はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第二十九話

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 国王陛下からのお手紙は、お母様の手でビリビリの細切れにされる直前、お父様の手で救い出されました。

「証拠になるから」と。

 救い出されたのとは、ちょっと違うかしら。

 学園に月に一度しか通っていない上に、クラスも違うのに、私に文句を言われたとおっしゃる王女殿下。

 そして、その発言が正しいことなのか確認もせずに、カリスタ伯爵家に苦情を述べた国王陛下。

 我がカリスタ伯爵家は、現在クレメンタイン王国の財源になる税金を八割近く納めているらしいです。

 うちの系列の商会が全て手を引けば、クレメンタイン王国の経済は回らなくなるでしょう。

 別に、だから忖度しろというわけではありません。

 実際に私がそのような発言をしたのなら、両親も私に注意したでしょう。

 まぁ婚約者を蔑ろにして、王女殿下に侍っているのならば、文句のひとつも言いたいものですが。

 真に職務としてであれば、私も陛下のおっしゃることは正しいと認めますわ。

 ですが、いくら娘である王女殿下が可愛いとはいえ、王族なのです。陛下は国の頂点に立たれる方なのです。

 私が実際にそのような発言をしたのか、どういう状況だったのか、またその時のイーサン様の対応や周囲の様子は。

 諸々のことを調べてから、お手紙を出されるべきだったと思います。

 王として無能と、ご自身で示したようなものですわ。

 まぁ、ご自身もご自身に都合のいい嘘で相手を騙してきたような方ですから、愛娘も似て当然かもしれませんね。

「・・・す、すまない」

 目の前の第二王子殿下が、しゅんとされています。

 隣ではダイアナ様が、何とも言い難い表情をされています。

「殿下が謝られることではありませんわ」

「いや、しかし・・・兄上にも報告しておく。もちろん、断罪の邪魔になってはいけないから、父上に進言するわけにはいかないが」

 ええ。
そんなことをして警戒されても困ります。

 もう計画は大詰めなのですから。

まであとどれくらいなのだ?」

「私とイーサン様の婚約解消は、難なく成せそうなのですが、王女殿下とクシュリナ王国王太子殿下との婚約解消があと一歩というところなのです。ですから、もう少し様子見ですわ。急いては事を仕損じると申しますし」

 私とイーサン様の場合は、イーサン様が婚約してから婚約者としての交流をしていませんから、それを理由に解消が出来ます。

 ただドロシー王女殿下の方は、常にイーサン様を側に置いているとはいえ、不適切な関係ではないので、解消が少し難しいのです。

 国王陛下が王太子殿下を婿入りさせようとしていることも「それならば嫁にやる」と言われると、陛下の罪云々はともかく婚約解消には難しいのですわ。
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