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番外編
内緒話《カイト視点》
「それで明後日が自分の結婚式だというのに、お前がここにいるのか」
アルバム皇国、皇太子の執務室で、頬杖をついたままニヤニヤと僕を眺める友人を睨みつけた。
「で?フルーニー嬢の話の内容くらい想像ついてるんだろう?お前が話してやればいいのに」
「不安になっても当たり前だろう。まだメリッサ嬢は15歳なんだぞ」
アレクシスの言う通り、メリッサ嬢が皇太子妃殿下の元に訪れた理由は想像できる。
だが、まだ15歳の彼女を娶ろうというのだ。別に、友人に相談しているのを止めるつもりはない。
妹のケイトにも、メリッサ嬢を泣かせたら絶対に許さないと釘をさされているのだ。
僕が我慢出来なくて、婚姻をこんなに早めたのだから、それ以外のことは我慢しなくては。
大体、目の前のコイツだって10歳も年下の従妹を娶ったんだ。
「お前だって、妃殿下の気持ちを考えただろう?」
「ん?ああ。僕の可愛いセレスティーナは、本当に可愛くて仕方ない。まさか自分があんなに余裕がなくなるとは思わなかったよ」
何をニヤけながら言ってるんだ?
本当にコイツは、昔からセレスティーナ様のことが好きで好きで仕方ないヤツだ。
というか、余裕がなくなるほどしてしまったのか?相手は15歳だぞ?
「お前、妃殿下は15歳だぞ?」
「ふっ・・・お前だって自分の下で愛らしく啼く妻を見たら、抑えなんか効くものか」
「・・・」
メリッサ嬢の笑顔、声、涙・・・駄目だ。考えては。
ずっとずっと見守ってたんだ。好きだと気付いた時には婚約者がいたんだ。
10歳も年下で、妹の友人。
だから、彼女が幸せならと見守ることを選んだんだ。
だけど、歳を重ねるごとに美しく成長していくメリッサ嬢のことがどうしても諦められなくて、父上には申し訳なかったが婚約者を作ることが出来なかった。
そして、あのルシアンのおかげで、メリッサ嬢と婚約することが出来た。
彼女が元婚約者のことを好きだったのは知っている。
それでも、相手の有責にせずに浮気相手との婚約を認めるような、優しい女性だ。
やっと手に入れたんだ。泣かせたくなどない。大切に、大切にして、いつも笑顔でいて欲しいんだ。
「まぁ、明後日の夜には、お前にも分かるさ」
友人が我知り顔で話しているが、聞こえないフリをする。
「そんなことより、お前の即位はいつになるんだ?」
結婚式を終えたら、即位するものだと思っていたが。
「ああ。ちょっとセントフォース王国の件での対応でお叱りを受けた。僕も、セレスティーナも、国王や皇妃としての教育のやり直しだ」
「やり直し?」
「ああ。国を担う者としての対応じゃなかった。わかってはいたんだ。甘すぎるということは。だが、グレイスが手に入ったことで浮かれすぎていた」
妃殿下がセントフォース王国の公爵子息に危害を加えられそうになったことは、アレクシスから聞いていた。
そして、妃殿下の希望で、セントフォース王国と相手の公爵家を罪に問わなかったと。
確かに、国を担う者の判断ではない。そんなことをすれば、相手から格下に見られても仕方ないのだから。
アレクシスも妃殿下との結婚を目前にして、浮かれていたということか。
まぁ、陛下もまだまだお若い。しばらくは皇太子のまま、新婚生活を楽しむのもいいだろう。
アルバム皇国、皇太子の執務室で、頬杖をついたままニヤニヤと僕を眺める友人を睨みつけた。
「で?フルーニー嬢の話の内容くらい想像ついてるんだろう?お前が話してやればいいのに」
「不安になっても当たり前だろう。まだメリッサ嬢は15歳なんだぞ」
アレクシスの言う通り、メリッサ嬢が皇太子妃殿下の元に訪れた理由は想像できる。
だが、まだ15歳の彼女を娶ろうというのだ。別に、友人に相談しているのを止めるつもりはない。
妹のケイトにも、メリッサ嬢を泣かせたら絶対に許さないと釘をさされているのだ。
僕が我慢出来なくて、婚姻をこんなに早めたのだから、それ以外のことは我慢しなくては。
大体、目の前のコイツだって10歳も年下の従妹を娶ったんだ。
「お前だって、妃殿下の気持ちを考えただろう?」
「ん?ああ。僕の可愛いセレスティーナは、本当に可愛くて仕方ない。まさか自分があんなに余裕がなくなるとは思わなかったよ」
何をニヤけながら言ってるんだ?
本当にコイツは、昔からセレスティーナ様のことが好きで好きで仕方ないヤツだ。
というか、余裕がなくなるほどしてしまったのか?相手は15歳だぞ?
「お前、妃殿下は15歳だぞ?」
「ふっ・・・お前だって自分の下で愛らしく啼く妻を見たら、抑えなんか効くものか」
「・・・」
メリッサ嬢の笑顔、声、涙・・・駄目だ。考えては。
ずっとずっと見守ってたんだ。好きだと気付いた時には婚約者がいたんだ。
10歳も年下で、妹の友人。
だから、彼女が幸せならと見守ることを選んだんだ。
だけど、歳を重ねるごとに美しく成長していくメリッサ嬢のことがどうしても諦められなくて、父上には申し訳なかったが婚約者を作ることが出来なかった。
そして、あのルシアンのおかげで、メリッサ嬢と婚約することが出来た。
彼女が元婚約者のことを好きだったのは知っている。
それでも、相手の有責にせずに浮気相手との婚約を認めるような、優しい女性だ。
やっと手に入れたんだ。泣かせたくなどない。大切に、大切にして、いつも笑顔でいて欲しいんだ。
「まぁ、明後日の夜には、お前にも分かるさ」
友人が我知り顔で話しているが、聞こえないフリをする。
「そんなことより、お前の即位はいつになるんだ?」
結婚式を終えたら、即位するものだと思っていたが。
「ああ。ちょっとセントフォース王国の件での対応でお叱りを受けた。僕も、セレスティーナも、国王や皇妃としての教育のやり直しだ」
「やり直し?」
「ああ。国を担う者としての対応じゃなかった。わかってはいたんだ。甘すぎるということは。だが、グレイスが手に入ったことで浮かれすぎていた」
妃殿下がセントフォース王国の公爵子息に危害を加えられそうになったことは、アレクシスから聞いていた。
そして、妃殿下の希望で、セントフォース王国と相手の公爵家を罪に問わなかったと。
確かに、国を担う者の判断ではない。そんなことをすれば、相手から格下に見られても仕方ないのだから。
アレクシスも妃殿下との結婚を目前にして、浮かれていたということか。
まぁ、陛下もまだまだお若い。しばらくは皇太子のまま、新婚生活を楽しむのもいいだろう。
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