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第63話 ばーちゃんの錬金術と誠パーティの実力
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森林に入った途端、俺たちはトレントの集団に襲われた。
鞭のようにしなる枝を信也さんは盾で受け流し、光輝さんがバトルアックスで幹をへし折っている。5体に囲まれているというのに安定した戦いをしていて、息の合ったコンビネーションに感動すら覚えた。
ユミはミスラムを大盾に形を変えて、俺と圭子さんを守っている。信也さんほど完璧に受け流せてはいないから、たまに突破してくる枝もあるけど、最後の砦である誠が殴って軌道を変え、俺の絶刃で切り落としているから今のところ怪我はしていない。
「ああもう! 前回は出会わなかったのに、なんで襲ってくるのよっ!!」
圭子さんは闇魔法で斧を創り出してトレントに向けて放っているけど、枝が邪魔で本体の幹までたどり着かない。1体ならまだしも、全体で十を超える群れでは攻撃の手が足りないのだ。
何か使えそうなアイテムないかな。
マジックバッグを漁ってみる。音爆弾はトレント相手じゃ意味がない上に、他の魔物をおびき寄せてしまう。ドローン二号は偵察しかできないし、肉体強化ポーションは今使うにはもったいない。
ん? あ、これはどうだ。
ばーちゃんの倉庫から持ち出した、錬金術で作った除草剤の袋を手に持った。今回はトレントも出てくると知っていたので、一応入れておいたんだよね。
袋を破き、投げると、空中に白い粉が舞った。
ユミを攻撃していたトレントが一斉に後ろへ下がる。近づけないみたいだ。まるで結界に拒まれているような動きだった。
その隙を狙って誠が幹を殴りつけると、爆発音と共に真っ二つに割れる。あの威力は、破拳のスキルを使ったんだろう。前に見たときよりも威力が上がっている気がする。熟練度もしっかりと積み上げていそうだ。
「白い粉の在庫はあるか!?」
「たっぷりとね!」
「信也たちの方にも投げてくれ!」
適当に2袋ぐらい除草剤を投げると、白い粉が誠さんたちに降り注いだ。
攻撃をしていたトレントの枝は止まって、すぐ後退する。
やっぱり近づいては来ない。嫌がっているようだ。
「マスター、すごいです! トレントの攻撃が止まりました」
喜んでいるのはユミだけだ。誠たちは黙って俺を見ている。
「ダメなこと……しちゃった?」
責められているのかと思って思わず言ってしまったんだけど、どうやら違ったみたい。
みんな笑っていた。
「いやー! 天宮さんはすごいね! これはなんてアイテムなの?」
「除草剤だよ」
バトルアックスを肩に担いだ光輝さんの質問に応えると、驚いた顔をされてしまった。
「これも天宮さんがスキルで作ったの?」
「ううん。今回のは、ばーちゃん……俺の師匠が作ったのを持ってきた感じ」
「弟子が規格外なら、師匠もってか」
信也さんが腹を抱えて笑い出した。
ウケている理由がわからないんだけど、楽しんでもらえているのであればいいか。
除草剤を使うのが問題ないと分かり、マジックバッグから追加で1袋取り出す。
トレントが後ずさりすると、逃走してしまった。
除草剤への恐怖に負けたみたい。意識があるなら、多少なりとも感情を獲得したと思えば納得の行動でもあった。
「助かったわ~」
圭子さんが甘えた声を出して抱きつこうとしてきたんだけど、ユミが間に入って大盾で防いでしまった。
「あら、抜け目ないのね」
「マスターを守るのが私の仕事ですから」
お互いに顔を近づけて見つめ合っている。俺の知らない間に仲良くなったみたいだ。
ユミは友達がいなかったので、これを機に交流関係を広げてもらうのも手だな。圭子さんには期待しているよ!
「二人ともそこまでにしておけ。新手の魔物が来たぞ」
やや警戒した声で警告してくれた信也さんは、木々の奥を見ている。
俺も視線を向けると、人間の子供と同じサイズのカブトムシが羽を広げて、突進しているところであった。
あれはバーサーカー・ビートルだ。動けなくなるまで弾丸のように飛んでくることから、その名前がついた。
「あれとコミュニケーション取れそう?」
「狂気の精霊に魅入られて会話は不可能です!」
精霊であり、昆虫クイーンとして君臨しているユミが言うなら間違いないのだろう。
バーサーカー・ビートルが突進ばかりするのも、憑依した精霊の影響であれば納得がいく。
先陣が信也さんの大盾に当たると、スパイクに磔となって即死した。二匹目、三匹目の突進は死体がついた大盾で受け流されて、方向転換をして誠へ向かってしまう。
「うぉぉ! 破拳っ!」
タイミングを合わせてカウンターを入れたようだ。バーサーカー・ビートルの頭が次々と吹き飛んだ。
あんな恐ろしい攻撃に対して、目を閉じることなく殴りつけるなんてすごいよ。俺にはできない芸当だ。
圭子さんは闇魔法で斧を創り出して進路上に配置して迎撃し、光輝さんはバトルアックスで両断している。
不意の戦闘だったのにすぐ適応しており、ユミや俺は出遅れてやることがない。
襲ってきたバーサーカー・ビートルは、たった数分で全滅してしまった。
戦闘の安定感は抜群だ。誠たちが一流のパーティと呼ばれる理由がわかったよ。
鞭のようにしなる枝を信也さんは盾で受け流し、光輝さんがバトルアックスで幹をへし折っている。5体に囲まれているというのに安定した戦いをしていて、息の合ったコンビネーションに感動すら覚えた。
ユミはミスラムを大盾に形を変えて、俺と圭子さんを守っている。信也さんほど完璧に受け流せてはいないから、たまに突破してくる枝もあるけど、最後の砦である誠が殴って軌道を変え、俺の絶刃で切り落としているから今のところ怪我はしていない。
「ああもう! 前回は出会わなかったのに、なんで襲ってくるのよっ!!」
圭子さんは闇魔法で斧を創り出してトレントに向けて放っているけど、枝が邪魔で本体の幹までたどり着かない。1体ならまだしも、全体で十を超える群れでは攻撃の手が足りないのだ。
何か使えそうなアイテムないかな。
マジックバッグを漁ってみる。音爆弾はトレント相手じゃ意味がない上に、他の魔物をおびき寄せてしまう。ドローン二号は偵察しかできないし、肉体強化ポーションは今使うにはもったいない。
ん? あ、これはどうだ。
ばーちゃんの倉庫から持ち出した、錬金術で作った除草剤の袋を手に持った。今回はトレントも出てくると知っていたので、一応入れておいたんだよね。
袋を破き、投げると、空中に白い粉が舞った。
ユミを攻撃していたトレントが一斉に後ろへ下がる。近づけないみたいだ。まるで結界に拒まれているような動きだった。
その隙を狙って誠が幹を殴りつけると、爆発音と共に真っ二つに割れる。あの威力は、破拳のスキルを使ったんだろう。前に見たときよりも威力が上がっている気がする。熟練度もしっかりと積み上げていそうだ。
「白い粉の在庫はあるか!?」
「たっぷりとね!」
「信也たちの方にも投げてくれ!」
適当に2袋ぐらい除草剤を投げると、白い粉が誠さんたちに降り注いだ。
攻撃をしていたトレントの枝は止まって、すぐ後退する。
やっぱり近づいては来ない。嫌がっているようだ。
「マスター、すごいです! トレントの攻撃が止まりました」
喜んでいるのはユミだけだ。誠たちは黙って俺を見ている。
「ダメなこと……しちゃった?」
責められているのかと思って思わず言ってしまったんだけど、どうやら違ったみたい。
みんな笑っていた。
「いやー! 天宮さんはすごいね! これはなんてアイテムなの?」
「除草剤だよ」
バトルアックスを肩に担いだ光輝さんの質問に応えると、驚いた顔をされてしまった。
「これも天宮さんがスキルで作ったの?」
「ううん。今回のは、ばーちゃん……俺の師匠が作ったのを持ってきた感じ」
「弟子が規格外なら、師匠もってか」
信也さんが腹を抱えて笑い出した。
ウケている理由がわからないんだけど、楽しんでもらえているのであればいいか。
除草剤を使うのが問題ないと分かり、マジックバッグから追加で1袋取り出す。
トレントが後ずさりすると、逃走してしまった。
除草剤への恐怖に負けたみたい。意識があるなら、多少なりとも感情を獲得したと思えば納得の行動でもあった。
「助かったわ~」
圭子さんが甘えた声を出して抱きつこうとしてきたんだけど、ユミが間に入って大盾で防いでしまった。
「あら、抜け目ないのね」
「マスターを守るのが私の仕事ですから」
お互いに顔を近づけて見つめ合っている。俺の知らない間に仲良くなったみたいだ。
ユミは友達がいなかったので、これを機に交流関係を広げてもらうのも手だな。圭子さんには期待しているよ!
「二人ともそこまでにしておけ。新手の魔物が来たぞ」
やや警戒した声で警告してくれた信也さんは、木々の奥を見ている。
俺も視線を向けると、人間の子供と同じサイズのカブトムシが羽を広げて、突進しているところであった。
あれはバーサーカー・ビートルだ。動けなくなるまで弾丸のように飛んでくることから、その名前がついた。
「あれとコミュニケーション取れそう?」
「狂気の精霊に魅入られて会話は不可能です!」
精霊であり、昆虫クイーンとして君臨しているユミが言うなら間違いないのだろう。
バーサーカー・ビートルが突進ばかりするのも、憑依した精霊の影響であれば納得がいく。
先陣が信也さんの大盾に当たると、スパイクに磔となって即死した。二匹目、三匹目の突進は死体がついた大盾で受け流されて、方向転換をして誠へ向かってしまう。
「うぉぉ! 破拳っ!」
タイミングを合わせてカウンターを入れたようだ。バーサーカー・ビートルの頭が次々と吹き飛んだ。
あんな恐ろしい攻撃に対して、目を閉じることなく殴りつけるなんてすごいよ。俺にはできない芸当だ。
圭子さんは闇魔法で斧を創り出して進路上に配置して迎撃し、光輝さんはバトルアックスで両断している。
不意の戦闘だったのにすぐ適応しており、ユミや俺は出遅れてやることがない。
襲ってきたバーサーカー・ビートルは、たった数分で全滅してしまった。
戦闘の安定感は抜群だ。誠たちが一流のパーティと呼ばれる理由がわかったよ。
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