異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
62 / 79
第二章 学校

第62話 メイギスお姉ちゃん

しおりを挟む
「お買い物楽しかったの~」

「ふふ、私も楽しかった。妹が出来たみたいで夢のようだったわ。また行きましょうね」

「なの!」

 来た時と同じようにラルクお兄ちゃんとオーリーちゃんに手をつないでもらって帰ってるの。両手がとっても温かくてホッとするの。

「はぁ~、これが幸せってやつなのかな?」

「急にどうしたのラルク」

「ははは、子供が出来たらこんな感じなのかなって」

「えっ……」

 二人は顔を真っ赤にしているの。お手手も温かくなって来てるの。何だかドキドキするの!

「キスしてもいいよ……」

「え?」

「二度言わせないで」

「え、ああ、そうか……」

「何だかくすぐったい」

 ラルクお兄ちゃんがオーリーちゃんのほっぺにキスしたの。アイは見ちゃいけないと思いながらバッチリ見ているの。

「はは、何だか恥ずかしいな」

「そ、そうだね……」

「ははは……あれ? あの人……」

「ん? 魔族?」

 ルナちゃんの屋敷のお庭に入るための門の前に着くとラルクお兄ちゃんが何かに気づいたの。その方向には肌の色が青いお姉さんが屋敷を見ていたの。魔族さんみたいでオーリーちゃんが呟いたの。

 魔族のお姉さんはアイ達を一度見て反対方向へと歩いていくの。あのお姉さんどこかで会った事あるような気がするの……。

「大きな屋敷だから、見ていたのかもね。帰りましょ」

「いや、ちょっと声をかけてくるよ」

「えっ! ちょっとラルク」

「アイも行くの」

「アイちゃんまで……どうしたの?」

 なんだか変な感じなの。これはラルクお兄ちゃんに感じた感覚なの。ただただ一緒にいたいって思っちゃったの。お兄ちゃんも何かを感じているのかもしれない。

 アイ達は魔族のお姉さんを追いかけて歩いていくの。お姉さんは普通に歩いているから簡単に追いついたの。

「あなた達何か用なの?」

 あからさまに追いかけたからお姉さんに怪しまれたの。振り返った魔族のお姉さんが聞いてきたの。

「……」

「ちょっとラルク?」

「お姉さんお名前なんて言うの?」

 ラルクお兄ちゃんが唖然として見つめているの。オーリーちゃんはお兄ちゃんを見つめて驚いているの。お兄ちゃんは魔族のお姉さんから目が離せないみたいでおかしな感じなの。
 
 アイがお姉さんに名前を聞くとお姉さんは近づいてきて、しゃがぬと、にっこりと微笑んで頭を撫でてくれたの。

「私はメイギスよ。あなたは?」

「メイギスお姉ちゃん、アイはアイっていうの~」

「そう、あなたが、アイ……。何だか、初めて会った気がしないわね」

 お姉さんはそういって微笑んでいるの。目がウルウルしているけど、泣いているの?

「お姉さん……」

「あら? どうしたのかしら、涙が? こんなこと初めてだわ」

 メイギスお姉ちゃんは涙をぬぐいながらそう言っているの。

「メイギスさん、一緒に来てください!」

「ちょっとあなた誰よ!?」

「いいから一緒に!」

「離しなさい!」

「ラルク!」

 メイギスお姉ちゃんの腕を力いっぱい引っ張るの、するとメイギスお姉ちゃんが青く輝く右拳でラルクお兄ちゃんをぶっ飛ばしているの。お兄ちゃんがあんなに強引なのは珍しいの。

「何なのよあの子。あなたのお兄さん?」

「違うの、いつもはあんな事しないの……」

「ふ~ん。まあ、あの子もあなたと一緒で初めて会った気がしないのよね。だから、手加減しちゃった」

 メイギスお姉ちゃんはお茶目に舌を出して言っているの。それでも凄い吹っ飛んでいるの。お兄ちゃんじゃなかったら死んでいるかもしれないの。

「そうだ、私は急いでいるんだったわ。じゃあね、アイちゃん」

「えっ! 待ってほしいの」

「ダメよ。私にはマスターの指示があるんだから」

「飛んだの!?」

 メイギスお姉ちゃんはマスターって人の指示でここに来たみたいなの。でも、離れたくないの! ダメなの!

「アイも行くの!」

「えっ!? ちょっと、なんであなたも飛べるのよ!?」

 空高く飛んでいったメイギスお姉ちゃんに一瞬で追いついて抱き着いたの。メイギスお姉ちゃんは困惑しながら、涙を流しているの。その姿をアイは見たことがあるの。

「なんで涙が出るのかしら?」

「メイギスお姉ちゃん……」

 やっぱりそうなの……お姉ちゃんの甘い香り、嗅いだことがあるの。お母さんの香りなの。
 お姉ちゃんはラルクお兄ちゃんと一緒でお母さんの心が入っていると思うの。アイの女の勘なの!

「来ちゃだめよ」

「アイも行くの~」

「ダ~メ。あなたなんかがマスターに会ったら食べられちゃうわ。空も飛んでいるわけだし、魔法の才能あるでしょ」

 マスターっていう人は人を食べるみたいなの、怖いの。

「アイの精霊たちも私の事嫌いみたいだしね。早くお友達の所に帰りなさい」

「……」

 メイギスお姉ちゃんは精霊を見れるみたいなの。精霊さんを全員見れているかわからないけど、お姉ちゃんも才能のある人みたいなの。

「じゃあ、またね……」

 メイギスお姉ちゃんは涙を流しながら空高く舞って行ったの……。アイも涙で前が見えなくなってきたの。
しおりを挟む
感想 78

あなたにおすすめの小説

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。  〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜

トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!? 婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。 気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。 美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。 けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。 食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉! 「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」 港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。 気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。 ――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談) *AIと一緒に書いています*

召喚物語 - 召喚魔法を極めた村人の成り上がり -

花京院 光
ファンタジー
魔物討伐を生業とする冒険者に憧れる俺は、十五歳の誕生日を迎えた日、一流の冒険者になる事を決意して旅に出た。 旅の最中に「魔物を自在に召喚する力」に目覚めた主人公が、次々と強力な魔物を召喚し、騎士団を作りながら地域を守り続け、最高の冒険者を目指します。 主人公最強、村人の成り上がりファンタジー。 ※小説家になろうにて、990万PV達成しました。 ※以前アルファポリスで投稿していた作品を大幅に加筆修正したものです。

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

処理中です...