異世界召喚はもう勘弁してください。~五度目の異世界召喚は国の再興からスタートです~

山椒

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「……なるほど、それなら今までのことに納得できます」

 俺の言葉に最初に反応したのはカストルだった。

「召喚にかかった時間はもはや神を召喚するほどの規模になっていました。さらにこのプラスされる力は疑いようがありません」
「そうですね、お母様。……まさか、ここまで力があがるとは思いませんでした」

 俺の力は強くなった勇者四人分だからな。一人分でも強くなると分かるのだから四人分だとなおさらだ。

「これなら周りの闇のモンスターを倒すことができます」
「アスタ、いけません。今は無理は禁物です」
「しかし……」
「アストリッド、休んでおけ。疲労が隠せていないぞ」

 無理をしようとするアストリッドを俺とカストルが止める。

「だが、力があふれているんだ。ユーキの力で疲れがないように思えてくる」

 今の段階で本契約をしたのは間違いだったかもしれないな。

 このままアストリッドのやりたいようにしてもらってもいいが、これからもっと働いてもらうことになるかもしれないんだ。

 だからここは眠らせる方向で行こう。

「アスタ、眠れないのなら私が膝枕をしてあげますよ」
「お母様! 私はもうそんな子供ではありません!」
「それなら素直に寝なさい」
「しかし……!」

 さっきアストリッドにこの武器のことについて聞いた。

 変幻自在に変えることができるが、強いイメージを持つか他のジェミニの武器がなければ変えることができないと。

 それなら俺が今まで使ってきた武器はかなり強いイメージを持っている。

 剣に本に腕輪に槍。その中で使うのは<万象の書>だ。あの中にはできないことはないと言われているくらいの魔法が書かれている。

 俺は強いイメージを持ち、手に持った双剣を本に変えるイメージを押し出した。

「うお、二冊になった」

 俺の左右の手には一冊ずつ本があった。しかもどちらも万象の書だ。

『<万象の書>が解放されました』

 おっ、この世界じゃないものだから名前が出ないかと思ったがちゃんと出てきたな。

「ユーキ、その本は……」
「これは俺が前の世界で持っていた伝説の武器だ。うまく変えることができてよかった」
「さすが、異世界を救った勇者様です。早速使いこなすようになるとは」
「二冊もいらないけどな」
「それならば<双星>のスキルで片方ずつで変えることができる項目があると聞いています」
「おぉ、それは見てみよう。でも今は」

 左手に持っている開けば俺が最後まで解放した万象の書だった。

 念じればすぐに最初あたりのページが勝手に開いた。

「アストリッド、眠っておけ」
「まだ――」
「イプノス」

 俺の魔法をかけられたアストリッドは寝落ちしたかのように目を閉じて倒れるから受け止めた。

「眠らせたのですか?」
「そうだ。ここで無理をされても困るからな」
「ありがとうございます。来てくださったのがユーキ様でよかったです」
「そうだろ? 存分に頼ってくれ」

 俺じゃなければこの状況にはならなかっただろうが、そんなことを考えても仕方がない。

 今はこれから何をするべきかを考えるだけだ。
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