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姉はオリバーの言葉に動揺していた。
「ど、どうしたのオリバー……オリバーらしくないよ。 あなたは宝石のようにキラキラしたものが大好きで、私のことを宝石のように大切にしてるって言ってくれてたじゃない?」
「お前なんか外見と財産があるだけの中身くそったれ女だよ。教養があっても性格がそんなんじゃむしろお荷物だな」
姉はわなわなと震えていた。
今までこういうキツい言葉をかけられたことがないから、信じられない気持ちでいっぱいなのだろう。
オリバーは続けて言った。
「王家の敵になったエバンズ家はもうおしまいだよ。仕事で世話になっていたから義理があったが、こんなになってはもう仕事もできないだろ。賠償金を支払い続けて終わりだな。エミリーとの婚約もなしだ。こんな家の娘と婚約したら俺の立場も危ない。ソフィア、お前とももう会わないぞ」
姉はぼろぼろと涙を流していた。
私は複雑な気持ちだった。姉がボロクソに言われてざまぁみろという気持ちと、これから私はエバンズ家でどのように暮らしていけばいいのかという不安が混ざっていた。オリバーも結局は姉との関係を断っておらず、私を騙していたわけだし、結果的には婚約がなくなってよかったのかもしれない。でも、エバンズ家には賠償金がある。私も街へ出て働かないといけないだろう。
「じゃあな、俺は忙しいから帰る」
オリバーは大きいため息をつきながら、玄関のほうを振り返り帰ろうとした。両親もなすすべがなく、ただただすべての気力を失っていて、見ていられないようなみじめさだった。
「オリバー……」
引き止めたいわけではなかった。そんな立派なものではなく、すがりつきたい、という感じだった。私との婚約を考え直してくれるなら、いつまでも待つのに。歩き始めている彼との距離は遠く、つぶやくようにして発した私の声は力なく目の前の床に落ちた。オリバーとの婚約はなくなった。残ったのは借金だけ……。
使用人がまるで最後の仕事かのように玄関を開けたとき、そこには一人の男性がいた。
「突然の訪問、失礼する」
信じられない……
玄関に立っていたのは、姉の元婚約者であり第三王子のレオだった。
「ど、どうしたのオリバー……オリバーらしくないよ。 あなたは宝石のようにキラキラしたものが大好きで、私のことを宝石のように大切にしてるって言ってくれてたじゃない?」
「お前なんか外見と財産があるだけの中身くそったれ女だよ。教養があっても性格がそんなんじゃむしろお荷物だな」
姉はわなわなと震えていた。
今までこういうキツい言葉をかけられたことがないから、信じられない気持ちでいっぱいなのだろう。
オリバーは続けて言った。
「王家の敵になったエバンズ家はもうおしまいだよ。仕事で世話になっていたから義理があったが、こんなになってはもう仕事もできないだろ。賠償金を支払い続けて終わりだな。エミリーとの婚約もなしだ。こんな家の娘と婚約したら俺の立場も危ない。ソフィア、お前とももう会わないぞ」
姉はぼろぼろと涙を流していた。
私は複雑な気持ちだった。姉がボロクソに言われてざまぁみろという気持ちと、これから私はエバンズ家でどのように暮らしていけばいいのかという不安が混ざっていた。オリバーも結局は姉との関係を断っておらず、私を騙していたわけだし、結果的には婚約がなくなってよかったのかもしれない。でも、エバンズ家には賠償金がある。私も街へ出て働かないといけないだろう。
「じゃあな、俺は忙しいから帰る」
オリバーは大きいため息をつきながら、玄関のほうを振り返り帰ろうとした。両親もなすすべがなく、ただただすべての気力を失っていて、見ていられないようなみじめさだった。
「オリバー……」
引き止めたいわけではなかった。そんな立派なものではなく、すがりつきたい、という感じだった。私との婚約を考え直してくれるなら、いつまでも待つのに。歩き始めている彼との距離は遠く、つぶやくようにして発した私の声は力なく目の前の床に落ちた。オリバーとの婚約はなくなった。残ったのは借金だけ……。
使用人がまるで最後の仕事かのように玄関を開けたとき、そこには一人の男性がいた。
「突然の訪問、失礼する」
信じられない……
玄関に立っていたのは、姉の元婚約者であり第三王子のレオだった。
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