111 / 191
2章-3節. ヘルデス家の争族を切り抜けた私は…
2.テルマの従魔を迎えに行きます。
しおりを挟む
ここはニルフォバルト樹海。早朝だからまだ薄暗く、今日はテルマも同行している。
再び森の恵みを享受しに来た……のだが………
私たちは今、テルマの従魔の元へと向かっている。
「それで?その従魔はどんな奴なんだ?」
この樹海にテルマの従魔がいるらしい。ヘルデス家でお世話になっている間は樹海に住まわせていたんだとか。
「………説明が難しい。見たほうが早い。」
さっきからこの一点張りである。
テルマ曰く、王都では従魔を使役するのは別に珍しくないらしい。まぁ、街中の至る所で従魔用の魔物肉が売られている訳だからそりゃあいるよな。
特に貴族の間では家の格を見定めるステータスの一つとして扱われる為、権威の象徴としてより強い従魔を使役しようとする風潮があるらしい。
だが、貴族を含め王都の人々は基本的に魔物を恐れている。その為、一般的に従魔は檻に入れて飼育するものらしく、従魔を連れ歩く人は殆ど居ないんだとか。
通りで、プヨを連れているのを見てオルブに驚かれた訳だ。
それにしても、この樹海にはクラバスバードやマウントボアなんかの比較的危険な魔物がウヨウヨいるだろうってのに放し飼いなんて……一体どんな従魔なんだろうな。
〈モワワワワァァァ………〉
そうこうしているうちに、霧が立ち込めて来たな。
「っ…!?(ググッ)」
なんだ…む…ねが………
唐突な胸の苦しみに、呻き声すら上げられない。
「ハクレン!こいつは俺の知り合いだ!手を出すな!!」
「っ……はぁっ!?はぁ…はぁ……」
何だったんだ?いきなり。
「おい、大丈夫かアレク?」
「あ…あぁ……もしかして、ハクレンっていうのは従魔の名前か?」
「そうだ。俺の従魔がすまんかったな。」
「構わない。先を急ごう。
「あぁ…(クルッ)待たせてごめんな。やっとお前を迎える準備が出来たんだ。道を開けてくれ。」
〈スゥゥゥゥゥ〉
テルマの呼びかけに呼応する様に霧が晴れて……いや割れていく。
そうして、道が出来た。なるほど、霧を操る従魔か。
そこで私は確信した。
どうやら、この辺りで魔物を見かけなかったのは本当にテルマの従魔の仕業だったようだ。
どんな魔物だろうと、呼吸を止められては抵抗のしようが無い。そうでなくても、この霧の中では正しい方向も分からないだろうからこっちまで辿り着けないだろう。
「この先だ。着いて来てくれ。」
霧を操る従魔……水棲の魔物とかだろうか。
となると、蜃………巨大な蛤とか?いや、まさかな。
「着いたぜ。ここだ。」
そう言って、一軒の山小屋を差した。
「アレク、紹介する。(ガチャッ)入ってくれ。
そうして扉を開けると……
"「(モワモワモワァ……)」“
小屋の中いっぱいに霧が立ち込めていた。
「紹介しよう。こいつが俺の従魔……名前はハクレンだ。」
自信満々に名を告げる。だが……
「えっと………何処に居るんだ?」
「は?」
霧に覆われていて何も見えない。小屋の中からは生物の気配らしきものもわからない。
「アレク………何言ってんだ?」
「こっちの台詞だよ。お前の従魔、姿が見当たらないんだが?」
「え?いやいや、ここに居るだろ?」
「いや、どこに居るんだ?」
「だから、ここだよ!!」
「だから、どこだよ!?」
「目の前に居るだろ!!」
「霧で何も見えねぇよ!?」
「それだよ!!!」
「………は?」
何言ってるんだ??
「だから!それがハクレンだって言ってんだよ!!」
「……?…???」
どういう事だ?
再び森の恵みを享受しに来た……のだが………
私たちは今、テルマの従魔の元へと向かっている。
「それで?その従魔はどんな奴なんだ?」
この樹海にテルマの従魔がいるらしい。ヘルデス家でお世話になっている間は樹海に住まわせていたんだとか。
「………説明が難しい。見たほうが早い。」
さっきからこの一点張りである。
テルマ曰く、王都では従魔を使役するのは別に珍しくないらしい。まぁ、街中の至る所で従魔用の魔物肉が売られている訳だからそりゃあいるよな。
特に貴族の間では家の格を見定めるステータスの一つとして扱われる為、権威の象徴としてより強い従魔を使役しようとする風潮があるらしい。
だが、貴族を含め王都の人々は基本的に魔物を恐れている。その為、一般的に従魔は檻に入れて飼育するものらしく、従魔を連れ歩く人は殆ど居ないんだとか。
通りで、プヨを連れているのを見てオルブに驚かれた訳だ。
それにしても、この樹海にはクラバスバードやマウントボアなんかの比較的危険な魔物がウヨウヨいるだろうってのに放し飼いなんて……一体どんな従魔なんだろうな。
〈モワワワワァァァ………〉
そうこうしているうちに、霧が立ち込めて来たな。
「っ…!?(ググッ)」
なんだ…む…ねが………
唐突な胸の苦しみに、呻き声すら上げられない。
「ハクレン!こいつは俺の知り合いだ!手を出すな!!」
「っ……はぁっ!?はぁ…はぁ……」
何だったんだ?いきなり。
「おい、大丈夫かアレク?」
「あ…あぁ……もしかして、ハクレンっていうのは従魔の名前か?」
「そうだ。俺の従魔がすまんかったな。」
「構わない。先を急ごう。
「あぁ…(クルッ)待たせてごめんな。やっとお前を迎える準備が出来たんだ。道を開けてくれ。」
〈スゥゥゥゥゥ〉
テルマの呼びかけに呼応する様に霧が晴れて……いや割れていく。
そうして、道が出来た。なるほど、霧を操る従魔か。
そこで私は確信した。
どうやら、この辺りで魔物を見かけなかったのは本当にテルマの従魔の仕業だったようだ。
どんな魔物だろうと、呼吸を止められては抵抗のしようが無い。そうでなくても、この霧の中では正しい方向も分からないだろうからこっちまで辿り着けないだろう。
「この先だ。着いて来てくれ。」
霧を操る従魔……水棲の魔物とかだろうか。
となると、蜃………巨大な蛤とか?いや、まさかな。
「着いたぜ。ここだ。」
そう言って、一軒の山小屋を差した。
「アレク、紹介する。(ガチャッ)入ってくれ。
そうして扉を開けると……
"「(モワモワモワァ……)」“
小屋の中いっぱいに霧が立ち込めていた。
「紹介しよう。こいつが俺の従魔……名前はハクレンだ。」
自信満々に名を告げる。だが……
「えっと………何処に居るんだ?」
「は?」
霧に覆われていて何も見えない。小屋の中からは生物の気配らしきものもわからない。
「アレク………何言ってんだ?」
「こっちの台詞だよ。お前の従魔、姿が見当たらないんだが?」
「え?いやいや、ここに居るだろ?」
「いや、どこに居るんだ?」
「だから、ここだよ!!」
「だから、どこだよ!?」
「目の前に居るだろ!!」
「霧で何も見えねぇよ!?」
「それだよ!!!」
「………は?」
何言ってるんだ??
「だから!それがハクレンだって言ってんだよ!!」
「……?…???」
どういう事だ?
10
あなたにおすすめの小説
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
スラム街の幼女、魔導書を拾う。
海夏世もみじ
ファンタジー
スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。
それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。
これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。
婚約破棄して廃嫡された馬鹿王子、冒険者になって自由に生きようとするも、何故か元婚約者に追いかけて来られて修羅場です。
平井敦史
ファンタジー
公爵令嬢ヘンリエッタとの婚約破棄を宣言した王太子マルグリスは、父王から廃嫡されてしまう。
マルグリスは王族の身分も捨て去り、相棒のレニーと共に冒険者として生きていこうと決意するが、そんな彼をヘンリエッタが追いかけて来て……!?
素直になれない三人の、ドタバタ冒険ファンタジー。
※「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました
月神世一
ファンタジー
「命を捨てて勝つな。生きて勝て」
50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する!
海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。
再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は――
「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」
途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。
子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。
規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。
「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」
坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。
呼び出すのは、自衛隊の補給物資。
高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。
魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。
これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる