悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな

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到着発街へお出かけ行き

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「お兄様。この国では、真珠という宝石が獲れるのだそうです。珍しいものですし、それを贈りたいと考えているのですが」

 モンクスフード王国では、結婚式に花嫁が付けると幸せになれると言われていました。

 鉱石の宝石に比べると安価なものもあり、平民の結婚式でも花嫁は身に付けていました。

 私も・・・
憧れていました。

 ウッド様との結婚式で真珠を見に纏い、誰よりも幸せな花嫁になることを。

「そうか。なら、それを見に行こう」

「はい!」

 お兄様に抱き上げてもらい、街の宝飾店に向かいます。

 ヴァイオレットだった頃、こんなふうに街に出かけたことなどありませんでした。

 公爵家の令嬢だった私は、必要なものは公爵邸で購入していましたし、共に街へ出かける親しい友人もいませんでした。

 ウッド様は・・・
フローラ様と出かけられたことがあるようでした。

 学園で、フローラ様が楽しそうにご友人に話しているのを聞いたことがあります。

 フローラ様はヘザー男爵家のご令嬢ですから、街には詳しかったのかもしれません。

「どうした?」

「い、いえ、何でもないです。あ。あそこが宝飾店みたいです」

 いけません。
モンクスフード王国に来てから、ヴァイオレットの気持ちに引っ張られている気がします。

 お兄様は、私の気持ちの変化などに敏感ですから、気をつけなくては。

 モンクスフード王国王都の王城近くにある宝飾店は、ヴァイオレットの記憶では最高級店で、下位の貴族などは足を踏み入れることも許されないお店でした。

 お得意様の紹介がなければ、高位貴族ですら入店お断りのお店。

「お客様、紹介状はお持ちでしょうか?」

 入口に立つ警備員らしき男性がお兄様に声をかけます。

 やっぱり、紹介状がないと入れなさそうですね。

 このお店なら、間違いなく高品質の真珠が手に入ると思ったのですが。

「紹介状がいるのか?」

「はい。申し訳ありませんが、紹介状をお持ちでない方のご入店はお断りしております」

「ふむ。王族なら紹介状を出せるか?」

「はい?お、王族ですか?も、もちろん出せるでしょうが・・・あの、どちらのお国の方でしょうか?」

 さすがに、平然と王族から紹介状をもらってこようとするお兄様が、只者ではないと気付いたようです。

 というか、お兄様ってばこの国の王族から紹介状をもらうつもりなんですか?

 いえ。確かにこの国の貴族のことは知らないでしょうから、王族に頼むのが一番早いでしょうけど。

「サフィラス魔国魔王ジルベール陛下ですわ」

 普段ならロインやリカルドたちが名乗りをするのだけど・・・

 三人ともいないし、やっぱり私が言うべきよね!


 

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