7 / 13
07:接続
しおりを挟む
「勇者は、信仰者が多ければ多いほど神からの恩恵を受けれるんだ。だから、今ジェミニ様の信仰者は四人しかいない。……恩恵は受けれない状態なんだ」
……なんだよ、そんなことか。
「そんなことか。どんなことを暴露されるのかと思ってビックリしたぁ」
ちんこがないとか言われるんじゃないかと思ってびっくりしたぁ。
「お、恩恵を受けれないんだぞ? さっきは勝てたとしても次は……」
「――大丈夫だ。恩恵なんてなくても俺は勝つ。俺は勇者なんだから」
一回目の時に俺自身に言い聞かせていた言葉。
俺は勇者なんだから、絶対に負けない。
一回目は自分を奮い立たせるための言葉だった。だけど今は他のみんなを安心させる言葉へと変わった。
「……あぁ、君は勇者だ」
「そうだろ? だから国が崩壊していてもここから始めればいい。遅すぎるなんてことは絶対にないんだからな」
「あぁ……!」
勇者はみんなを奮い立たせ、みんなの前に立つ存在だ。
一回目では一人の辛さを知った。
二回目では仲間の大切さを知った。
三回目は国の大切さを知った。
四回目は世界のすごさを知った。
俺の今までの経験は無駄ではなく積み重なって五回目がある。
だから呼ばれたからには全力で勇者をする。それが勇者だ。
「……あなたは……?」
そしてずっと治療を続けていたアストリッドのお母さんが目を覚ました。
「お母様!」
「アスタ……無事だったのね」
アストリッドは女性に抱き着いた。
凛としている女性だったがこういう一面があるのだな。まあまだ二十歳になっているかいないかくらいだからしょうがないか。
「あなたは……勇者様ですか?」
「そうだ。星宮勇輝、アストリッドとあなたが呼んだ勇者だ」
「そうですか……来てくださって本当にありがとうございます。私はディディミで女王をしております、カストル四十三世です」
カストル四十三世は長い赤髪をポニーテールにしている女王の品格がある落ち着いた女性だった。
アストリッドの母親だというのにもかかわらず若く見える。
しかもそれでいて色気があると来たものだから三十代にしか見えない。
「早く来れないで悪い。そのせいでこの国は崩壊してしまった」
言っておかなければいけないことをカストルに向けて言う。
「いいえ、ユーキ様が謝ることではありません。それはひとえにこの国の実力不足にあるのです」
「それでもだ。俺が来たからには勇者として最善を尽くして国を建て直す」
「心強いお言葉ありがとうございます。そのお言葉に甘えさせていただきます」
「あぁ、任せておけ」
そのために俺が来たのだから。
「アスタ、勇者様はすでに女神像に接続されているのですか?」
「いや、まだです。今から私が説明しますのでお母様は休んでいてください」
「えぇ、そうします」
この親子、敬語なんだな。
「ユーキ、こっちに来てくれ」
「あぁ」
俺はアストリッドに案内され女神像の前に立つ。
「ここにある女神像に手を当てればこの国の加護とユーキが繋がるようになっている」
「ほぉ」
こういうのは初めて見た。世界によって世界の形式は違うが、この世界のは少し特殊だな。
「繋がればユーキの強さが信仰者にプラスされる」
「そんなことが可能なのか?」
「さすがにそのままプラスされるわけではないらしい。ただ勇者が強くなればなるほど、その国も強くなるとされている」
「……神と国民と勇者。この三つが上手く機能しているんだな」
「そうだ。神の力は勇者にしか使えない。勇者の力は国民を強くする。国民の多さは神の力になる。この三竦みが闇の者に対抗するために必要となってくる」
へぇ、なるほどね。今は信仰者が二人しかいないから神の力が弱まっている状態か。ただそこを俺の強さがあれば何とかなりそうだな。
俺は二柱の女神が挟んでいる石に手を触れた。
その瞬間、莫大な力の波動が女神像から広がった。
『ディディミのジェミニ像に接続完了しました』
『<ディディミのジェミニ像>
接続者:星宮勇輝』
『ジェミニと本契約を交わしたことでジェミニの情報が解禁されました』
『<双星の女神・ジェミニ>
勇者:星宮勇輝
信仰者:4人
信仰Lv1』
波動が広がったと同時に色々と情報が出てきた。
「こ、この力は!?」
「凄まじい力です……!」
さらに波動は二人にも及び、俺の力が二人にバフをかけている。
今までの四回分の異世界召喚で培った力が二人にバフをかけているんだ。それはとてつもない力になるはずだ。
「この力に、戦いに慣れている様子……君は、誰なんだ?」
アストリッドにもう一度同じ質問が来たから俺は答える。
「今まで四度、異世界をめぐって世界を救ってきた勇者だよ」
……なんだよ、そんなことか。
「そんなことか。どんなことを暴露されるのかと思ってビックリしたぁ」
ちんこがないとか言われるんじゃないかと思ってびっくりしたぁ。
「お、恩恵を受けれないんだぞ? さっきは勝てたとしても次は……」
「――大丈夫だ。恩恵なんてなくても俺は勝つ。俺は勇者なんだから」
一回目の時に俺自身に言い聞かせていた言葉。
俺は勇者なんだから、絶対に負けない。
一回目は自分を奮い立たせるための言葉だった。だけど今は他のみんなを安心させる言葉へと変わった。
「……あぁ、君は勇者だ」
「そうだろ? だから国が崩壊していてもここから始めればいい。遅すぎるなんてことは絶対にないんだからな」
「あぁ……!」
勇者はみんなを奮い立たせ、みんなの前に立つ存在だ。
一回目では一人の辛さを知った。
二回目では仲間の大切さを知った。
三回目は国の大切さを知った。
四回目は世界のすごさを知った。
俺の今までの経験は無駄ではなく積み重なって五回目がある。
だから呼ばれたからには全力で勇者をする。それが勇者だ。
「……あなたは……?」
そしてずっと治療を続けていたアストリッドのお母さんが目を覚ました。
「お母様!」
「アスタ……無事だったのね」
アストリッドは女性に抱き着いた。
凛としている女性だったがこういう一面があるのだな。まあまだ二十歳になっているかいないかくらいだからしょうがないか。
「あなたは……勇者様ですか?」
「そうだ。星宮勇輝、アストリッドとあなたが呼んだ勇者だ」
「そうですか……来てくださって本当にありがとうございます。私はディディミで女王をしております、カストル四十三世です」
カストル四十三世は長い赤髪をポニーテールにしている女王の品格がある落ち着いた女性だった。
アストリッドの母親だというのにもかかわらず若く見える。
しかもそれでいて色気があると来たものだから三十代にしか見えない。
「早く来れないで悪い。そのせいでこの国は崩壊してしまった」
言っておかなければいけないことをカストルに向けて言う。
「いいえ、ユーキ様が謝ることではありません。それはひとえにこの国の実力不足にあるのです」
「それでもだ。俺が来たからには勇者として最善を尽くして国を建て直す」
「心強いお言葉ありがとうございます。そのお言葉に甘えさせていただきます」
「あぁ、任せておけ」
そのために俺が来たのだから。
「アスタ、勇者様はすでに女神像に接続されているのですか?」
「いや、まだです。今から私が説明しますのでお母様は休んでいてください」
「えぇ、そうします」
この親子、敬語なんだな。
「ユーキ、こっちに来てくれ」
「あぁ」
俺はアストリッドに案内され女神像の前に立つ。
「ここにある女神像に手を当てればこの国の加護とユーキが繋がるようになっている」
「ほぉ」
こういうのは初めて見た。世界によって世界の形式は違うが、この世界のは少し特殊だな。
「繋がればユーキの強さが信仰者にプラスされる」
「そんなことが可能なのか?」
「さすがにそのままプラスされるわけではないらしい。ただ勇者が強くなればなるほど、その国も強くなるとされている」
「……神と国民と勇者。この三つが上手く機能しているんだな」
「そうだ。神の力は勇者にしか使えない。勇者の力は国民を強くする。国民の多さは神の力になる。この三竦みが闇の者に対抗するために必要となってくる」
へぇ、なるほどね。今は信仰者が二人しかいないから神の力が弱まっている状態か。ただそこを俺の強さがあれば何とかなりそうだな。
俺は二柱の女神が挟んでいる石に手を触れた。
その瞬間、莫大な力の波動が女神像から広がった。
『ディディミのジェミニ像に接続完了しました』
『<ディディミのジェミニ像>
接続者:星宮勇輝』
『ジェミニと本契約を交わしたことでジェミニの情報が解禁されました』
『<双星の女神・ジェミニ>
勇者:星宮勇輝
信仰者:4人
信仰Lv1』
波動が広がったと同時に色々と情報が出てきた。
「こ、この力は!?」
「凄まじい力です……!」
さらに波動は二人にも及び、俺の力が二人にバフをかけている。
今までの四回分の異世界召喚で培った力が二人にバフをかけているんだ。それはとてつもない力になるはずだ。
「この力に、戦いに慣れている様子……君は、誰なんだ?」
アストリッドにもう一度同じ質問が来たから俺は答える。
「今まで四度、異世界をめぐって世界を救ってきた勇者だよ」
1
あなたにおすすめの小説
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編(の予定)。
-----
※小説家になろう様にも掲載中。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる