68 / 85
お父様のところで置き手紙について相談したらころちゃんが白い騎士の使い魔ではないかと言われて赤面しました
しおりを挟む
私は皆が起き出す時間になると、サーヤと騎士の案内でお父様の部屋にお邪魔したのだ。
「これはカーラ、どうした風の吹き回しなのだ? 私と朝食が食べたいなどとそなたが言い出してくれるとは思ってもいなかったぞ」
テーブルについているお父様はご機嫌だった。
「実はお父様に折り入ってご相談したいことがございまして」
私はお父様の前に席に座るなり、人払いをお願いした。
「どうしたのじゃ?」
お父様はいぶかしげに私を見つつも給仕を下げてくれた。
「実はお父様、朝起きたらこのような手紙が部屋におかれていたのです」
私は白い騎士の手紙をお父様に差し出した。
「なになに、『宰相反乱時、南の皇子頼れ。あなたの白い騎士より』じゃと!」
お父様は目を見開いていた。
「これが朝起きたら、机の上にありまして、どうしたものかと相談にあったのです」
私はお父様の目を見ていった。
「うーむ、ここに書かれている白い騎士とは何者なのじゃ」
お父様が誰何してきた。
「おそらく、破落戸どもに私が襲われた時に助けてくれた騎士様かと存じますが」
私が答えていた。
「そうか、カーラの命の恩人なのじゃな。その者がわざわざ教えてくれたのか?
しかし、宰相が反乱を起こすというのか?」
お父様は信じられないという顔をしていた。
「そういえばここ数日間王宮に顔を見せておらんの」
お父様が思い出したように言い出した。それはとても不吉な事だった。
宰相は家に籠もって反乱の準備を着々と整えているのかもしれない。
「陛下、お食事中失礼します」
そこに騎士団長が飛び込んできた。
「これはご歓談中でしたか」
騎士団長は私を見て慌てたようだったが、
「構わん、どうしたのだ?」
「それが、昨日の深夜にカーラ様の子犬を見つけて騎士達が捕まえようとしたのですが、逃げられたようで」
「ころちゃんをどこで見たのですか?」
私は驚いて聞いていた。
「中庭辺りです。フェルディナンド様の騎士が追いかけてくれていたので、こちらも捕まえようとしたのですが、逃げられまして」
騎士団長が申し訳なさそうに言いわけしてくれた。
「その後にこのようなものが残っておりました」
騎士団長が文字の書かれた紙を差し出した。
そこには
『宰相の反乱に注意 白い騎士より』
とでかでかと書かれていたのだ。
お父様が自分の持って来た紙と並べた。
「なんと同じ筆跡ですな。これはどちらで手に入れられたのですか?」
「カーラの部屋に置かれていたそうじゃ」
騎士団長の問いにお父様が答えてくれた。
「カーラ様の子犬は戻られましたか?」
「いえ、ころちゃんは朝から行方不明なのです」
騎士団長の問いに私は首を振った。
騎士団長の話を聞く限りはころちゃんが手紙を残したとしか考えられなかったが、手紙はどこから手に入れたんだろう?
私にはよく判らなかった。
「宰相が反乱を起こす準備をしていると思うか?」
お父様が騎士団長に確認したが、
「まさか、そのような大それた事をするとは思ってもしませんでしたが、ここ数日宰相閣下は風邪と称してお休みしておられるのは事実です」
騎士団長は腕組みしてくれた。
「カーラ様を襲った破落戸どもですが、どう考えても宰相の手のものと思われます。無理矢理、カーラ様を宰相の息子のところに連れて行って思いを遂げさせようとしたものと思われます。それがバレそうになって切羽詰まって反逆しようとしているのでしょうか?」
「かもしれん。そうか、ノース帝国が良からぬ企みで宰相を後ろから煽っておるかじゃ」
騎士団長の問いにお父様が答えられた。
「白い騎士と申すのはカーラ様を助けられた騎士様の事ですか」
「そのようじゃな。でも何故これほど我らに手を貸してくれるのかは判らぬが……カーラ、以前にどこかで白い騎士様にお会いしたことがあるのか?」
お父様が聞いてきたが、私は記憶には無かった。
「以前にお会いした記憶はございません」
私が正直に答えると
「そうか、会ったことはないのか」
お父様は腕組みして考えこんだ。
「後は、カーラの子犬がどう絡んでいるかじゃの」
「やはり白い騎士様ところちゃんは関係あるのでしょうか?」
私が聞くと
「それは確証はないが、いなくなったのはカーラの子犬だけみたいじゃからの。何らかの関係があるとみるしか無かろう」
お父様がしっかりとした口調で肯定してくれた。
「カーラ様の子犬が白い騎士の使い魔ということは考えられませんか」
「えっ、使い魔って魔術師が使役する魔物のようなものですか?」
思わず私は聞いていた。
「そうです。使い魔は手紙を届けたり、周りの情報を手に入れた入りするものと聞いたことがあります。我が国には使い魔を繰る魔術師はおりませんが、異国ならばいる可能性はあるかと。伝説の大魔術師が使い魔を使っていたとの記録もございます」
私は騎士団長の言葉を真っ赤になって聞いていた。
そんな、ころちゃんには子犬だと安心して、白い騎士様が大好きだと話してしまったでは無いか。ころちゃんが白い騎士様の使い魔だったら、私の白い騎士様への思いが全て騎士様に伝わっていることになる。
私はそう考えたら穴があったら入りたかった。
「これはカーラ、どうした風の吹き回しなのだ? 私と朝食が食べたいなどとそなたが言い出してくれるとは思ってもいなかったぞ」
テーブルについているお父様はご機嫌だった。
「実はお父様に折り入ってご相談したいことがございまして」
私はお父様の前に席に座るなり、人払いをお願いした。
「どうしたのじゃ?」
お父様はいぶかしげに私を見つつも給仕を下げてくれた。
「実はお父様、朝起きたらこのような手紙が部屋におかれていたのです」
私は白い騎士の手紙をお父様に差し出した。
「なになに、『宰相反乱時、南の皇子頼れ。あなたの白い騎士より』じゃと!」
お父様は目を見開いていた。
「これが朝起きたら、机の上にありまして、どうしたものかと相談にあったのです」
私はお父様の目を見ていった。
「うーむ、ここに書かれている白い騎士とは何者なのじゃ」
お父様が誰何してきた。
「おそらく、破落戸どもに私が襲われた時に助けてくれた騎士様かと存じますが」
私が答えていた。
「そうか、カーラの命の恩人なのじゃな。その者がわざわざ教えてくれたのか?
しかし、宰相が反乱を起こすというのか?」
お父様は信じられないという顔をしていた。
「そういえばここ数日間王宮に顔を見せておらんの」
お父様が思い出したように言い出した。それはとても不吉な事だった。
宰相は家に籠もって反乱の準備を着々と整えているのかもしれない。
「陛下、お食事中失礼します」
そこに騎士団長が飛び込んできた。
「これはご歓談中でしたか」
騎士団長は私を見て慌てたようだったが、
「構わん、どうしたのだ?」
「それが、昨日の深夜にカーラ様の子犬を見つけて騎士達が捕まえようとしたのですが、逃げられたようで」
「ころちゃんをどこで見たのですか?」
私は驚いて聞いていた。
「中庭辺りです。フェルディナンド様の騎士が追いかけてくれていたので、こちらも捕まえようとしたのですが、逃げられまして」
騎士団長が申し訳なさそうに言いわけしてくれた。
「その後にこのようなものが残っておりました」
騎士団長が文字の書かれた紙を差し出した。
そこには
『宰相の反乱に注意 白い騎士より』
とでかでかと書かれていたのだ。
お父様が自分の持って来た紙と並べた。
「なんと同じ筆跡ですな。これはどちらで手に入れられたのですか?」
「カーラの部屋に置かれていたそうじゃ」
騎士団長の問いにお父様が答えてくれた。
「カーラ様の子犬は戻られましたか?」
「いえ、ころちゃんは朝から行方不明なのです」
騎士団長の問いに私は首を振った。
騎士団長の話を聞く限りはころちゃんが手紙を残したとしか考えられなかったが、手紙はどこから手に入れたんだろう?
私にはよく判らなかった。
「宰相が反乱を起こす準備をしていると思うか?」
お父様が騎士団長に確認したが、
「まさか、そのような大それた事をするとは思ってもしませんでしたが、ここ数日宰相閣下は風邪と称してお休みしておられるのは事実です」
騎士団長は腕組みしてくれた。
「カーラ様を襲った破落戸どもですが、どう考えても宰相の手のものと思われます。無理矢理、カーラ様を宰相の息子のところに連れて行って思いを遂げさせようとしたものと思われます。それがバレそうになって切羽詰まって反逆しようとしているのでしょうか?」
「かもしれん。そうか、ノース帝国が良からぬ企みで宰相を後ろから煽っておるかじゃ」
騎士団長の問いにお父様が答えられた。
「白い騎士と申すのはカーラ様を助けられた騎士様の事ですか」
「そのようじゃな。でも何故これほど我らに手を貸してくれるのかは判らぬが……カーラ、以前にどこかで白い騎士様にお会いしたことがあるのか?」
お父様が聞いてきたが、私は記憶には無かった。
「以前にお会いした記憶はございません」
私が正直に答えると
「そうか、会ったことはないのか」
お父様は腕組みして考えこんだ。
「後は、カーラの子犬がどう絡んでいるかじゃの」
「やはり白い騎士様ところちゃんは関係あるのでしょうか?」
私が聞くと
「それは確証はないが、いなくなったのはカーラの子犬だけみたいじゃからの。何らかの関係があるとみるしか無かろう」
お父様がしっかりとした口調で肯定してくれた。
「カーラ様の子犬が白い騎士の使い魔ということは考えられませんか」
「えっ、使い魔って魔術師が使役する魔物のようなものですか?」
思わず私は聞いていた。
「そうです。使い魔は手紙を届けたり、周りの情報を手に入れた入りするものと聞いたことがあります。我が国には使い魔を繰る魔術師はおりませんが、異国ならばいる可能性はあるかと。伝説の大魔術師が使い魔を使っていたとの記録もございます」
私は騎士団長の言葉を真っ赤になって聞いていた。
そんな、ころちゃんには子犬だと安心して、白い騎士様が大好きだと話してしまったでは無いか。ころちゃんが白い騎士様の使い魔だったら、私の白い騎士様への思いが全て騎士様に伝わっていることになる。
私はそう考えたら穴があったら入りたかった。
13
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は反省しない!
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢リディス・アマリア・フォンテーヌは18歳の時に婚約者である王太子に婚約破棄を告げられる。その後馬車が事故に遭い、気づいたら神様を名乗る少年に16歳まで時を戻されていた。
性格を変えてまで王太子に気に入られようとは思わない。同じことを繰り返すのも馬鹿らしい。それならいっそ魔界で頂点に君臨し全ての国を支配下に置くというのが、良いかもしれない。リディスは決意する。魔界の皇子を私の美貌で虜にしてやろうと。
【完結】転生したぐうたら令嬢は王太子妃になんかになりたくない
金峯蓮華
恋愛
子供の頃から休みなく忙しくしていた貴子は公認会計士として独立するために会社を辞めた日に事故に遭い、死の間際に生まれ変わったらぐうたらしたい!と願った。気がついたら中世ヨーロッパのような世界の子供、ヴィヴィアンヌになっていた。何もしないお姫様のようなぐうたらライフを満喫していたが、突然、王太子に求婚された。王太子妃になんかなったらぐうたらできないじゃない!!ヴィヴィアンヌピンチ!
小説家になろうにも書いてます。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
【完結】後宮の片隅にいた王女を拾いましたが、才女すぎて妃にしたくなりました
藤原遊
恋愛
【溺愛・成長・政略・糖度高め】
※ヒーロー目線で進んでいきます。
王位継承権を放棄し、外交を司る第六王子ユーリ・サファイア・アレスト。
ある日、後宮の片隅でひっそりと暮らす少女――カティア・アゲート・アレストに出会う。
不遇の生まれながらも聡明で健気な少女を、ユーリは自らの正妃候補として引き取る決断を下す。
才能を開花させ成長していくカティア。
そして、次第に彼女を「妹」としてではなく「たった一人の妃」として深く愛していくユーリ。
立場も政略も超えた二人の絆が、やがて王宮の静かな波紋を生んでいく──。
「私はもう一人ではありませんわ、ユーリ」
「これからも、私の隣には君がいる」
甘く静かな後宮成長溺愛物語、ここに開幕。
【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!
永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手
ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。
だがしかし
フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。
貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。
折角転生したのに、婚約者が好きすぎて困ります!
たぬきち25番
恋愛
ある日私は乙女ゲームのヒロインのライバル令嬢キャメロンとして転生していた。
なんと私は最推しのディラン王子の婚約者として転生したのだ!!
幸せすぎる~~~♡
たとえ振られる運命だとしてもディラン様の笑顔のためにライバル令嬢頑張ります!!
※主人公は婚約者が好きすぎる残念女子です。
※気分転換に笑って頂けたら嬉しく思います。
短めのお話なので毎日更新
※糖度高めなので胸やけにご注意下さい。
※少しだけ塩分も含まれる箇所がございます。
《大変イチャイチャラブラブしてます!! 激甘、溺愛です!! お気を付け下さい!!》
※他サイト様にも公開始めました!
婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~
白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる