【完結済み】妹の婚約者に、恋をした

鈴蘭

文字の大きさ
7 / 16

何も分かっていない母と妹

しおりを挟む
 「貴方って子は、見た目だけではなく、性格まで醜いのね!デイジーに嫉妬して、アーノルドに嘘を吹き込むなんて、浅ましいにも程があります」
 「お姉様が嘘をついたせいで、パーティへは勝手に行かない様にと言われたのよ。それどころか、デートのお誘い迄減ったの。ドレスも外出着も、仕立ててはいけないと言われたのだって、お姉様が何か言ったに決まっているわ」
 「そうよ、マーガレット。今直ぐアーノルドへ嘘を付いたと、謝罪なさい」
 「嘘を付いたのではありません。私は帳簿を見せただけです。このままでは、伯爵家の負債が増えて没落してしまいます」

 「嘘仰い。私が嫁ぐ時に、負債は全てお父様が返済したわ。この家は、私のお蔭で成り立っているのよ」
 「そうよ、お母様に嫌われているからって、嫌がらせしないで」
 「可哀想なデイジー、心配しなくてもいいのよ。ドレスは私の持参金で仕立ててあげるわ」
 「嬉しい、お母様大好き」
 「持参金なんて、ありませんよ」
 私は自分でも驚くほど、低い声が出た。

 「何ですって?」
 「お母様の浪費で、持参金は、とうの昔に底を付いています。お爺様に何度か助けて頂きましたが、お母様とデイジーの浪費で、マイナスになっています。未だ返済が出来ていない宝石やドレス代の請求書を、何度もお見せしたでしょう。これ以上は…」
 「お黙りっ」
 パシーンと音がして、私はバランスを崩し、床に転がってしまった。
 頬がジワジワと痛み出した、打たれてしまったのね。
 「生意気な事を!何処迄私を苛立たせれば、気が済むの。いい加減な事ばかり言って、性格迄サイラスにそっくりだわ。忌々しい」
 私に侮蔑の眼差しを向けた後で、デイジーに微笑みを向けるお母様の心変わりに、感心してしまう。

 「デイジー、お父様に手紙を出しましょう。今迄より、もっと豪華で素敵なドレスを仕立ててくれるわ」
 「お母様本当?私、お爺様は苦手なのだけれど、大丈夫かしら?」
 「何も心配いらないわ、私に任せなさい」
 母娘が仲睦まじく去って行くのを、黙って見送った。
 「何も分かっていないのね…」
 
 お父様は、体よくお母様を、押し付けられたのよ。
 お父様が背負った負債額よりも、お母様の浪費で増えた負債額の方が上回っている事を、まるで理解していないわ。
 お母様のせいで、伯爵家の物は皆、借金の担保になっているの。
 お爺様が匙を投げたから、レジット侯爵家が手を差し伸べてくれたと言うのに。
 このまま借金が膨れ上がったら、伯爵家は没落して、全てがレジット侯爵家の物になるのよ。

 何のメリットも無い、負債だらけの家に、入り婿なんて来る訳ないのに…
 アーノルド様も、負債の原因を知って、驚いたでしょうね。
 お母様は政略結婚の意味が分かっていないのよ、本当に困った人達。
 

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

愛する義兄に憎まれています

ミカン♬
恋愛
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。 義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。 許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。 2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。 ふわっと設定でサクっと終わります。 他サイトにも投稿。

もう何も信じられない

ミカン♬
恋愛
ウェンディは同じ学年の恋人がいる。彼は伯爵令息のエドアルト。1年生の時に学園の図書室で出会って二人は友達になり、仲を育んで恋人に発展し今は卒業後の婚約を待っていた。 ウェンディは平民なのでエドアルトの家からは反対されていたが、卒業して互いに気持ちが変わらなければ婚約を認めると約束されたのだ。 その彼が他の令嬢に恋をしてしまったようだ。彼女はソーニア様。ウェンディよりも遥かに可憐で天使のような男爵令嬢。 「すまないけど、今だけ自由にさせてくれないか」 あんなに愛を囁いてくれたのに、もう彼の全てが信じられなくなった。

【完結】婚約者は私を大切にしてくれるけれど、好きでは無かったみたい。

まりぃべる
恋愛
伯爵家の娘、クラーラ。彼女の婚約者は、いつも優しくエスコートしてくれる。そして蕩けるような甘い言葉をくれる。 少しだけ疑問に思う部分もあるけれど、彼が不器用なだけなのだと思っていた。 そんな甘い言葉に騙されて、きっと幸せな結婚生活が送れると思ったのに、それは偽りだった……。 そんな人と結婚生活を送りたくないと両親に相談すると、それに向けて動いてくれる。 人生を変える人にも出会い、学院生活を送りながら新しい一歩を踏み出していくお話。 ☆※感想頂いたからからのご指摘により、この一文を追加します。 王道(?)の、世間にありふれたお話とは多分一味違います。 王道のお話がいい方は、引っ掛かるご様子ですので、申し訳ありませんが引き返して下さいませ。 ☆現実にも似たような名前、言い回し、言葉、表現などがあると思いますが、作者の世界観の為、現実世界とは少し異なります。 作者の、緩い世界観だと思って頂けると幸いです。 ☆以前投稿した作品の中に出てくる子がチラッと出てきます。分かる人は少ないと思いますが、万が一分かって下さった方がいましたら嬉しいです。(全く物語には響きませんので、読んでいなくても全く問題ありません。) ☆完結してますので、随時更新していきます。番外編も含めて全35話です。 ★感想いただきまして、さすがにちょっと可哀想かなと最後の35話、文を少し付けたしました。私めの表現の力不足でした…それでも読んで下さいまして嬉しいです。

「庶子」と私を馬鹿にする姉の婚約者はザマァされました~「え?!」

ミカン♬
恋愛
コレットは庶子である。12歳の時にやっと母娘で父の伯爵家に迎え入れられた。 姉のロザリンは戸惑いながらもコレットを受け入れて幸せになれると思えたのだが、姉の婚約者セオドアはコレットを「庶子」とバカにしてうざい。 ロザリンとセオドア18歳、コレット16歳の時に大事件が起こる。ロザリンが婚約破棄をセオドアに突き付けたのだ。対して姉を溺愛するセオドアは簡単に受け入れなかった。 姉妹の運命は?庶子のコレットはどうなる? 姉の婚約者はオレ様のキモくて嫌なヤツです。不快に思われたらブラウザーバックをお願いします。 世界観はフワッとしたありふれたお話ですが、ヒマつぶしに読んでいただけると嬉しいです。 他サイトにも掲載。 完結後に手直しした部分があります。内容に変化はありません。

【完結】消えた姉の婚約者と結婚しました。愛し愛されたかったけどどうやら無理みたいです

金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベアトリーチェは消えた姉の代わりに、姉の婚約者だった公爵家の子息ランスロットと結婚した。 夫とは愛し愛されたいと夢みていたベアトリーチェだったが、夫を見ていてやっぱり無理かもと思いはじめている。 ベアトリーチェはランスロットと愛し愛される夫婦になることを諦め、楽しい次期公爵夫人生活を過ごそうと決めた。 一方夫のランスロットは……。 作者の頭の中の異世界が舞台の緩い設定のお話です。 ご都合主義です。 以前公開していた『政略結婚して次期侯爵夫人になりました。愛し愛されたかったのにどうやら無理みたいです』の改訂版です。少し内容を変更して書き直しています。前のを読んだ方にも楽しんでいただけると嬉しいです。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

婚約破棄の日の夜に

夕景あき
恋愛
公爵令嬢ロージーは卒業パーティの日、金髪碧眼の第一王子に婚約破棄を言い渡された。第一王子の腕には、平民のティアラ嬢が抱かれていた。 ロージーが身に覚えのない罪で、第一王子に糾弾されたその時、守ってくれたのは第二王子だった。 そんな婚約破棄騒動があった日の夜に、どんでん返しが待っていた·····

貴方でなくても良いのです。

豆狸
恋愛
彼が初めて淹れてくれたお茶を口に含むと、舌を刺すような刺激がありました。古い茶葉でもお使いになったのでしょうか。青い瞳に私を映すアントニオ様を傷つけないように、このことは秘密にしておきましょう。

処理中です...