気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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ここが汚名返上のチャンスです!

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 国王陛下と王妃様、王太子殿下の姿を認めたサンセット公爵夫妻が、顔を青くしている。

 うん?
 あれは陛下たちがいることに青くしてるんじゃなくて、口内の氷と吐き気を誘発する花のせいか?

 あー。
 ああも大口をずっと開けてるのって唾液も出るし、しんどいんだよね。

 さぁ!ここは汚名返上のチャンスだよ。

 国王陛下に王妃様、王太子殿下!
 がっつりと、サンセット公爵夫妻に罰を与えちゃえ!

 だって、この人たちの考え方のせいでランディがああいう行動をしたのだとしたら、まぁ情状酌量の余地はあると思うんだ。

 エリーゼの方は・・・
まぁ、何か私の望みを殿下が叶えたらギリギリどうにかなるとは思うんだけど。

 うちの家族は小説と違って、今のところはアイリーン溺愛だから。

 私が「お願い」をすれば、ある程度はなんとかなると思うんだよね。

「サンセット公爵、サンセット公爵夫人。他家へ先触れも出さずにやって来て、挙句に使用人の制止も聞かずに邸内に乗り込むなど、どれだけ非常識なのだ!」

「・・・ヴグッ、ゔぅ」

 うん。氷と花を出さないと返事はできないと思う。

 でも退けると煩いんだろうなぁ。

「お父様。私がお話してもいいですか?」

「うん?アイリーン。何か言ってやりたいことがあるのかい?いいよ、いいよ。拘束してあるから何もできないだろうし、もし何かしたら、父様がバラバラにしてあげるから」

「・・・いや、惨殺死体を作らないでください」

 娘がトラウマになるような発言するんじゃない。

 溺愛してるんだよね?だよね?

「お父様!可愛いアイリーンにそんな汚らしいものを見せたら許さないから!ね?お母様」

「ええ。わたくしの可愛い天使に嫌な気持ちを抱かせたら・・・分かっておりますわね?旦那様」

「わ、わ、分かっているとも」

 エリーゼは優しいなぁ。
そしてお母様の圧が強い。

 とりあえず許可は出たから、私はサンセット公爵夫妻の前に進み出た。

「私とサンセット公爵ご子息との婚約。私よりお姉様が相応しいというのは私も思いますけど、サンセット公爵ご子息と王太子殿下、どちらがお姉様に相応しいと思います?それから、私ご子息のことを好きだと言ったことがありますか?ご子息に、ご自身の価値をどれだけ高く吹き込んだんですか?」

 小説の中でランディが、アイリーンのことを処刑する権利があると思っていたのは、両親からそう言われ続けて育ったからかもしれない。

 王太子よりも優秀だと、聖女にも相応しいと、ランディの鼻をピノキオ並みに高くし続けたのはこの二人かもしれない。
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