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第九十九話
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ずっと、警戒し続けていくことは、とても難しいものです。
先が見えない分、どうしても気が緩んでしまいます。
だからといって、アルバート様の提案には驚いてしまいましたが。
「え?でも・・・」
「問題がないわけではないよ。王太子として正しくはないと思う。でも、いつまでもこの緊張状態は続けられない。そして、その気の緩みの瞬間をヤツは待っているのかもしれない。幸いにも、後継であるアレスとセレネがいるし、父上たちも健在だ。もちろん、万全の体制で挑むつもりだが今動くべきだと思う。父上たちや義父上たち、クレメンタイン王国の陛下たちとも相談の上だ」
お義父様たちだけでなくお父様たちとも相談の上だなんて、もう決定事項ではないですか。
でも、おっしゃっていることは理解できます。
人というものは、ずっと緊張状態を継続することは出来ません。
あの方は一応は騎士をしていたのだから、そういう戦略?も学んでいるでしょう。
ですが・・・
「ならば、私だけがクレメンタイン王国に向かいます。アルバート様はどうかアレスとセレネをお守り下さい」
「駄目だよ、リズ。クシュリナ王国王太子であるアルバート・クシュリナは確かにクシュリナ王国の民を守る責任がある。だけど、一人の男の僕はリズを守る権利があるんだ。それに、防御は集中させた方がいい。アレスたちは父上たちに任せることになっている」
「アルバート様・・・」
確かに、国王陛下と王太子殿下はご一緒に執務をなさるわけではありませんから、護衛も別々に必要です。
アレスとセレネを陛下たちが見てくださるなら、安心ですが。
それでも、愛しい方を危険な目にあわせるかもしれないことに、躊躇ってしまいます。
「リズ。これでヤツが動かなければ、またその時に考えよう。僕とリズは、一連托生。そうだろ?」
「・・・はい。はい。アルバート様」
泣き笑いの顔で頷くと、アルバート様は私を抱きしめて下さいました。
「僕のほうこそ、リズを危険な目にあわせてごめん。リズの体だけじゃなく心も守りたいのに。だけど、僕たちは僕たちの守りたいもののために頑張ろう」
「はいっ。はい・・・アルバート様」
王宮に居れば、私もアルバート様も大丈夫でしょう。
でも、ジェレミーやダイアナ様が傷付けられたとしたら、私はきっと動かなかった自分を許せなくなってしまうでしょう。
私は、絶対に自分の愛する人たちを守ってみせます。
そして、もしもあの人が私の大切な人たちを傷つけようとするのなら、絶対に許しません。
先が見えない分、どうしても気が緩んでしまいます。
だからといって、アルバート様の提案には驚いてしまいましたが。
「え?でも・・・」
「問題がないわけではないよ。王太子として正しくはないと思う。でも、いつまでもこの緊張状態は続けられない。そして、その気の緩みの瞬間をヤツは待っているのかもしれない。幸いにも、後継であるアレスとセレネがいるし、父上たちも健在だ。もちろん、万全の体制で挑むつもりだが今動くべきだと思う。父上たちや義父上たち、クレメンタイン王国の陛下たちとも相談の上だ」
お義父様たちだけでなくお父様たちとも相談の上だなんて、もう決定事項ではないですか。
でも、おっしゃっていることは理解できます。
人というものは、ずっと緊張状態を継続することは出来ません。
あの方は一応は騎士をしていたのだから、そういう戦略?も学んでいるでしょう。
ですが・・・
「ならば、私だけがクレメンタイン王国に向かいます。アルバート様はどうかアレスとセレネをお守り下さい」
「駄目だよ、リズ。クシュリナ王国王太子であるアルバート・クシュリナは確かにクシュリナ王国の民を守る責任がある。だけど、一人の男の僕はリズを守る権利があるんだ。それに、防御は集中させた方がいい。アレスたちは父上たちに任せることになっている」
「アルバート様・・・」
確かに、国王陛下と王太子殿下はご一緒に執務をなさるわけではありませんから、護衛も別々に必要です。
アレスとセレネを陛下たちが見てくださるなら、安心ですが。
それでも、愛しい方を危険な目にあわせるかもしれないことに、躊躇ってしまいます。
「リズ。これでヤツが動かなければ、またその時に考えよう。僕とリズは、一連托生。そうだろ?」
「・・・はい。はい。アルバート様」
泣き笑いの顔で頷くと、アルバート様は私を抱きしめて下さいました。
「僕のほうこそ、リズを危険な目にあわせてごめん。リズの体だけじゃなく心も守りたいのに。だけど、僕たちは僕たちの守りたいもののために頑張ろう」
「はいっ。はい・・・アルバート様」
王宮に居れば、私もアルバート様も大丈夫でしょう。
でも、ジェレミーやダイアナ様が傷付けられたとしたら、私はきっと動かなかった自分を許せなくなってしまうでしょう。
私は、絶対に自分の愛する人たちを守ってみせます。
そして、もしもあの人が私の大切な人たちを傷つけようとするのなら、絶対に許しません。
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