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第27話 メッキが剥がれる時
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オリビア side
昼間から戸が閉められた店内にはテーブルや椅子が乱雑に置かれ、ガタイのいい男達がたむろしていた。
「ジェフのとこがやられたらしいぞ」
「マジかよ。とっとと実行に移さないとこっちもマズくないか?」
「俺もそう思うんだが、まだ指示が来ないらしいな」
一人の若い男がテーブルの脚を蹴った。
「くそが!! 誰が情報流したんだよ!!」
ただでさえ鬱々とした雰囲気の店内に剣呑な空気が加わった。
「お前か!! ジュード!!」
「そんなわけねぇだろが!!」
「だいたい誰がばらすんだよ!! こっちは決死の覚悟でやってるんだから、内通者なんでいるはず――」
そこで隅の方で気配を消していた私の方へ視線が向く。
冗談じゃないわよ!!
そもそも庶民が考えた革命なんてそうそう成功するはずないじゃないの!!
そう叫びたかったけれど、できなかった。
この中で私は新参者だということもあるけれど、一度目の生ではなぜか成功しちゃってるのよね、革命。
私は命は助かったけれど、ひどい目にあったし。
というかなんかだんだん私への扱いがぞんざいになっていったような気がするんだけど。
五人目の子を産むとき、食事は日に一度にされてたし。
なんかなあ、元側妃とはいえ、王位継承者を産む相手にする態度じゃないと思うのよね。
あんな環境だったら命を落とすのは当たり前じゃない。
「おいおい、肝心なこと忘れてたぜ。雲行きがあやしくなったのってさ、この女が仲間になってからじゃねぇか」
思い出した、とでも言いたげに大柄な男が私の方へ来ると、乱暴に胸ぐらを掴み上げた。
ちょっと、痛いわよ!!
「放しなさいよ!!」
「お断りだな。内通者さんよ」
はぁ!?
男の腕から逃れようともがきながら叫ぶ。
「そんなんじゃないわよ!!」
「どうだかな。……お、なんだこりゃ」
ちょ、それはあの魔道具のペンダント!!
ちゃんと服の内側にしまっていたはずなのに、揉みあったはずみで出てしまったらしい。
男が皆にも分かるようにペンダントをぐい、と上げた。
「おい、こんな高価なもん、俺たち平民が持つもんじゃねぇよなぁ?」
たちまちのうちに他の男達が賛同する。
「おう、そうだそうだ」
「あんた蓮っ葉な態度のわりに何か違うと思ってたんだよ」
ペンダントを持っていた男が乱暴に引っ張り、鎖が切れた。
「こんなもの!!」
男がペンダントを床に叩きつけた。
「なにすんのよ!!」
乾いた音を立ててペンダントが壊れる。
あの時のように――
見ていた男たちが次々に言葉を掛けた。
「おいおい、壊すなよ。売れたかもしれねぇのに」
「ま、内通者が持ってたもんなんてぶっ壊したいよ、な……」
「おい」
呆気に取られたような男たちの態度にまさか、と髪を触ると見慣れた髪色ではなく、ありふれた茶色があった。
「何が『聖女の娘』だ!! ただの大ぼら吹きじゃないか!!」
私がここへ来るときに出した売り文句を繰り返して男が私を床へ叩きつけるように放した。
痛ったいわね!! この美しい顔に傷でもついたらどうしてくれるのよ!!
「嘘なんか言ってないわよ!!」
とっさに否定するが誰も私の言葉なんて聞いてないようだった。
「ったくとんだ嘘つきもいたもんだ」
「だがどうする? リーダーはまだ帰ってこねぇぜ」
「そんなものリーダーの手を煩わせるまでもないだろ」
ヤバいわよ。これどうするの!!
私はつい最近入ったばかりなのでまだそれほど親しい人はいなかった。
というよりあの舞踏会の件があるまではこんなところに来るなんて思わなかったわよ!!
いや舞踏会というかあの過保護パパ(?)が監禁まがいのことをしでかさなかったらわざわざ抜け出すなんてこともしなかったのに!!
もう利用されるのはごめんと、革命軍のリーダーのところへ来たのはいいけど、雑用ばかりでちょっとミスっただけで怒鳴られるし、なんかなぁ。
こっちにいた方が生存率高いと判断したのは間違いだったかしら。
まさか命までは取らないだろうとのんびりしていたのが悪かったのか、立ち上がろうとした私はまた突き飛ばされた。
「ちょっと!!」
「まったく気の強いアマだぜ」
それは相手を格下だと思っている目つきだった。
「内通者なんかになったあんたが悪いんだぜ」
はあ!? 違いますけど?
下卑た笑みを浮かべながら伸ばした男の手は私に届かなかった。
「何をしている?」
ここ数日で聞き慣れた声がして私の体が彼――シャークの方へ引き寄せられたからだ。
「リーダー!! これはあの」
「なんでもないです!!」
その声を皮切りに男たちが去り、私はシャークと向かい合った。
「まったく。少し目を離すとすぐに問題を起こすお嬢さんだな」
笑みを含んだ問い掛けにムッとして叫び返してしまった。
「失礼ね!! 子供扱いしないでくれる!?」
シャークはいつもこうだった。
私はユクトルや一度目の生のことがあるから、何を言えば相手が喜ぶかなんてすぐに予測がつく。
だから革命軍のリーダーなんて言ってもこの私の手にかかれば何でも言うことを利かせられると思っていたのに。
本来この時間のこの店に私のような若い女性が入ることはできない。
そこを何とか頼んで入れて貰ったのに。
彼を何とかできるなんて思ったのは違っていたんだろうか。
「はいはい」
なによその言い方!! めちゃくちゃムカつくんだけど!!
そこで反対側の壁際に下がっていた男たちが私の髪を指さして叫んだ。
「そうだリーダー!! その女、聖女の娘だなんてとんだ嘘つきだったぜ!! 見ろよその髪!!」
こちらを見る男の得意げな顔に膝蹴りでもお見舞いしてやりたい。
非常にぶっそうなことを考える私の前でシャークが少し考えこむようにして口を開く。
「なるほど。確かに色が違うな。どうしてこうなったんだ? 染めてでもいたのか?」
もうどうにでもなれ、だわ。
「違うわよ」
私が半ばヤケになって説明すると、シャークはふむ、と頷いた。
「つまりアイザック、お前が彼女のペンダントを壊したらそうなったと」
「ああ、ちょっとわからせてやろうとしたらペンダントが壊れちまって――」
アイザックはその先を言うことができなかった。
なぜならどうしてかわからないけれど、ある種の迫力を込めてシャークが彼を見ていたから。
「リーダー。俺は」
「アイザック。お前はもう少し物の道理がわかる奴だと思っていた」
静かな口調だったけれど、アイザックの目が泳ぎ、退路を探そうとしているようだった。
「待て。話せば――」
アイザックがそこまで言葉を紡いだときシャークの拳が炸裂した。
鈍い音をたててアイザックが床へ倒れる。
「相手が気に入らないからって物を壊すのは違うだろう」
蹲って喋れないアイザックの代わりに他の男が反論した。
「だってよ、そいつ聖女の娘なんかじゃなかったんだぜ!!」
シャークの鋭い視線が男へ向かう。
「だから相手の物を壊してもいいってか? それじゃ俺たちが目に物見せようとしているお貴族様と何にも変わらないぞ」
さすがにこの言葉には反論できないようで、男は黙ったが彼らの顔が不満げに歪められているのが丸わかりだった。
ちょっともう、これどうするのよ。私またどこか宿探さなくちゃいけないの?
そう思ったときシャークが口を開いた。
「アイザック。お前はショーン爺さんのところへ行け。お前はこっちだ」
そうして連れて来られたのは一軒のどこにでもるようなあばら家で。
シャークが扉を叩くと、すぐに答えがあった。
「はいよ。今……ああ、あんたどこ行ってたのかと思ったよ」
出て来たのは愛想のいいどこにでもいるようなおばさんで、今私が世話になっている人だった。
そこで私の頭へ目を向けて軽く首を傾げる。
「染め粉でも使ったのかい? でもこっちの方も似合ってるじゃないかい」
その言葉にはシャークが言葉を濁して答えた。
「まあいろいろあってな。それより、もっとちゃんと見てくれないと困る。いつの間にか俺たちの店へ来てたんだが」
「ああ。済まないね。もう少し家事を手伝って貰う時間を増やそうか」
ちょっとそんなのごめんなんだけど!!
下位の男爵令嬢とはいえ、侍女はついていて身の回りの世話はして貰っていたのだ。
そんな市民の生活なんてできる訳ないじゃない!!
だからここへ来てから、自分はそういったことはしたこともないけれど、文字は読めるから、とまだマシな手紙書きとかしていたのに!!
「まあ若い娘は好奇心旺盛だというけれど、あの店に行くのはちょっとねぇ」
「だから見張っててくれ」
「あいよ。任せときな。これからはこの娘もきちんと家事を教えるからね」
「ああ。それと手紙の方もな」
二人の会話を聞いていた私は思わず顔を上げた。
「ちょっと、多いわよ!!」
「それだけの元気があれば充分できそうだな。じゃあ、リタ。頼んだ」
そう告げるとシャークは帰ってしまい、私はリタとその場に残された。
「さあ、頑張ろうか」
嫌よそんなの!!
心の叫びも虚しく私はリタに引っ張られて炊事場へ連れて行かれ、野菜の入った籠を渡されてしまう。
「パンは朝焼いたのがあるから、あんたはこれを洗っとくれ。ほら行った行った」
……水仕事嫌い。
昼間から戸が閉められた店内にはテーブルや椅子が乱雑に置かれ、ガタイのいい男達がたむろしていた。
「ジェフのとこがやられたらしいぞ」
「マジかよ。とっとと実行に移さないとこっちもマズくないか?」
「俺もそう思うんだが、まだ指示が来ないらしいな」
一人の若い男がテーブルの脚を蹴った。
「くそが!! 誰が情報流したんだよ!!」
ただでさえ鬱々とした雰囲気の店内に剣呑な空気が加わった。
「お前か!! ジュード!!」
「そんなわけねぇだろが!!」
「だいたい誰がばらすんだよ!! こっちは決死の覚悟でやってるんだから、内通者なんでいるはず――」
そこで隅の方で気配を消していた私の方へ視線が向く。
冗談じゃないわよ!!
そもそも庶民が考えた革命なんてそうそう成功するはずないじゃないの!!
そう叫びたかったけれど、できなかった。
この中で私は新参者だということもあるけれど、一度目の生ではなぜか成功しちゃってるのよね、革命。
私は命は助かったけれど、ひどい目にあったし。
というかなんかだんだん私への扱いがぞんざいになっていったような気がするんだけど。
五人目の子を産むとき、食事は日に一度にされてたし。
なんかなあ、元側妃とはいえ、王位継承者を産む相手にする態度じゃないと思うのよね。
あんな環境だったら命を落とすのは当たり前じゃない。
「おいおい、肝心なこと忘れてたぜ。雲行きがあやしくなったのってさ、この女が仲間になってからじゃねぇか」
思い出した、とでも言いたげに大柄な男が私の方へ来ると、乱暴に胸ぐらを掴み上げた。
ちょっと、痛いわよ!!
「放しなさいよ!!」
「お断りだな。内通者さんよ」
はぁ!?
男の腕から逃れようともがきながら叫ぶ。
「そんなんじゃないわよ!!」
「どうだかな。……お、なんだこりゃ」
ちょ、それはあの魔道具のペンダント!!
ちゃんと服の内側にしまっていたはずなのに、揉みあったはずみで出てしまったらしい。
男が皆にも分かるようにペンダントをぐい、と上げた。
「おい、こんな高価なもん、俺たち平民が持つもんじゃねぇよなぁ?」
たちまちのうちに他の男達が賛同する。
「おう、そうだそうだ」
「あんた蓮っ葉な態度のわりに何か違うと思ってたんだよ」
ペンダントを持っていた男が乱暴に引っ張り、鎖が切れた。
「こんなもの!!」
男がペンダントを床に叩きつけた。
「なにすんのよ!!」
乾いた音を立ててペンダントが壊れる。
あの時のように――
見ていた男たちが次々に言葉を掛けた。
「おいおい、壊すなよ。売れたかもしれねぇのに」
「ま、内通者が持ってたもんなんてぶっ壊したいよ、な……」
「おい」
呆気に取られたような男たちの態度にまさか、と髪を触ると見慣れた髪色ではなく、ありふれた茶色があった。
「何が『聖女の娘』だ!! ただの大ぼら吹きじゃないか!!」
私がここへ来るときに出した売り文句を繰り返して男が私を床へ叩きつけるように放した。
痛ったいわね!! この美しい顔に傷でもついたらどうしてくれるのよ!!
「嘘なんか言ってないわよ!!」
とっさに否定するが誰も私の言葉なんて聞いてないようだった。
「ったくとんだ嘘つきもいたもんだ」
「だがどうする? リーダーはまだ帰ってこねぇぜ」
「そんなものリーダーの手を煩わせるまでもないだろ」
ヤバいわよ。これどうするの!!
私はつい最近入ったばかりなのでまだそれほど親しい人はいなかった。
というよりあの舞踏会の件があるまではこんなところに来るなんて思わなかったわよ!!
いや舞踏会というかあの過保護パパ(?)が監禁まがいのことをしでかさなかったらわざわざ抜け出すなんてこともしなかったのに!!
もう利用されるのはごめんと、革命軍のリーダーのところへ来たのはいいけど、雑用ばかりでちょっとミスっただけで怒鳴られるし、なんかなぁ。
こっちにいた方が生存率高いと判断したのは間違いだったかしら。
まさか命までは取らないだろうとのんびりしていたのが悪かったのか、立ち上がろうとした私はまた突き飛ばされた。
「ちょっと!!」
「まったく気の強いアマだぜ」
それは相手を格下だと思っている目つきだった。
「内通者なんかになったあんたが悪いんだぜ」
はあ!? 違いますけど?
下卑た笑みを浮かべながら伸ばした男の手は私に届かなかった。
「何をしている?」
ここ数日で聞き慣れた声がして私の体が彼――シャークの方へ引き寄せられたからだ。
「リーダー!! これはあの」
「なんでもないです!!」
その声を皮切りに男たちが去り、私はシャークと向かい合った。
「まったく。少し目を離すとすぐに問題を起こすお嬢さんだな」
笑みを含んだ問い掛けにムッとして叫び返してしまった。
「失礼ね!! 子供扱いしないでくれる!?」
シャークはいつもこうだった。
私はユクトルや一度目の生のことがあるから、何を言えば相手が喜ぶかなんてすぐに予測がつく。
だから革命軍のリーダーなんて言ってもこの私の手にかかれば何でも言うことを利かせられると思っていたのに。
本来この時間のこの店に私のような若い女性が入ることはできない。
そこを何とか頼んで入れて貰ったのに。
彼を何とかできるなんて思ったのは違っていたんだろうか。
「はいはい」
なによその言い方!! めちゃくちゃムカつくんだけど!!
そこで反対側の壁際に下がっていた男たちが私の髪を指さして叫んだ。
「そうだリーダー!! その女、聖女の娘だなんてとんだ嘘つきだったぜ!! 見ろよその髪!!」
こちらを見る男の得意げな顔に膝蹴りでもお見舞いしてやりたい。
非常にぶっそうなことを考える私の前でシャークが少し考えこむようにして口を開く。
「なるほど。確かに色が違うな。どうしてこうなったんだ? 染めてでもいたのか?」
もうどうにでもなれ、だわ。
「違うわよ」
私が半ばヤケになって説明すると、シャークはふむ、と頷いた。
「つまりアイザック、お前が彼女のペンダントを壊したらそうなったと」
「ああ、ちょっとわからせてやろうとしたらペンダントが壊れちまって――」
アイザックはその先を言うことができなかった。
なぜならどうしてかわからないけれど、ある種の迫力を込めてシャークが彼を見ていたから。
「リーダー。俺は」
「アイザック。お前はもう少し物の道理がわかる奴だと思っていた」
静かな口調だったけれど、アイザックの目が泳ぎ、退路を探そうとしているようだった。
「待て。話せば――」
アイザックがそこまで言葉を紡いだときシャークの拳が炸裂した。
鈍い音をたててアイザックが床へ倒れる。
「相手が気に入らないからって物を壊すのは違うだろう」
蹲って喋れないアイザックの代わりに他の男が反論した。
「だってよ、そいつ聖女の娘なんかじゃなかったんだぜ!!」
シャークの鋭い視線が男へ向かう。
「だから相手の物を壊してもいいってか? それじゃ俺たちが目に物見せようとしているお貴族様と何にも変わらないぞ」
さすがにこの言葉には反論できないようで、男は黙ったが彼らの顔が不満げに歪められているのが丸わかりだった。
ちょっともう、これどうするのよ。私またどこか宿探さなくちゃいけないの?
そう思ったときシャークが口を開いた。
「アイザック。お前はショーン爺さんのところへ行け。お前はこっちだ」
そうして連れて来られたのは一軒のどこにでもるようなあばら家で。
シャークが扉を叩くと、すぐに答えがあった。
「はいよ。今……ああ、あんたどこ行ってたのかと思ったよ」
出て来たのは愛想のいいどこにでもいるようなおばさんで、今私が世話になっている人だった。
そこで私の頭へ目を向けて軽く首を傾げる。
「染め粉でも使ったのかい? でもこっちの方も似合ってるじゃないかい」
その言葉にはシャークが言葉を濁して答えた。
「まあいろいろあってな。それより、もっとちゃんと見てくれないと困る。いつの間にか俺たちの店へ来てたんだが」
「ああ。済まないね。もう少し家事を手伝って貰う時間を増やそうか」
ちょっとそんなのごめんなんだけど!!
下位の男爵令嬢とはいえ、侍女はついていて身の回りの世話はして貰っていたのだ。
そんな市民の生活なんてできる訳ないじゃない!!
だからここへ来てから、自分はそういったことはしたこともないけれど、文字は読めるから、とまだマシな手紙書きとかしていたのに!!
「まあ若い娘は好奇心旺盛だというけれど、あの店に行くのはちょっとねぇ」
「だから見張っててくれ」
「あいよ。任せときな。これからはこの娘もきちんと家事を教えるからね」
「ああ。それと手紙の方もな」
二人の会話を聞いていた私は思わず顔を上げた。
「ちょっと、多いわよ!!」
「それだけの元気があれば充分できそうだな。じゃあ、リタ。頼んだ」
そう告げるとシャークは帰ってしまい、私はリタとその場に残された。
「さあ、頑張ろうか」
嫌よそんなの!!
心の叫びも虚しく私はリタに引っ張られて炊事場へ連れて行かれ、野菜の入った籠を渡されてしまう。
「パンは朝焼いたのがあるから、あんたはこれを洗っとくれ。ほら行った行った」
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