婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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教育的指導な件

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 王宮で指導に使われる鞭は、音は大きいけど傷が残るようなことはない、らしい。

 元々は、侍女の指導に使われていたそうだけど、現在は王族のマナーの指導や、王太子妃教育などにも使われている。

「許可を得るまで勝手に話しかけない。話す時は目上や高位の人には敬語を使う。分かった?」

「痛いぃ~!酷ぉい!ランスロット様に言いつけるんだからぁ!」

「はぁ。王太子殿下が許可したとしても、他人のいるところでは王太子殿下とお呼びしなさい」

 ピシッ!

「痛ぁぁ!」

「出来なければ何度でも打つわよ。王妃殿下の許可は出てるの。というか最初は王妃殿下が貴女の教育をする予定だったのだけど、お忙しい方だし息子の教育もしなきゃだから、わたくしが代理になったのよ」

 あら、そうだったのね。
というか、王太子殿下ってば王妃様に再教育されるということ?

 まぁ、あの状態じゃ王太子としては駄目ダメだから仕方ないわよね。

 私と婚約した頃は、もっとマトモだったと思うのだけど。

「わたくしのことはクォーツ公爵夫人、ルチルのことはクォーツ公爵令嬢と呼びなさい。いいわね?」

「酷い、酷い、酷い、酷い!何でこんなことするのっ!私はぁ、未来の王妃なんだからっ!あなたなんかより偉いんだからっ!こんな真似してぇ!ランスロット様に罰を与えられるんだからっ!」

 泣きながら喚き散らすセットウ男爵令嬢に、お母様は大きなため息を吐く。

 当然、彼女の手に鞭を打ちながら。

「私はランスロット様の・・・」

 ピシッ!

「ルチルさんは・・・」

 ピシッ!

 ピシッ!

 ピシッ!

 鞭の音が響くたび、セットウ男爵令嬢の声が小さくなって、とうとう発言しなくなった。

 お母様、すごいわ。

 あの言葉が通じなかった、セットウ男爵令嬢を黙らせるなんて。

 猛獣使いみたい!

 私も見習わなくちゃだわ。

「お母様、指導・・・じゃなかった、教育って、セットウ男爵令嬢様をウチでお預かりしますの?」

「本当はその方がいいのかもしれないけど、ルチルも顔を合わせるのは嫌でしょう。王宮で部屋を借りるつもりよ。だから彼女には王宮に通って貰うわ」

「何で私が・・・(小声)」

「何か言ったかしら?王宮に通えば、王太子殿下に会えるかもしれないわよ」

 お母様がそう言うと、セットウ男爵令嬢は言葉に詰まった様子で顔を逸らした。

 王妃様からの依頼なんだから、セットウ男爵令嬢に断れる選択なんてあるわけないじゃない。

 それ以前に、うちのお母様に逆らうつもりなの?

 それって、我が家を敵に回すのと同意語よ?
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