気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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やって来たのは息子と父親!

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「ぐぅ!ぐぐゔゔ!」

 うん。何言ってるかは分からないけど、分かるわ。

 え?矛盾してる?
いや。想像つくじゃない?

 小娘が何言ってるんだとか言ってるんだと思うよ。

 ランディは、自分たちの息子は優秀なんだと。

 お前などが婚約者に望まれて、それを拒むなど身の程知らずだと。

 多分、その辺りのことを言いたいんだと思う。

 めっちゃ、目が物言ってるし。

「旦那様。サンセット公爵令息様と前サンセット公爵様がお見えになっております」

 部屋に侍女が入って来て、お父様にそう伝える。

 サンセット公爵令息・・・ランディが?前サンセット公爵って、いわゆるこの人たちの父親ってことだよね?

「ふむ。どうする?アイリーン」

 どうするって、私が決めていいの?

「私が決めていいのですか?」

「アイリーンのことだからな。アイリーンの考えを尊重するよ」

「なら、お通ししてください」

 ランディがどういうつもりでやって来たのかは分からないし、前公爵様がどんな人なのか知らないけど、問題を起こせば公爵夫妻と一緒に、処罰すればいいしね。

 少しすると、侍女の先導でランディとイケオジが入って来た。

「父上!母上!」

「こん、の、ど阿呆が!」

 前公爵、つまり父親の顔を見たサンセット公爵の顔は青くなって冷や汗がダラダラと流れている。

 ランディも、両親を睨みつけているし。

 ランディの反応は意外だけど、サンセット前公爵ってちゃんとした人なんだね。

「お前たちは・・・ん?陛下?お、王妃殿下?王太子殿下?何故そんな場所に・・・」

 さらに公爵を叱りつけようとした前公爵が床に座っている国王陛下たちに気付いた。

 うん。びっくりするよね。
そろそろ、ソファーに座ってもらって方がいいんじゃないかな?

「国王陛下、王妃様、王太子殿下、どうぞソファーに戻られて下さい」

「し、しかし・・・」

「あら?お兄様はわたくしのアイリーンの温情を無視するおつもり?」

 陛下は私の言葉にチラッとお母様を見、王太子殿下はエリーゼを見たけど、お母様の冷たい返しにビクリと体を震わせた。

「お母様、それからお姉様。私は怒っていませんから、もうそのへんにしてあげてください。ね?」

「はぁ。仕方ないわ。可愛いアイリーンのお願いだもの。国王陛下、王妃殿下、ソファーにお座りください。二度目は謝罪などで許しはしませんわよ」

「「はいぃ!申し訳ありませんでしたっ!」」

 再び、土下座して謝る陛下たち。
どれだけ妹が怖いのよ。

 エリーゼに視線を向ける。
エリーゼは、キツい視線で王太子殿下を見つめていた。

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