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「勇者は、信仰者が多ければ多いほど神からの恩恵を受けれるんだ。だから、今ジェミニ様の信仰者は四人しかいない。……恩恵は受けれない状態なんだ」
……なんだよ、そんなことか。
「そんなことか。どんなことを暴露されるのかと思ってビックリしたぁ」
ちんこがないとか言われるんじゃないかと思ってびっくりしたぁ。
「お、恩恵を受けれないんだぞ? さっきは勝てたとしても次は……」
「――大丈夫だ。恩恵なんてなくても俺は勝つ。俺は勇者なんだから」
一回目の時に俺自身に言い聞かせていた言葉。
俺は勇者なんだから、絶対に負けない。
一回目は自分を奮い立たせるための言葉だった。だけど今は他のみんなを安心させる言葉へと変わった。
「……あぁ、君は勇者だ」
「そうだろ? だから国が崩壊していてもここから始めればいい。遅すぎるなんてことは絶対にないんだからな」
「あぁ……!」
勇者はみんなを奮い立たせ、みんなの前に立つ存在だ。
一回目では一人の辛さを知った。
二回目では仲間の大切さを知った。
三回目は国の大切さを知った。
四回目は世界のすごさを知った。
俺の今までの経験は無駄ではなく積み重なって五回目がある。
だから呼ばれたからには全力で勇者をする。それが勇者だ。
「……あなたは……?」
そしてずっと治療を続けていたアストリッドのお母さんが目を覚ました。
「お母様!」
「アスタ……無事だったのね」
アストリッドは女性に抱き着いた。
凛としている女性だったがこういう一面があるのだな。まあまだ二十歳になっているかいないかくらいだからしょうがないか。
「あなたは……勇者様ですか?」
「そうだ。星宮勇輝、アストリッドとあなたが呼んだ勇者だ」
「そうですか……来てくださって本当にありがとうございます。私はディディミで女王をしております、カストル四十三世です」
カストル四十三世は長い赤髪をポニーテールにしている女王の品格がある落ち着いた女性だった。
アストリッドの母親だというのにもかかわらず若く見える。
しかもそれでいて色気があると来たものだから三十代にしか見えない。
「早く来れないで悪い。そのせいでこの国は崩壊してしまった」
言っておかなければいけないことをカストルに向けて言う。
「いいえ、ユーキ様が謝ることではありません。それはひとえにこの国の実力不足にあるのです」
「それでもだ。俺が来たからには勇者として最善を尽くして国を建て直す」
「心強いお言葉ありがとうございます。そのお言葉に甘えさせていただきます」
「あぁ、任せておけ」
そのために俺が来たのだから。
「アスタ、勇者様はすでに女神像に接続されているのですか?」
「いや、まだです。今から私が説明しますのでお母様は休んでいてください」
「えぇ、そうします」
この親子、敬語なんだな。
「ユーキ、こっちに来てくれ」
「あぁ」
俺はアストリッドに案内され女神像の前に立つ。
「ここにある女神像に手を当てればこの国の加護とユーキが繋がるようになっている」
「ほぉ」
こういうのは初めて見た。世界によって世界の形式は違うが、この世界のは少し特殊だな。
「繋がればユーキの強さが信仰者にプラスされる」
「そんなことが可能なのか?」
「さすがにそのままプラスされるわけではないらしい。ただ勇者が強くなればなるほど、その国も強くなるとされている」
「……神と国民と勇者。この三つが上手く機能しているんだな」
「そうだ。神の力は勇者にしか使えない。勇者の力は国民を強くする。国民の多さは神の力になる。この三竦みが闇の者に対抗するために必要となってくる」
へぇ、なるほどね。今は信仰者が二人しかいないから神の力が弱まっている状態か。ただそこを俺の強さがあれば何とかなりそうだな。
俺は二柱の女神が挟んでいる石に手を触れた。
その瞬間、莫大な力の波動が女神像から広がった。
『ディディミのジェミニ像に接続完了しました』
『<ディディミのジェミニ像>
接続者:星宮勇輝』
『ジェミニと本契約を交わしたことでジェミニの情報が解禁されました』
『<双星の女神・ジェミニ>
勇者:星宮勇輝
信仰者:4人
信仰Lv1』
波動が広がったと同時に色々と情報が出てきた。
「こ、この力は!?」
「凄まじい力です……!」
さらに波動は二人にも及び、俺の力が二人にバフをかけている。
今までの四回分の異世界召喚で培った力が二人にバフをかけているんだ。それはとてつもない力になるはずだ。
「この力に、戦いに慣れている様子……君は、誰なんだ?」
アストリッドにもう一度同じ質問が来たから俺は答える。
「今まで四度、異世界をめぐって世界を救ってきた勇者だよ」
……なんだよ、そんなことか。
「そんなことか。どんなことを暴露されるのかと思ってビックリしたぁ」
ちんこがないとか言われるんじゃないかと思ってびっくりしたぁ。
「お、恩恵を受けれないんだぞ? さっきは勝てたとしても次は……」
「――大丈夫だ。恩恵なんてなくても俺は勝つ。俺は勇者なんだから」
一回目の時に俺自身に言い聞かせていた言葉。
俺は勇者なんだから、絶対に負けない。
一回目は自分を奮い立たせるための言葉だった。だけど今は他のみんなを安心させる言葉へと変わった。
「……あぁ、君は勇者だ」
「そうだろ? だから国が崩壊していてもここから始めればいい。遅すぎるなんてことは絶対にないんだからな」
「あぁ……!」
勇者はみんなを奮い立たせ、みんなの前に立つ存在だ。
一回目では一人の辛さを知った。
二回目では仲間の大切さを知った。
三回目は国の大切さを知った。
四回目は世界のすごさを知った。
俺の今までの経験は無駄ではなく積み重なって五回目がある。
だから呼ばれたからには全力で勇者をする。それが勇者だ。
「……あなたは……?」
そしてずっと治療を続けていたアストリッドのお母さんが目を覚ました。
「お母様!」
「アスタ……無事だったのね」
アストリッドは女性に抱き着いた。
凛としている女性だったがこういう一面があるのだな。まあまだ二十歳になっているかいないかくらいだからしょうがないか。
「あなたは……勇者様ですか?」
「そうだ。星宮勇輝、アストリッドとあなたが呼んだ勇者だ」
「そうですか……来てくださって本当にありがとうございます。私はディディミで女王をしております、カストル四十三世です」
カストル四十三世は長い赤髪をポニーテールにしている女王の品格がある落ち着いた女性だった。
アストリッドの母親だというのにもかかわらず若く見える。
しかもそれでいて色気があると来たものだから三十代にしか見えない。
「早く来れないで悪い。そのせいでこの国は崩壊してしまった」
言っておかなければいけないことをカストルに向けて言う。
「いいえ、ユーキ様が謝ることではありません。それはひとえにこの国の実力不足にあるのです」
「それでもだ。俺が来たからには勇者として最善を尽くして国を建て直す」
「心強いお言葉ありがとうございます。そのお言葉に甘えさせていただきます」
「あぁ、任せておけ」
そのために俺が来たのだから。
「アスタ、勇者様はすでに女神像に接続されているのですか?」
「いや、まだです。今から私が説明しますのでお母様は休んでいてください」
「えぇ、そうします」
この親子、敬語なんだな。
「ユーキ、こっちに来てくれ」
「あぁ」
俺はアストリッドに案内され女神像の前に立つ。
「ここにある女神像に手を当てればこの国の加護とユーキが繋がるようになっている」
「ほぉ」
こういうのは初めて見た。世界によって世界の形式は違うが、この世界のは少し特殊だな。
「繋がればユーキの強さが信仰者にプラスされる」
「そんなことが可能なのか?」
「さすがにそのままプラスされるわけではないらしい。ただ勇者が強くなればなるほど、その国も強くなるとされている」
「……神と国民と勇者。この三つが上手く機能しているんだな」
「そうだ。神の力は勇者にしか使えない。勇者の力は国民を強くする。国民の多さは神の力になる。この三竦みが闇の者に対抗するために必要となってくる」
へぇ、なるほどね。今は信仰者が二人しかいないから神の力が弱まっている状態か。ただそこを俺の強さがあれば何とかなりそうだな。
俺は二柱の女神が挟んでいる石に手を触れた。
その瞬間、莫大な力の波動が女神像から広がった。
『ディディミのジェミニ像に接続完了しました』
『<ディディミのジェミニ像>
接続者:星宮勇輝』
『ジェミニと本契約を交わしたことでジェミニの情報が解禁されました』
『<双星の女神・ジェミニ>
勇者:星宮勇輝
信仰者:4人
信仰Lv1』
波動が広がったと同時に色々と情報が出てきた。
「こ、この力は!?」
「凄まじい力です……!」
さらに波動は二人にも及び、俺の力が二人にバフをかけている。
今までの四回分の異世界召喚で培った力が二人にバフをかけているんだ。それはとてつもない力になるはずだ。
「この力に、戦いに慣れている様子……君は、誰なんだ?」
アストリッドにもう一度同じ質問が来たから俺は答える。
「今まで四度、異世界をめぐって世界を救ってきた勇者だよ」
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