薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-3節. ヘルデス家の争族を切り抜けた私は…

14.ヴラド と約束をします。

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「いやぁ、美味かったな。」

 ここは屋敷。たった今、皆で昼食を終えた所だ。

 ただ、今日は普段より賑やかだ。

「ほんとだな。まさかメタルリザード鋼蜥蜴が食えるとは思わなかった。」
「そんなに珍しいの?」
「あぁ、俺でもチラッと噂を聞くぐらいだ。何処で手に入れたんだ?」
「諸事情で迷宮ダンジョンに潜る事になってね。その時に行きがけの駄賃で手に入れたんだよ。」
「行きがけの駄賃でメタルリザード鋼蜥蜴って……いや、アレクならあり得るか。」

 その納得の仕方はこっちが納得出来ないな。

「まさかメタルリザード鋼蜥蜴まで狩っちまうとはな。どうやったんだ?」
「いや…それは……」

 どうしたもんかな。ここで狩り方を話すと変に目立ちそうだし………いっそやり方を真似て功績を横取りして貰った方がずっとマシだ。けど、コイツははやらないんだろうな。

「心配すんな。お前の事を誰かに喋ったりしねぇし、無理に詮索するつもりもない。ただの興味本意と……強いて言えば保身が目的かな。」
「………保身?」
メタルリザード鋼蜥蜴は、迷宮ダンジョン内で遭遇するとまず勝てねぇ。けど、急所や弱点がわかれば勝てなくても足止めが出来て逃げ伸びる可能性が上がる。そうして持ち帰った情報で危険な迷宮ダンジョンへの立ち入りを制限出来る様になれば儲けもんって思っただけだ。」

 何処が保身だよ。他の冒険者達の為じゃないか。寧ろ、保身を考えているのは私の方だな。

 ヴラド がそんな殊勝な考えを持っているというのに、私は自分の保身ばかりを考えていて情けない。

「けど、別に言う必要はない。俺たち冒険者は自己責任で行動してる。当然迷宮ダンジョンに潜る時もそうだ。死ぬ事も覚悟してるし、そこで死んだら運が悪かったと割り切ってる。まぁ、そもそも俺はあまり迷宮ダンジョン探索とかしないから知っててもあまり意味ないけどな。」

 フォローまでしてくれるのか。本当にいい奴だな。

「別に教えても良いよ。」
「えっ?」
「ただし、条件がある。」
「条件??」
「2つだ。まず一つ、私が提案した方法だって事は黙っててくれ。」
「そりゃあもちろん。けど、もう一つは?」
迷宮ダンジョンに潜る時は私も誘ってくれ。」
「………一応、理由を聞いても良いか?」

 まぁ、2つ返事とはならないだろうな。だが、『お前が心配だから』なんてくさい台詞セリフは用意してない。

「今日の唐揚げ、美味かっただろ?」
「えっ?……あぁ、あの料理の事か。」
「そうだ。また食いたいが、メタルリザード鋼蜥蜴は凄い高値だしそもそも流通してない。だから、今度遭遇する事があったら確実に仕留める為に同行したい。出来る事なら未発見のうちに狩っておきたいな。発見後に討伐すると名が晒されるし。」
「……それって本音か?」
生憎あいにく、お前の殊勝な考えと違ってこっちの理由なんてそんな俗っぽいもんだ。目立ちたくないけど、メタルリザード鋼蜥蜴は食べたい。だから、責任は感じないでくれよ。お門違いだ。」

 そう。感じなくて良い。好きでやってる事だから。

「……なるほど。トラブルに巻き込まれやすい俺の体質を利用して魔物を狩ろうって事なら、一緒に行動する十分な理由になるな。」
「そういうそっちには、渋る理由があるみたいだな。何故だ?」
「……お前も知ってるよな。俺に舞い込むトラブルは魔物だけじゃない。同じ冒険者からも……」
「だからこそだ。言っただろ?私は、頼まれて友達をやってる訳じゃない。あの日、はっきりと言った筈だが……それでも不服か?」
「…………お前な。」
「なんだ?」
「いいや、何でもない。」

 このやり取り、デジャヴを感じるな。

 最近になって、よく聞く様になった。

「それで?結局迷宮ダンジョンには誘ってくれるのか?」
「……わかった。そん時は頼むわ。」

 よし、これで迷宮ダンジョン産の魔物肉の目処はたつかな。

「やっぱり面白いね。アレク。」
「だよな。見てて飽きねぇわ。」

 外野の2人の発言が腑に落ちないけど、取り敢えず話は纏まったって事で良いよな。

 ……って、何か忘れてる気がする………何だっけ?






 
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