はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第84.5話〜カリスタ伯爵令息ジェレミー視点〜

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 お姉様が双子を出産された。

 カリスタ伯爵家に知らせはすぐに届いたけど、誕生の発表は赤子の体調が落ち着く一月後になるらしい。

「早く会いたいです」

 僕がそう言うと、お母様が優しく頭を撫でてくれた。

「そうね。思ったより早く産まれたけど、安産だったみたいで安心したわ。せっかくだから、お祝いの品をたくさん集めてから行きましょうね」

「はいっ!」

 僕を救ってくれた、お父様お母様お姉様。

 あのままブレンディ侯爵家にいたなら、僕に明るい未来はなかった。

 兄の愚行だけでなく、父や母も世の中を甘く見過ぎでいた。

 カリスタ伯爵家の一員になって・・・

 僕は、家族ってこんなに温かいものなのだと知った。

 ジェレミー・ブレンディだった頃、両親に頭を撫でてもらったことなどなかった。

 大切なのは、兄。

 いや違う。父や母、兄もみんな、大切なのは自分自身だけだった。

 だから、時に叱責しながらも僕を愛しんでくれるカリスタの両親の存在は、僕をとても幸せな子供にしてくれた。

 兄の、カリスタ伯爵家との婚約が成ったことで、僕はブレンディ侯爵家を継ぐための勉強を始めてはいたけれど、こうしてカリスタ伯爵家を継ぐための勉強を始めると今までの勉強が初歩の初歩だったと理解る。

 お父様たちは、僕に最高級の教師や教材、場所を与えてくれた。

 決して、兄イーサンに対したブレンディの両親のように甘やかすのではなく、優しいながらも厳しかった。

 甘い考えや、人のことを考えない行動は咎められたし、間違いは間違いと指摘された。

 それでも僕がちゃんと直したら、こんなふうに頭を撫でて褒めてくれる。

 頭を撫でて貰ったのなんて、ほとんど記憶にない。

 だから初めて撫でてもらえた時は、嬉しくて泣いてしまったんだ。

 そうしたら、お母様は僕を優しく抱きしめてくれた。

 僕を家族にしてくれたお父様お母様お姉様には、本当に感謝している。

 だから、お姉様が心置きなくクシュリナ王国で暮らせるように、僕は立派な伯爵家の後継になるんだ。

 兄と結婚していたら、義姉になる予定だったお姉様。

 養子になったことで、こうして姉弟になれて、しかも素敵な義兄まで出来た。

 お姉様がずっと想われていたクシュリナ王国王太子殿下。

 殿下も僕のことを弟として、とても可愛がってくれる。

 兄弟がいないから、弟が出来て嬉しいとおっしゃってくれた。

 クシュリナ王家の子供は、王家の色つまり銀髪銀目になるそうだ。

 顔はどちらに似ても美形になるだろうな。

 早く会いたいな。

 

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