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過去
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サザンウィンド王国が滅んだ?いつ?
先を急いで読み進める。
といっても、幼児のシアンでは速読とはいかないけど。
サザンウィンド王国の滅亡は、今から百二十年前、国王カムリの時代。
カムリの息子、当時の王太子が王太子継承の儀の際にドラゴンを倒したことが発端だと言われている。
え?ちょっと待って。
ドラゴン?王太子継承の儀って、アレよね?王太子になるための魔物討伐ってやつ。
え?ドラゴンって、まさか。
国王陛下ってなんて名前だったっけ。
命令は受けても会うことなんてほとんどなかったし。
あ、でも王太子との婚約の時に、確か書面に名前が・・・
サザンウィンド王国第六十五代国王カムリ・サザンウィンド。
記憶の中の書面に書かれた名前は、目の前に書かれている名前と同じで、私はギュッと目を瞑った。
「どうされました?シアン様」
すぐに、メフィストが声をかけてくる。
「ん。へいき」
「顔色が悪いですね。今日はここまでにしましょうか。フラウ!姫様に飲み物を」
「かしこまりました」
ちょっと驚いたというか、なんというか、大丈夫だと思ったけど自分で思うより大丈夫じゃなかったみたいで、魔王様までやってくる事態になった。
「おとしゃま」
「シアン、どこか痛かったりするか?メフィスト、何の勉強だったのだ?」
「おとしゃま、しあ、へいき。にんげんのくにのおべんきょしてて、ちょっとびっくししただけ。めめちゅと、わりゅくない」
私を抱き上げた魔王様が、メフィストを睨みつけるのを見て、慌てて服を掴む。
魔王様は優しく私の頭を撫でると、そうか、と頷く。
「びっくりしたのか。だが、今日は勉強はおしまいだ。父様と散歩でもするか」
「しゃんぽ?おとしゃま、おちごとは?」
「心配しなくても大丈夫だ。ほら、シアン好きだろ?果実水」
「ん」
魔王様に果実水を飲ませてもらう。
爽やかな柑橘の香りに、ホッと息を吐いた。
その後、魔王様は私を抱き上げたまま王宮の廊下を歩く。
普段私がいるのは魔王城の居住区で、ここに入れるのは魔王様の側近と私の世話をするフラウだけ。
食事もお城で作られたものが運ばれてきて、毒味の後に私や魔王様に運ばれる。
毒、効かないらしいけどね。
魔族でも、毒無効できない者もいるらしいけど、少なくとも魔王様とメフィスト、それから私は毒無効のスキルがある、らしい。
基本的に怪しげなものを、過保護な魔王様が私に食べさせるわけがないので、試したことはないけど。
薔薇が咲き誇る中庭に着いても、魔王様は私を抱き上げたままスタスタと進む。
「おとしゃま、シアありゅく」
「父様に抱かれていろ」
え?だって散歩だよね?歩くから散歩だよね?え?違うの?
先を急いで読み進める。
といっても、幼児のシアンでは速読とはいかないけど。
サザンウィンド王国の滅亡は、今から百二十年前、国王カムリの時代。
カムリの息子、当時の王太子が王太子継承の儀の際にドラゴンを倒したことが発端だと言われている。
え?ちょっと待って。
ドラゴン?王太子継承の儀って、アレよね?王太子になるための魔物討伐ってやつ。
え?ドラゴンって、まさか。
国王陛下ってなんて名前だったっけ。
命令は受けても会うことなんてほとんどなかったし。
あ、でも王太子との婚約の時に、確か書面に名前が・・・
サザンウィンド王国第六十五代国王カムリ・サザンウィンド。
記憶の中の書面に書かれた名前は、目の前に書かれている名前と同じで、私はギュッと目を瞑った。
「どうされました?シアン様」
すぐに、メフィストが声をかけてくる。
「ん。へいき」
「顔色が悪いですね。今日はここまでにしましょうか。フラウ!姫様に飲み物を」
「かしこまりました」
ちょっと驚いたというか、なんというか、大丈夫だと思ったけど自分で思うより大丈夫じゃなかったみたいで、魔王様までやってくる事態になった。
「おとしゃま」
「シアン、どこか痛かったりするか?メフィスト、何の勉強だったのだ?」
「おとしゃま、しあ、へいき。にんげんのくにのおべんきょしてて、ちょっとびっくししただけ。めめちゅと、わりゅくない」
私を抱き上げた魔王様が、メフィストを睨みつけるのを見て、慌てて服を掴む。
魔王様は優しく私の頭を撫でると、そうか、と頷く。
「びっくりしたのか。だが、今日は勉強はおしまいだ。父様と散歩でもするか」
「しゃんぽ?おとしゃま、おちごとは?」
「心配しなくても大丈夫だ。ほら、シアン好きだろ?果実水」
「ん」
魔王様に果実水を飲ませてもらう。
爽やかな柑橘の香りに、ホッと息を吐いた。
その後、魔王様は私を抱き上げたまま王宮の廊下を歩く。
普段私がいるのは魔王城の居住区で、ここに入れるのは魔王様の側近と私の世話をするフラウだけ。
食事もお城で作られたものが運ばれてきて、毒味の後に私や魔王様に運ばれる。
毒、効かないらしいけどね。
魔族でも、毒無効できない者もいるらしいけど、少なくとも魔王様とメフィスト、それから私は毒無効のスキルがある、らしい。
基本的に怪しげなものを、過保護な魔王様が私に食べさせるわけがないので、試したことはないけど。
薔薇が咲き誇る中庭に着いても、魔王様は私を抱き上げたままスタスタと進む。
「おとしゃま、シアありゅく」
「父様に抱かれていろ」
え?だって散歩だよね?歩くから散歩だよね?え?違うの?
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