はっきり言ってカケラも興味はございません

第二十八話

　ブレンディ侯爵令息のイーサン様。

　クレメンタイン王国ドロシー王女殿下。

　クレメンタイン王国国王陛下ならびに王妃殿下。

　四名の方々を断罪する準備が整いましたわ。

　私とイーサン様の婚約の解消。

　ドロシー王女殿下とクシュリナ王国王太子殿下の婚約解消。

　そして諸々の責任を取っての、国王陛下と王妃殿下の退位。

　イーサン様とドロシー王女殿下は、相変わらず学園で悲劇の主人公ごっこをしているようです。

　冤罪をかけられないように、ダイアナ様は常に他のご令嬢と行動を共にし、一人にならないようになさっているそうです。

　ああ。でも、お父様のところに国王陛下から「ドロシーを守るのがイーサンの務めだ。未来の妻ならば夫の務めを理解するように」とわけのわからない手紙が来たそうですわ。

　どうやら私がイーサン様に、ドロシー王女殿下と一緒にいることの不満を言ったみたいですわ。

　ふふふっ。
お会いしてもいないのに、いつそんなことをお話する機会があったのかしら。

　私がスキップ制度を取っていることは、学園長である王弟殿下が情報を止めていてくださっていますから、皆様私が学園に通っていると思われているのでしょうね。

　何とおっしゃってくださってもかまいませんけど、国王陛下ならばせめて情報の裏付けくらい取っていただきたいですわ。

　まぁ、そのような浅慮なお考えの方ですから、自国よりも国力のあるクシュリナ王国の後継である王太子殿下を、我が国の婿にしようなどと馬鹿な考えに至るのでしょうけど。

　戦争になりますわよ、普通に考えて。

　前回の婚約時の騙し討ちが成功したから、今回も大丈夫だとでも思われているのでしょうか？

　前回もクシュリナ王国側は、その婚約が事実か確認しようとされていました。

　ですが、国王陛下は偽の婚約証明書をクシュリナ王国側に見せ、強引に婚約を進めたのです。

　ちょうどその時期に、私たちカリスタ伯爵家全員は、国王陛下の命でブレンディ侯爵領に出向いていて、クシュリナ王国の使者の方とお会いできませんでした。

　クシュリナ王国とクレメンタイン王国では、国力はクシュリナ王国の方が上ですが、ちょうどその時期クシュリナ王国の南部が旱魃で、国王陛下は寄付をチラつかせて婚約を進めたようです。

　別にクシュリナ王国も、その時は寄付を貰ったことで助かったみたいですからいいですけど・・・

　本当に良くない手段を取る方ですわね。

　ですが、今回はクシュリナ王国も頷いてはくれませんわよ。