平凡な伯爵令嬢は平凡な結婚がしたいだけ……それすら贅沢なのですか!?

Hibah

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レオは家の中の異様さを見て、
「なんだ、取り込み中だったか? でも伯爵もオリバーも二人ともいてよかった……おっと! オリバー、帰るなよ」と言い、会釈して立ち去ろうとするオリバーを止めた。

オリバーはレオにひどくおびえていた。

父はレオの言葉を聞いて、そばに駆け寄り頭を下げた。
「レオ様、ようこそお越しくださいました。わたくしめにご用でしょうか?」

「裁判所からの書類は届いたか?」

「はい……今日届きました……。このたびは誠に申し訳ございませんでした」

「起きてしまったことはしかたない。ただあの裁判は、父上が勝手に手続きしたものなのだ」

「……と申されますと?」

「つまり、私は取り下げることもできる立場にある。私の裁判だからな。個人的には、伯爵の嘆願書と慰謝料で十分だと思っていたのだ」



母はレオがこう言った時点で大喜びしており、姉と抱きあっていた。



父はレオに尋ねた。
「お気持ち感謝いたします。では……裁判を取り下げる条件のようなものはあるのでしょうか?」

「ソフィアがあの事件から反省をし、オリバーとなにもなく過ごしていたことが知れればそれでよいと思っている」

父は姉のほうを一度見て、またレオに頭を下げた。
「はい、ソフィアはあの事件以来、自らの行いを反省する日々を過ごしておりました。家からほとんど出ることなく、オリバーとも関わっておりません。慎ましく暮らしていたのでございます」



やっぱり……
こんなふうにごまかすわけね。
一国の王子に嘘をついて、もしばれたときどうするのよ。



母と姉は父の言葉にうんうんとうなずき、膝を床につけて反省した顔をしている。

その様子を見たレオは、母と姉に問いかけた。
「伯爵が言っていることに間違いはないか?」

母は深く頭を下げた。
「主人の言うとおりでございます。娘が後悔しなかった日はございません。たまたま不運が重なっただけで、ソフィアはかわいそうな日々を過ごしておりました」

レオは母の発言を聞いてピリついたようだった。
「私と道中で会ったのが不運だったと……?」

母は焦って言い直した。
「いえいえ! めっそうもございません! 娘はただレオ様のことをずっとお慕い申し上げておりました。そのことをつつしんで申し上げたかっただけでございます」

続けて姉も発言した。
「レオ様……あの日、私に浮ついた気持ちがまったくなかったかといえば、嘘になるかもしれません。しかし今は、あの日を悔やみ反省し、ふしだならな行いなどなにひとつしておりません。そして今も……レオ様のことを愛しています」

まさに両親と姉の迫真の演技合戦だった。
姉はあえて自分の非を部分的に認めて謙虚アピールをしている。
オリバーも黙って聞いているけど、どんな気持ちなんだろう。



レオは最後に私を見て言った。
「ソフィアの妹のエミリーだな。両親と姉が言っていることに間違いはないか?」
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