3 / 15
3.もう聞いちゃったぞ?
しおりを挟む
なんで急に……ヴァソレリューズ様、こんなこと言い出したんだ?
僕を引き取ってもなんの意味もないどころか、ろくなことがないと思うのだが。
それどころか、今……か、監禁って言った??
僕がポカンとしていると、ヴァソレリューズ様は、慌てた様子で口元に手をやる。
「あ……ごめん。今の間違いだ。連れて行って監禁、じゃなくて、引き取ることになったから」
「…………」
……遅すぎるぞ……訂正するのが。
もう、監禁って聞いちゃったぞ?
か、監禁って……なんだ??
あ……もしかして「監禁」じゃなくて「換金」か。僕を引き取って、どこかで金に変える気なのかもしれない。
……あんまり高く売れないと思うぞ。僕。
本当に、一体どう言うつもりなんだ……
見上げると、彼と目があう。
いつか金と引き換えに追い出されるのかもしれないけど……この人の屋敷に行けるのは嬉しいかも……
って、何考えてるんだ。そんなことあるわけない!!
「あ、あの…………引き取るって、僕を……ですか?」
「うん」
即答された。
本当に、僕を連れて行くつもりなんだ。
なんでそんなことするんだ……?
呆然としているばかりの僕の手に、ヴァソレリューズ様が手を伸ばしてきて、僕にかけられた手枷の鎖を握る。するとそれは簡単に消えていった。
「あ…………」
嘘だろ……どんな魔力してるんだよ。あの手枷、魔法の手枷だぞ。かなり魔力も使っていて、ちょっととやそっとじゃ消えないはずなのに。それなのに、音もなくあの一瞬で枷を消すなんて。
もちろん、ヴァソレリューズ様の魔法の腕なら、僕も知っている。だって、よくこの城に来ている時に、話してくれた。
彼の一族の城には多くの魔法使いがいて、そこで新しい魔法の道具を作り出したり、魔法の研究を続けていたらしい。今は城から少し離れた屋敷で、魔法の道具の管理をしているとか。
あ……もしかして、それで僕を引き取ったのか? 屋敷にある魔法の道具を管理して欲しいのかもしれない。
だったら、そこに新しい魔法使いが来たら、僕はお払い箱? それは嫌だけど……
これからこの人の屋敷に行けるのは、やっぱり嬉しい。
「あ、あの…………ありがとうございます……」
「怪我はない?」
「はい……」
見上げたら、目があって、急に恥ずかしくなる。枷に触れるためだろうけど、彼はすぐ僕のそばにいる。
そっと目をそらそうとしたら、手を取られて、さっきまで枷をされていた手首に、唇で触れられた。
「ひっ…………っっ!!」
ほんの一瞬だけど、そこを舐められた気がする。だって、くすぐったかった。
な、なんでまた舐めるの!??
いつか「美味しそう」って言われたことを思い出す。
あれから同じことを言われたことはないけど……
…………き、気のせいだっ……舐められてなんかいない! 絶対そうだ!
もしかして、さっきの枷の魔力が残ってたのか? だ、だから舐めたんだよな!?? 絶対にそうだ! 魔力がほしくてそうしただけ……
さっきの「監禁」って言葉だって僕の勘違いだったし、全く僕は勘違いが多いな!!
ヴァソレリューズ様は満足したのか、舌なめずりをして、顔を上げる。美味しそうに舌を出す様に、ゾクっとした。
怖いと思ったのに…………心臓が高鳴るって…………何考えてるんだよ、僕。大貴族の魔法使い相手に。
そんな僕の内心になんて、全く気付言えないんだろう。彼は、いつもと全く変わらない様子で、にっこり微笑んだ。
「フェイヴェレルは、俺のところで魔法の道具の管理をしてくれれば良いから」
「あ………………」
やっぱりそうだ。
単に、精霊の魔力持ってる奴が欲しいだけ……
分かっていた。僕だって、そんなに馬鹿じゃない。僕がほしくて引き取ってくれた、なんて、全然思ってない。期待もしてない。
「……あ、あー…………で、でも…………知ってますよね? 僕、いつも失敗してばかりだし、お役に立てるとは思えません。あっ……と……やめておいた方がいいですよ」
と、心にもないことが口をついて出る。
期待して、それがすぐに砕けてなくなるのが辛いんだ。
だけど、そんな僕の思惑なんてあっさり破って彼は続ける。
「やめない。絶対に連れて行く」
「でも……」
「魔法の道具の管理なら、俺が教えてあげる。部屋も用意するよ。他にも必要なものは俺が用意するし、もちろん、ベッドも。添い寝もするよ」
「…………添い寝?」
「俺が」
「俺が??」
「あ、もちろん嫌なら断っていい。無理矢理はしないから」
「……」
何をだ。
こんなに訳のわからないことを言う人だったかな……
たまにびっくりするようなことをする人だったけど…………添い寝??
僕を引き取ってもなんの意味もないどころか、ろくなことがないと思うのだが。
それどころか、今……か、監禁って言った??
僕がポカンとしていると、ヴァソレリューズ様は、慌てた様子で口元に手をやる。
「あ……ごめん。今の間違いだ。連れて行って監禁、じゃなくて、引き取ることになったから」
「…………」
……遅すぎるぞ……訂正するのが。
もう、監禁って聞いちゃったぞ?
か、監禁って……なんだ??
あ……もしかして「監禁」じゃなくて「換金」か。僕を引き取って、どこかで金に変える気なのかもしれない。
……あんまり高く売れないと思うぞ。僕。
本当に、一体どう言うつもりなんだ……
見上げると、彼と目があう。
いつか金と引き換えに追い出されるのかもしれないけど……この人の屋敷に行けるのは嬉しいかも……
って、何考えてるんだ。そんなことあるわけない!!
「あ、あの…………引き取るって、僕を……ですか?」
「うん」
即答された。
本当に、僕を連れて行くつもりなんだ。
なんでそんなことするんだ……?
呆然としているばかりの僕の手に、ヴァソレリューズ様が手を伸ばしてきて、僕にかけられた手枷の鎖を握る。するとそれは簡単に消えていった。
「あ…………」
嘘だろ……どんな魔力してるんだよ。あの手枷、魔法の手枷だぞ。かなり魔力も使っていて、ちょっととやそっとじゃ消えないはずなのに。それなのに、音もなくあの一瞬で枷を消すなんて。
もちろん、ヴァソレリューズ様の魔法の腕なら、僕も知っている。だって、よくこの城に来ている時に、話してくれた。
彼の一族の城には多くの魔法使いがいて、そこで新しい魔法の道具を作り出したり、魔法の研究を続けていたらしい。今は城から少し離れた屋敷で、魔法の道具の管理をしているとか。
あ……もしかして、それで僕を引き取ったのか? 屋敷にある魔法の道具を管理して欲しいのかもしれない。
だったら、そこに新しい魔法使いが来たら、僕はお払い箱? それは嫌だけど……
これからこの人の屋敷に行けるのは、やっぱり嬉しい。
「あ、あの…………ありがとうございます……」
「怪我はない?」
「はい……」
見上げたら、目があって、急に恥ずかしくなる。枷に触れるためだろうけど、彼はすぐ僕のそばにいる。
そっと目をそらそうとしたら、手を取られて、さっきまで枷をされていた手首に、唇で触れられた。
「ひっ…………っっ!!」
ほんの一瞬だけど、そこを舐められた気がする。だって、くすぐったかった。
な、なんでまた舐めるの!??
いつか「美味しそう」って言われたことを思い出す。
あれから同じことを言われたことはないけど……
…………き、気のせいだっ……舐められてなんかいない! 絶対そうだ!
もしかして、さっきの枷の魔力が残ってたのか? だ、だから舐めたんだよな!?? 絶対にそうだ! 魔力がほしくてそうしただけ……
さっきの「監禁」って言葉だって僕の勘違いだったし、全く僕は勘違いが多いな!!
ヴァソレリューズ様は満足したのか、舌なめずりをして、顔を上げる。美味しそうに舌を出す様に、ゾクっとした。
怖いと思ったのに…………心臓が高鳴るって…………何考えてるんだよ、僕。大貴族の魔法使い相手に。
そんな僕の内心になんて、全く気付言えないんだろう。彼は、いつもと全く変わらない様子で、にっこり微笑んだ。
「フェイヴェレルは、俺のところで魔法の道具の管理をしてくれれば良いから」
「あ………………」
やっぱりそうだ。
単に、精霊の魔力持ってる奴が欲しいだけ……
分かっていた。僕だって、そんなに馬鹿じゃない。僕がほしくて引き取ってくれた、なんて、全然思ってない。期待もしてない。
「……あ、あー…………で、でも…………知ってますよね? 僕、いつも失敗してばかりだし、お役に立てるとは思えません。あっ……と……やめておいた方がいいですよ」
と、心にもないことが口をついて出る。
期待して、それがすぐに砕けてなくなるのが辛いんだ。
だけど、そんな僕の思惑なんてあっさり破って彼は続ける。
「やめない。絶対に連れて行く」
「でも……」
「魔法の道具の管理なら、俺が教えてあげる。部屋も用意するよ。他にも必要なものは俺が用意するし、もちろん、ベッドも。添い寝もするよ」
「…………添い寝?」
「俺が」
「俺が??」
「あ、もちろん嫌なら断っていい。無理矢理はしないから」
「……」
何をだ。
こんなに訳のわからないことを言う人だったかな……
たまにびっくりするようなことをする人だったけど…………添い寝??
55
あなたにおすすめの小説
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法
あと
BL
「よし!別れよう!」
元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子
昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。
攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。
……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。
pixivでも投稿しています。
攻め:九條隼人
受け:田辺光希
友人:石川優希
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグ整理します。ご了承ください。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
天使、養育中!
ユーリ
BL
紬はひょんなことから天使の子供を養育することとなった。しかもなぜか、付き合ってもいない同僚と天使の子を夫婦として育てることになり…?
「紬、家族になろう」優しいパパ×不器用なママ「僕はキミの奥さんになった覚えはないよ…」ーー「ボクはパパとママのむすこなのです!」無邪気な天使に振り回される!
王宮魔術師オメガは、魔力暴走した王子殿下を救いたい
こたま
BL
伯爵家次男のオメガで魔術師のリンは変わり者として知られている。素顔を見たものは少なく、魔力は多いが魔力の種類が未確定。いつも何か新しい魔道具を作っている。ある時、魔物が現れ、その魔術攻撃を浴びた幼馴染のアルファ王子クリスが魔力暴走を起こしてしまった。リンはクリスを救おうと奔走するが、治癒の為には…。ハッピーエンドオメガバース、魔法ありの異世界BLです。
待て、妊活より婚活が先だ!
檸なっつ
BL
俺の自慢のバディのシオンは実は伯爵家嫡男だったらしい。
両親を亡くしている孤独なシオンに日頃から婚活を勧めていた俺だが、いよいよシオンは伯爵家を継ぐために結婚しないといけなくなった。よし、お前のためなら俺はなんだって協力するよ!
……って、え?? どこでどうなったのかシオンは婚活をすっ飛ばして妊活をし始める。……なんで相手が俺なんだよ!
**ムーンライトノベルにも掲載しております**
記憶喪失になったら弟の恋人になった
天霧 ロウ
BL
ギウリは種違いの弟であるトラドのことが性的に好きだ。そして酔ったフリの勢いでトラドにキスをしてしまった。とっさにごまかしたものの気まずい雰囲気になり、それ以来、ギウリはトラドを避けるような生活をしていた。
そんなある日、酒を飲んだ帰りに路地裏で老婆から「忘れたい記憶を消せる薬を売るよ」と言われる。半信半疑で買ったギウリは家に帰るとその薬を飲み干し意識を失った。
そして目覚めたときには自分の名前以外なにも覚えていなかった。
見覚えのない場所に戸惑っていれば、トラドが訪れた末に「俺たちは兄弟だけど、恋人なの忘れたのか?」と寂しそうに告げてきたのだった。
トラド×ギウリ
(ファンタジー/弟×兄/魔物×半魔/ブラコン×鈍感/両片思い/溺愛/人外/記憶喪失/カントボーイ/ハッピーエンド/お人好し受/甘々/腹黒攻/美形×地味)
中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと
mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36)
低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。
諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。
冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。
その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。
語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる