転生出来なくなってるといいなぁ〜。
理由➡︎こいつは生まれ変わっても同じ様な事やらかしそうだから‼︎
というのは建前で、個人的に純粋にムカつくから(本音)
浄化されたみたいですから、輪廻の輪には戻れないでしょう。
ある意味自業自得ですね。
㊗️完結、お疲れ様でした〜♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪
セレちゃん(グレイス)が幸せになれて何よりです。
日々の更新を楽しみにしていただけに、終わってしまうのがちょっぴり寂しい。・゜・(ノД`)・゜・。ですが、素敵なお話だったと思います💝
ありがとうございました😭
ps.逆怨みで悪霊化してた某バカ王太子は、その性根が死んでも治らなかったんだから聖女の力で浄化されて
感想ありがとうございます😊
楽しみにしてくれてて嬉しいです。
また別のお話でお会いできることを楽しみにしています。
ありがとうございました。