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第六十二話
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クシュリナ王国の学園で、王太子妃に相応しくない者がアルバート殿下の婚約者になったと、本当にアルバート殿下が好きなのは私で交際もしている、と噂が広がっているとお聞きしました。
そしてアウラ様のお孫様である侯爵令嬢様が、その噂を耳にしてアルバート様にご報告されていると。
確かに、私は他国の・・・しかも前婚約者であったクレメンタイン王国王女殿下の国の伯爵家の令嬢です。
ですが、我が家が陞爵されなかったのは、お父様が動きやすくあるため受けなかったのと、我が家に力が偏ることを警戒した貴族家がいくらかあったからです。
お父様は、クレメンタイン王国の税収の八割を納めていらっしゃいますけど、それはあまりにも王家が・・・無能過ぎたからですわ。
本来なら、一家にそこまで負担を強いないものです。
納められるだけのお金がカリスタ商会にありましたけど、カリスタ商会が国から去れば国の運営が立ち行かなくなるのです。
ですから、もしもの時を想定するものなのですが、クレメンタイン王国の国王陛下はそんなお考えにすら及ばなかったようです。
我が家を疎かにしなければ大丈夫と、お考えだったみたいですわね。
元婚約者様との婚約も、その意向があったのでしょう。
カリスタ伯爵家を下に見ていたのか、それともそんなことに考えが及ばないほど、平和なお考えだったのか。
まぁ、どちらでもかまいませんけど。
王弟殿下・・・新たな国王陛下と次期国王陛下には、ちゃんと良識ある言動をお願いしたいですわね。
カリスタ商会の本店はクシュリナ王国に移しましたし、いくらか勢力も削って、税収の半分ほどにまで落としました。
これ以上増えないように、調整していくとお父様はおっしゃっていましたわ。
ジェレミーがおりますから、カリスタ伯爵家はこのままクレメンタイン王国に残ります。
ダイアナ様や友人たちの暮らすクレメンタイン王国を、衰退させたくないという私の願いを叶えて下さった形ですわね。
ああ。話が逸れました。
ですから私が伯爵令嬢であることは事実ですけど、爵位だけで全てを計れると思うのは如何なものかと思いますわ。
まぁ相応しいかどうかは、私のこれからにかかっていますから、相応しかったと言われるように頑張りますけど。
それよりも。
アルバート様と想い合っているとはどういうことでしょうか?
私は、アルバート様のお気持ちを疑ったことはありません。
ですが、アルバート様の全てを知っているわけでもありません。
そんな噂に、ほんの少し心が震えた気がしました。
そしてアウラ様のお孫様である侯爵令嬢様が、その噂を耳にしてアルバート様にご報告されていると。
確かに、私は他国の・・・しかも前婚約者であったクレメンタイン王国王女殿下の国の伯爵家の令嬢です。
ですが、我が家が陞爵されなかったのは、お父様が動きやすくあるため受けなかったのと、我が家に力が偏ることを警戒した貴族家がいくらかあったからです。
お父様は、クレメンタイン王国の税収の八割を納めていらっしゃいますけど、それはあまりにも王家が・・・無能過ぎたからですわ。
本来なら、一家にそこまで負担を強いないものです。
納められるだけのお金がカリスタ商会にありましたけど、カリスタ商会が国から去れば国の運営が立ち行かなくなるのです。
ですから、もしもの時を想定するものなのですが、クレメンタイン王国の国王陛下はそんなお考えにすら及ばなかったようです。
我が家を疎かにしなければ大丈夫と、お考えだったみたいですわね。
元婚約者様との婚約も、その意向があったのでしょう。
カリスタ伯爵家を下に見ていたのか、それともそんなことに考えが及ばないほど、平和なお考えだったのか。
まぁ、どちらでもかまいませんけど。
王弟殿下・・・新たな国王陛下と次期国王陛下には、ちゃんと良識ある言動をお願いしたいですわね。
カリスタ商会の本店はクシュリナ王国に移しましたし、いくらか勢力も削って、税収の半分ほどにまで落としました。
これ以上増えないように、調整していくとお父様はおっしゃっていましたわ。
ジェレミーがおりますから、カリスタ伯爵家はこのままクレメンタイン王国に残ります。
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ああ。話が逸れました。
ですから私が伯爵令嬢であることは事実ですけど、爵位だけで全てを計れると思うのは如何なものかと思いますわ。
まぁ相応しいかどうかは、私のこれからにかかっていますから、相応しかったと言われるように頑張りますけど。
それよりも。
アルバート様と想い合っているとはどういうことでしょうか?
私は、アルバート様のお気持ちを疑ったことはありません。
ですが、アルバート様の全てを知っているわけでもありません。
そんな噂に、ほんの少し心が震えた気がしました。
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