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ある意味襲撃者な件
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「・・・言葉が通じない相手って、ある意味最強よね」
門番から、セットウ男爵令嬢が来ていると聞いて、私はため息を吐いた。
今日は王太子殿下同伴じゃなく一人で来たみたいだけど・・・
多分、王太子殿下は王妃様から叱られて、外出禁止なんじゃないかしら。
だって、真実の愛のお相手であるセットウ男爵令嬢が「ランスロット様と会えないのは、ルチルさんが何かしたんでしょう!」って喚いてるらしいし。
しかし、いい度胸をしているわよね。
公爵家の門前で、喚き散らすなんて。
え?相手なんてしないわよ?
言葉が通じない相手に、そんな労力使うだけ無駄だもの。
それにそろそろ、騎士団が回収に来てくれるし。
わざわざうちが連絡しなくても、この辺りは公爵家や侯爵家の屋敷がある地域。
当然のことながら、不審な人間を見かけたら、他所の門番も警戒して騎士団に連絡するシステムなのよ。
もちろん緊急の場合は、うちが直接騎士団に通報するけど、相手はご令嬢。
さすがに、ね。
「お嬢様。騎士団が到着したのですが・・・」
「何か問題があったの?」
「その・・・奥様がお帰りになりまして・・・」
お母様は今日も、王宮に向かわれていた。
当然、王太子殿下の愚行について抗議に行かれていたのだけど・・・
まさかこのタイミングでお帰りになるなんて。
「それで?」
「奥様が騎士の方々にお引き取りいただきまして、その、男爵令嬢を屋敷にお連れになりました」
ええぇ。めんどくさいわ。
お母様はお仕置きするつもりなんだろうけど、あの手の相手って常識では想像できない言動をするから。
「奥様が応接室に来るようにと」
「・・・分かったわ」
そうよね。呼ぶわよね。
私がいた方があの子、ろくでもない発言するでしょうし。
しかし、分からないわ。
あの子のどこがいいのかしら?
顔?確かに可愛いけど、あの子レベルの可愛さなら他にもたくさんいるわよ。
「お母様、ルチルです」
応接室の扉を叩いて、到着を告げる。
扉を開けた途端、男爵令嬢がソファーから立ち上がった。
「あー!ルチルさんっ!ランスロ・・・きゃあ!痛いっ!」
ピシッ!
男爵令嬢の向かいに座っているお母様の手の中で、細い鞭がしなった。
あれって・・・
王宮での教育の時に使う鞭じゃないかしら。
私は打たれたことはないけど、確か王太子殿下は子供の頃にマナー講座で打たれて泣いたと、王妃様に聞いたわ。
「な、な、なにするんですかっ!」
「ルチルは、公爵令嬢。そして私は公爵夫人よ。口の利き方がなってないわね」
門番から、セットウ男爵令嬢が来ていると聞いて、私はため息を吐いた。
今日は王太子殿下同伴じゃなく一人で来たみたいだけど・・・
多分、王太子殿下は王妃様から叱られて、外出禁止なんじゃないかしら。
だって、真実の愛のお相手であるセットウ男爵令嬢が「ランスロット様と会えないのは、ルチルさんが何かしたんでしょう!」って喚いてるらしいし。
しかし、いい度胸をしているわよね。
公爵家の門前で、喚き散らすなんて。
え?相手なんてしないわよ?
言葉が通じない相手に、そんな労力使うだけ無駄だもの。
それにそろそろ、騎士団が回収に来てくれるし。
わざわざうちが連絡しなくても、この辺りは公爵家や侯爵家の屋敷がある地域。
当然のことながら、不審な人間を見かけたら、他所の門番も警戒して騎士団に連絡するシステムなのよ。
もちろん緊急の場合は、うちが直接騎士団に通報するけど、相手はご令嬢。
さすがに、ね。
「お嬢様。騎士団が到着したのですが・・・」
「何か問題があったの?」
「その・・・奥様がお帰りになりまして・・・」
お母様は今日も、王宮に向かわれていた。
当然、王太子殿下の愚行について抗議に行かれていたのだけど・・・
まさかこのタイミングでお帰りになるなんて。
「それで?」
「奥様が騎士の方々にお引き取りいただきまして、その、男爵令嬢を屋敷にお連れになりました」
ええぇ。めんどくさいわ。
お母様はお仕置きするつもりなんだろうけど、あの手の相手って常識では想像できない言動をするから。
「奥様が応接室に来るようにと」
「・・・分かったわ」
そうよね。呼ぶわよね。
私がいた方があの子、ろくでもない発言するでしょうし。
しかし、分からないわ。
あの子のどこがいいのかしら?
顔?確かに可愛いけど、あの子レベルの可愛さなら他にもたくさんいるわよ。
「お母様、ルチルです」
応接室の扉を叩いて、到着を告げる。
扉を開けた途端、男爵令嬢がソファーから立ち上がった。
「あー!ルチルさんっ!ランスロ・・・きゃあ!痛いっ!」
ピシッ!
男爵令嬢の向かいに座っているお母様の手の中で、細い鞭がしなった。
あれって・・・
王宮での教育の時に使う鞭じゃないかしら。
私は打たれたことはないけど、確か王太子殿下は子供の頃にマナー講座で打たれて泣いたと、王妃様に聞いたわ。
「な、な、なにするんですかっ!」
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