冤罪で断罪されたら、魔王の娘に生まれ変わりました〜今度はやりたい放題します

みおな

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姫様と聖女〜サウロン視点〜

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「何で誤魔化さなきゃいけないの?」

 僕がそう尋ねると、王様とノインは何を言ってるんだ?という顔で振り返った。

 いや。僕の方が不思議なんだけど。

「姫様ってさ、中身というか前世の記憶があるんだよね?聖女に聞いたんだけど、姫様ってあの人間の婚約者だったんでしょ?」

「ええ、そうですよ。王太子妃になり、王妃になる予定でした」

「聖女が言うには、そういう教育も受けてるって言ってたよ?」

 僕の言っていることに、王様もノインも眉をしかめる。

 えー。そんなおかしいこと言ってないと思うんだけど。

 そりゃ今の姫様の年齢は五歳だけどさ。
 むしろ、そういう教育をしなくていいんだからラッキーだと思うけどなぁ。

 王妃様がいないんだからさ。王様が教えるってわけにもいかないだろうし。

「そんな話をレイとしているのか?」

「ん?ああ、最初にあの人間に子ができないようにしたでしょ?その時、そういう行為ができないようにしようかって言いかけたって聞いたよ?姫様が聖女に、王様たちは誤魔化してたけど理解できるのにって苦笑いしながら話したらしいよ」

 そういう教育受けた記憶があるんなら、下手に隠さない方が良いと思うけど?と続ける。

「しかし・・・」

「姫様はさ~、あの人間の婚約者だったんでしょ?あんなののために努力して頑張って耐えて、そして裏切られたんだって聞いたよ?だったらさ、今の姫様には何も隠し事もなく嘘偽りなく接した方が良いと僕は思うなぁ」

 僕は悪魔族だから、魂を狩るために人間と契約したこともある。

 人間って、幸せなことも幸せでないことも半分ずつくらいあって、その幸せでない時につい悪魔にも縋りたくなる生き物なんだよね。

 でも聖女から聞いた姫様の前世は、ちっとも幸せな時がなかった。

 あの人間も、聖女と出会ってからは姫様に冷たく接してたらしい。

 僕は前世の姫様を知らないけど、聖女は姫様のことをすごく褒めるんだ。

 そしてその姫様を傷つけて殺した、あの人間を絶対に許せないって。

 姫様もさ、あの人間を許せないって言ってたって聞いた。

 なら、どんな罰を与えてるのかをちゃんと教えてあげた方がいいと思うんだ。

 それで姫様が違う罰がいいって言ったら、僕また別の薬作るしさ。

「あの薬、一度発症したら治らなくなるからさ。近いうちに姫様がその場面を見ちゃうかもしれないよ?なら、先に話しておく方が良いと思うなぁ」

「は?夜だけではないのか?」

「当たり前じゃん。もう盛りの動物と変わんないよ。しかも痛みで出来ないから、余計に治らなくなるんだよね。ま、とりあえず、姫様に話すことをおすすめするよ」

 王様達は過保護だけど、僕はあの姫様なら、動じない気がするけどね。

 



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