冤罪で断罪されたら、魔王の娘に生まれ変わりました〜今度はやりたい放題します

みおな

文字の大きさ
27 / 56

おやつの時間〜魔王視点〜

しおりを挟む
「サウロン、何だ?それは」

 レイに手を引かれて部屋を出て行ったロゼと入れ替わりに、サウロンが入ってくる。

 サウロンは両手に、何やら見たこともないものが入った器を持っていた。

「え?えーとね、プリンとか言うらしいよ。今日のおやつだってさ」

 ああ。先ほどレイが言っていたやつか。

 いや。それはともかく、何故それを執務室ここに持って来た?

「変わった食感で面白いから、王様も食べるかなって。本当、聖女の記憶って面白いなぁ」

「サウロン、食べるなら座って食べろ。ロゼの教育に悪い」

「あー、はいはい。ノインに見つかったらお説教されそ。はい、コレ王様の分」

 机に置かれた器には、プルプルと揺れる黄色い物体。

 なんだ、コレは。スライムか何かか?

 おそるおそるスプーンですくって口に運ぶ。

 ノインがロゼに、妙なものを食べさせるわけがない。
 なら俺も食べて、ロゼと感想を共有するべきだろう。

「・・・甘いな」

 見た目と違い、プリンとやらは口の中であっさりと砕けて消えた。

 サウロンの口には合うのか、ソファに腰掛けて、パクパクと口に運んでいる。

「サウロン。残り、食べるか?」

「え?いいの?やった!」

 空になった器を恨めしそうに見ているサウロンに、一口食べた残りを差し出す。

 嬉しそうに受け取ったサウロンは、思い出したように口を開いた。

「そういや、あの薬を使った人間、どんな感じ?」

「ああ。昨夜ようやく例の薬の方も効果が出始めたようだ。今朝は今にも倒れそうだった」

「あー、例の欲情するやつね。アレ、ノインが遅効性にしてくれって言ってたから。そっか。ようやく効き出したんだ」

「怪我の痛みが強くなることに気付けば、用心するようになるでしょう?ですから油断した頃に効くようにお願いしたんですよ」

 ノインが扉を開けて、入室して来た。

 なるほどな。そういう意図があったのか。

「ロゼは?」

「プリンがたいそうお気に召したようで・・・バケツサイズで作ってくれと言われまして。どうしたものか陛下にお伺いに来たのですよ」

「バケツ・・・」

 あんな甘いものをバケツサイズで食べたら、太ってしまうんじゃないか?
 いや、ロゼはコロコロとしても可愛いと思うが。

「あ。いいね!それ。さすが姫様だな~。僕もそれ食べたい!」

「お子様向きなおやつのようだな。腹を壊さんようなら構わない。ただ、甘さはもう少し控えめにしてやってくれ」

「かしこまりました。ところであの人間がどうかしましたか?」

「ロゼが痛みの発生の理由を知りたがって、な。レイがおやつで誤魔化したのだが。これから毎朝になると、誤魔化すのが難しくなりそうだ」

 ロゼは子供だが、ローズリッテの記憶を持っているせいか、時々気難しい時がある。
 子供扱いをすれば、拗ねかねない。

 どうするべきか。
俺とノインが頭を抱える横で、プリンを食べ終えたサウロンはキョトンとしていた。
しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~

ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。 そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。 自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。 マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――   ※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。    ※第二章まで完結してます。現在、最終章について考え中です(第二章が考えていた話から離れてしまいました(^_^;))  書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m    ※小説家になろう様にも投稿しています。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

真実の愛のおつりたち

毒島醜女
ファンタジー
ある公国。 不幸な身の上の平民女に恋をした公子は彼女を虐げた公爵令嬢を婚約破棄する。 その騒動は大きな波を起こし、大勢の人間を巻き込んでいった。 真実の愛に踊らされるのは当人だけではない。 そんな群像劇。

私ですか?

庭にハニワ
ファンタジー
うわ。 本当にやらかしたよ、あのボンクラ公子。 長年積み上げた婚約者の絆、なんてモノはひとっかけらもなかったようだ。 良く知らんけど。 この婚約、破棄するってコトは……貴族階級は騒ぎになるな。 それによって迷惑被るのは私なんだが。 あ、申し遅れました。 私、今婚約破棄された令嬢の影武者です。

最後に言い残した事は

白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
 どうして、こんな事になったんだろう……  断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。  本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。 「最後に、言い残した事はあるか?」  かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。 ※ファンタジーです。ややグロ表現注意。 ※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載。

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

処理中です...