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第八十九話
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「え?ドロシー王女殿下が?」
アレスとセレネが二歳になった頃届いたのは、ある方の訃報でした。
キラウェイ王国の第二王子殿下の愛妾となられたクレメンタイン王国の元王女殿下、ドロシー様が亡くなったそうです。
キラウェイ王国は一夫多妻制で、国王陛下や王太子殿下にも正妃様の他に多くの側妃様がいらっしゃる国ですが、第二王子殿下だけは正妃様お一人だけでした。
ただし、愛妾の方は過去に二十人ほどいらっしゃったとか。
嗜虐性の強い方のようで、正妃様以外にはその残虐さを如何なく振る舞われる方だとお噂でお聞きしておりました。
嫁がれて四年・・・
本来なら、アルバート様のお隣に立ち、王太子妃として過ごすことができたお方でしたのに。
ご本人の資質もありますが、クレメンタイン王国の元国王陛下たちが甘やかし過ぎた責任は大きいと思います。
「それで、早いけどクレメンタインの元国王と王妃には毒杯を与えることになったそうだ」
元国王陛下と王妃殿下は、幽閉されております。
本来なら外の噂話などはお耳に入ることはないのですが、ドロシー王女殿下はクレメンタイン王国の王女として嫁がれたので、亡くなられた場合鎮魂の鐘が鳴ります。
その鐘は、王族とそれに縁のある者が亡くなった時だけに鳴るものですから、幽閉された場所にも聞こえてしまうのでしょう。
現在、立太子されている第一王子殿下が、王弟殿下から譲位され王位に就くまで幽閉予定でしたが・・・
問題はないでしょう。
王弟殿下も、王太子殿下もそれから第二王子殿下も、とても頑張っていらっしゃるとお聞きしております。
「ドロシー王女殿下はともかく、元国王陛下方の葬儀には参加しなくてはなりませんね」
「一応、国葬になるからな」
国の混乱を防ぐために、あくまでも病気静養として退位していただいたので、仕方ありません。
王弟殿下や王子殿下方が問題のある方々だったなら、罪を明らかにしたのですが。
もちろん、高位貴族の当主の方々はご存じですけど。
「一応、可愛がっていた王女が亡くなったことで、ショックで・・・という筋書きらしい。二ヶ月後を予定しているそうだ」
「理解りましたわ。カリスタの両親も会いたいと思いますから、アレスとセレネも同行させて良いかしら?」
「もちろん。そのつもりでセインとセイラに予定を立てさせてくれるかい?」
「わかりましたわ」
人が亡くなるのに不謹慎かもしれませんが、申し訳ないことですが私、ドロシー王女殿下にもクレメンタインの元陛下方にも全く興味もなにもありませんの。
それでも、人としてお悔やみは申し上げますわ。
アレスとセレネが二歳になった頃届いたのは、ある方の訃報でした。
キラウェイ王国の第二王子殿下の愛妾となられたクレメンタイン王国の元王女殿下、ドロシー様が亡くなったそうです。
キラウェイ王国は一夫多妻制で、国王陛下や王太子殿下にも正妃様の他に多くの側妃様がいらっしゃる国ですが、第二王子殿下だけは正妃様お一人だけでした。
ただし、愛妾の方は過去に二十人ほどいらっしゃったとか。
嗜虐性の強い方のようで、正妃様以外にはその残虐さを如何なく振る舞われる方だとお噂でお聞きしておりました。
嫁がれて四年・・・
本来なら、アルバート様のお隣に立ち、王太子妃として過ごすことができたお方でしたのに。
ご本人の資質もありますが、クレメンタイン王国の元国王陛下たちが甘やかし過ぎた責任は大きいと思います。
「それで、早いけどクレメンタインの元国王と王妃には毒杯を与えることになったそうだ」
元国王陛下と王妃殿下は、幽閉されております。
本来なら外の噂話などはお耳に入ることはないのですが、ドロシー王女殿下はクレメンタイン王国の王女として嫁がれたので、亡くなられた場合鎮魂の鐘が鳴ります。
その鐘は、王族とそれに縁のある者が亡くなった時だけに鳴るものですから、幽閉された場所にも聞こえてしまうのでしょう。
現在、立太子されている第一王子殿下が、王弟殿下から譲位され王位に就くまで幽閉予定でしたが・・・
問題はないでしょう。
王弟殿下も、王太子殿下もそれから第二王子殿下も、とても頑張っていらっしゃるとお聞きしております。
「ドロシー王女殿下はともかく、元国王陛下方の葬儀には参加しなくてはなりませんね」
「一応、国葬になるからな」
国の混乱を防ぐために、あくまでも病気静養として退位していただいたので、仕方ありません。
王弟殿下や王子殿下方が問題のある方々だったなら、罪を明らかにしたのですが。
もちろん、高位貴族の当主の方々はご存じですけど。
「一応、可愛がっていた王女が亡くなったことで、ショックで・・・という筋書きらしい。二ヶ月後を予定しているそうだ」
「理解りましたわ。カリスタの両親も会いたいと思いますから、アレスとセレネも同行させて良いかしら?」
「もちろん。そのつもりでセインとセイラに予定を立てさせてくれるかい?」
「わかりましたわ」
人が亡くなるのに不謹慎かもしれませんが、申し訳ないことですが私、ドロシー王女殿下にもクレメンタインの元陛下方にも全く興味もなにもありませんの。
それでも、人としてお悔やみは申し上げますわ。
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