その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜

みおな

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甘やかし

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 散歩というわりに、魔王様は私を抱き上げたまま進む。

 左腕に抱き抱えられたまま、私は魔王様の髪を三つ編みし始めた。

 自分のはまだ出来ないんだけど、人ので練習すればできるようになると思うのよね。

「何をしているんだ?」

「みちゅあみ。シアとおなじりぼんつけゆ」

 私の髪は、フラウがいつも可愛く結ってくれる。

 リボンも一緒に編み込んだり、ふわふわに巻いたり。

「そうか」

「あ。おとちゃま、らぐぅがいゆ」

 何をしているのか、魔王様側近のひとりラグムがしゃがみ込んでいた。

「らぐぅ」

「あれ?陛下と姫様。どうしたんですか?」

「お前こそ何を・・・うん?猫、か?」

「にゃんこ!」

 ラグムが膝の上に抱えていたのは、小さな子猫だった。

「普通の、猫だと思うんですが、親猫の姿がなくて」

「おとちゃま!にゃんこ!にゃんこだっこする!」

 魔王様の腕から落ちる勢いで、ラグムの方へと手を伸ばす。

 何を隠そう、アゼリアは超が付くほどの猫好きだった。

 自分の食べるものもままならなかったから、飼うことは出来なかったけど。

 でも、シアンなら!
飼うことが出来る。だってお姫様だし!寝床も食べ物も与えてやれる。

「シアン、落ちるぞ」

「にゃんこ!にゃんこだっこするの!らぐぅ、にゃんこ!」

 必死に手を伸ばす私に、ラグムは困ったように眉を下げる。

「ええと、姫様・・・」

「シアン、病気を持っているかもしれない。調べてからでないとだっこは無理だ」

「だっこ・・・だめ・・・?ふっ・・・ふぇぇぇぇん!」

 シアンの中身?というか精神はアゼリアで、アゼリアは十五歳まで生きてたわけで・・・

 それでも体が三歳児だからなのか、感情が引きずられてしまう。

 泣き出したシアンに、ラグムも魔王様も慌てる。

 泣き声ご聞こえたのか、メフィストやフラウ、アマリア、ナーガまでやって来た。

「どうされたのです?」

「あらあら?お目目がウサギさんになってしまうわよ」

「本当、どうしたの、って、あ、猫だ。あー、なるほど。大丈夫だよ、姫様。私が病気持ってないか診てあげるから、ちょーっとだけ我慢ね?」

 アマリアがラグムが抱いた子猫に気付き、私の頭を撫でる。

 魔物の猫型なら大丈夫だけど、純粋な、普通の動物の場合、病気を持っていて感染すると子供の魔族は重症化してしまう場合がある。

 特にシアンはまだ幼児なので、危険なのだ。

「だっこ、できゆ?」

「ちょーっと待ってね~。うん、猫風邪もひいてないし、目も綺麗っと。お腹がちょーっと空いてるのかな?オッケー、ラグム良いよ。姫様にだっこさせてあげて」

 アマリアの診断が終わって、ラグムが私に猫を渡してくれる。

 今度は魔王様も止めなかった。
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