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18.もう少し離れろ!
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王子殿下と砦を出発してから一日経った深夜の頃。僕と殿下は、王城まで来ていた。
殿下が帰ってきたとなれば、正面玄関から迎えられるものなんだろうが、僕らはこっそり忍び込んだ。
そして、誰にも見つからないように照明もつけずに、暗い廊下を殿下と二人でコソコソ歩く。
殿下の従者の方々には違う貴族のところに向かってもらったから、ここには僕と殿下だけ。
ついでに、廊下を歩きながら警戒しているのも、僕だけの気がするんだが。
だって、誰にも見つからないように足音を殺して歩かなきゃならないのに、殿下はやけに僕に近づいて歩いている。もう少し離れて歩けと言っても聞かない。腰に手を回す必要はないだろう!
「…………もう少し、離れて歩いてもらえませんか?」
「せっかく二人で歩いてるんだよ? 少しでもそばにいたいじゃん」
「…………」
殿下はずっとこの調子だ。なんなんだよ……婚約だって、本気らしい。
王子がいきなり、王城を追放された嫌われ者の僕に求婚って…………どうかしている。それも何回も言ったけど、やっぱり王子は聞いていない。
「すぐに婚約を発表しようと思うんだけど…………場所はここでいい?」
「発表しないでください!! 僕は婚約なんてしないっ…………それに、誰が認めるんですか!! 有力貴族たちの反対にあって嫌がらせされても知りませんよ!」
「心配しなくても、もう二度と、そんなことさせないよ」
「…………それより先に、結界の魔法の道具を探しましょう。僕らはそのために来たんです」
「……そうだったね。でも…………結界の魔法の道具…………本当にここにあるの?」
「ウィクレンクト様は何にも話してくれなかったけど、それは逆に、そうまでして庇わなければならない相手に頼まれたと言うことです。必ずあるはずですよ」
ウィクレンクト様には、何を聞いても、まともな返事がもらえなかったけど、最初から絶対に、ろくな返事なんて返ってこないと思っていた。
だから殿下に、今、第一王子殿下と第二王子殿下が距離を置いている貴族の名前を聞いたら、だいたい想像できた。
恐らく、ウィクレンクト様にあんなせこいことを命じたのは、王城で大臣をしている有力貴族だ。正直、殿下に話を聞く前から、なんとなく、そうじゃないかなーーって思っていた。
だけど、あんまり会いたくないんだよな……だって、僕のことを心底嫌っている人だ。
とはいえ、放っておくわけにもいかない。あの人が相手なら、僕らが行って尋ねたところで、多分無視されるだろう。だけど、結界の維持のためにも、結界の魔法の道具は、早く取り返した方がいい。さっさと探し出してしまおう。
殿下は、僕に振り向いて言った。
「道具がある場所、検討はつく?」
「多分、王城の奥にある、魔法の道具を管理している部屋でしょうね……」
「じゃあ、早速探し出そう!」
そう言って、殿下が僕にキスをする。こいつは真面目にやっているのか。
こんな風にキスされることが、ここに来るまでに何回あっただろう。殿下は本当に、僕を離してくれる気がないらしい。ちゅっと、何度も音がするくらいに繰り返しキスされて、力が抜けてしまいそう。
だけど、本当はこんなこと、している場合じゃない。
僕は殿下を押し退けて、廊下を歩いた。早く結界の魔法の道具を探さなきゃならないんだから。
殿下が帰ってきたとなれば、正面玄関から迎えられるものなんだろうが、僕らはこっそり忍び込んだ。
そして、誰にも見つからないように照明もつけずに、暗い廊下を殿下と二人でコソコソ歩く。
殿下の従者の方々には違う貴族のところに向かってもらったから、ここには僕と殿下だけ。
ついでに、廊下を歩きながら警戒しているのも、僕だけの気がするんだが。
だって、誰にも見つからないように足音を殺して歩かなきゃならないのに、殿下はやけに僕に近づいて歩いている。もう少し離れて歩けと言っても聞かない。腰に手を回す必要はないだろう!
「…………もう少し、離れて歩いてもらえませんか?」
「せっかく二人で歩いてるんだよ? 少しでもそばにいたいじゃん」
「…………」
殿下はずっとこの調子だ。なんなんだよ……婚約だって、本気らしい。
王子がいきなり、王城を追放された嫌われ者の僕に求婚って…………どうかしている。それも何回も言ったけど、やっぱり王子は聞いていない。
「すぐに婚約を発表しようと思うんだけど…………場所はここでいい?」
「発表しないでください!! 僕は婚約なんてしないっ…………それに、誰が認めるんですか!! 有力貴族たちの反対にあって嫌がらせされても知りませんよ!」
「心配しなくても、もう二度と、そんなことさせないよ」
「…………それより先に、結界の魔法の道具を探しましょう。僕らはそのために来たんです」
「……そうだったね。でも…………結界の魔法の道具…………本当にここにあるの?」
「ウィクレンクト様は何にも話してくれなかったけど、それは逆に、そうまでして庇わなければならない相手に頼まれたと言うことです。必ずあるはずですよ」
ウィクレンクト様には、何を聞いても、まともな返事がもらえなかったけど、最初から絶対に、ろくな返事なんて返ってこないと思っていた。
だから殿下に、今、第一王子殿下と第二王子殿下が距離を置いている貴族の名前を聞いたら、だいたい想像できた。
恐らく、ウィクレンクト様にあんなせこいことを命じたのは、王城で大臣をしている有力貴族だ。正直、殿下に話を聞く前から、なんとなく、そうじゃないかなーーって思っていた。
だけど、あんまり会いたくないんだよな……だって、僕のことを心底嫌っている人だ。
とはいえ、放っておくわけにもいかない。あの人が相手なら、僕らが行って尋ねたところで、多分無視されるだろう。だけど、結界の維持のためにも、結界の魔法の道具は、早く取り返した方がいい。さっさと探し出してしまおう。
殿下は、僕に振り向いて言った。
「道具がある場所、検討はつく?」
「多分、王城の奥にある、魔法の道具を管理している部屋でしょうね……」
「じゃあ、早速探し出そう!」
そう言って、殿下が僕にキスをする。こいつは真面目にやっているのか。
こんな風にキスされることが、ここに来るまでに何回あっただろう。殿下は本当に、僕を離してくれる気がないらしい。ちゅっと、何度も音がするくらいに繰り返しキスされて、力が抜けてしまいそう。
だけど、本当はこんなこと、している場合じゃない。
僕は殿下を押し退けて、廊下を歩いた。早く結界の魔法の道具を探さなきゃならないんだから。
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