薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-3節. ヘルデス家の争族を切り抜けた私は…

2.テルマの従魔を迎えに行きます。

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 ここはニルフォバルト樹海。早朝だからまだ薄暗く、今日はテルマも同行している。

 再び森の恵みを享受しに来た……のだが………

 私たちは今、テルマの従魔の元へと向かっている。

「それで?その従魔はどんな奴なんだ?」

 この樹海にテルマの従魔がいるらしい。ヘルデス家でお世話になっている間は樹海に住まわせていたんだとか。

「………説明が難しい。見たほうが早い。」

 さっきからこの一点張りである。

 テルマ曰く、王都では従魔を使役するのは別に珍しくないらしい。まぁ、街中の至る所で従魔用の魔物肉が売られている訳だからそりゃあいるよな。

 特に貴族の間では家の格を見定めるステータスの一つとして扱われる為、権威の象徴としてより強い従魔を使役しようとする風潮があるらしい。

 だが、貴族を含め王都の人々は基本的に魔物を恐れている。その為、一般的に従魔は檻に入れて飼育するものらしく、従魔を連れ歩く人は殆ど居ないんだとか。

 通りで、プヨを連れているのを見てオルブに驚かれた訳だ。

 それにしても、この樹海にはクラバスバード嘴鳥マウントボア山猪なんかの比較的危険な魔物がウヨウヨいるだろうってのに放し飼いなんて……一体どんな従魔なんだろうな。

〈モワワワワァァァ………〉

 そうこうしているうちに、霧が立ち込めて来たな。

「っ…!?(ググッ)」

 なんだ…む…ねが………

 唐突な胸の苦しみに、呻き声すら上げられない。


「ハクレン!こいつは俺の知り合いだ!手を出すな!!」
「っ……はぁっ!?はぁ…はぁ……」

 何だったんだ?いきなり。

「おい、大丈夫かアレク?」
「あ…あぁ……もしかして、ハクレンっていうのは従魔の名前か?」
「そうだ。俺の従魔がすまんかったな。」
「構わない。先を急ごう。

「あぁ…(クルッ)待たせてごめんな。やっとお前を迎える準備が出来たんだ。道を開けてくれ。」

〈スゥゥゥゥゥ〉

 テルマの呼びかけに呼応する様に霧が晴れて……いや割れていく。

 そうして、道が出来た。なるほど、霧を操る従魔か。

 そこで私は確信した。

 どうやら、この辺りで魔物を見かけなかったのは本当にテルマの従魔の仕業だったようだ。

 どんな魔物だろうと、呼吸を止められては抵抗のしようが無い。そうでなくても、このの中では正しい方向も分からないだろうからこっちまで辿り着けないだろう。

「この先だ。着いて来てくれ。」

 霧を操る従魔……水棲の魔物とかだろうか。

 となると、蜃………巨大なはまぐりとか?いや、まさかな。

「着いたぜ。ここだ。」

 そう言って、一軒の山小屋を差した。

「アレク、紹介する。(ガチャッ)入ってくれ。

 そうして扉を開けると……

"「(モワモワモワァ……)」“

 小屋の中いっぱいに霧が立ち込めていた。

「紹介しよう。こいつが俺の従魔……名前はハクレンだ。」

 自信満々に名を告げる。だが……

「えっと………何処に居るんだ?」
「は?」

 霧に覆われていて何も見えない。小屋の中からは生物の気配らしきものもわからない。

「アレク………何言ってんだ?」
「こっちの台詞セリフだよ。お前の従魔、姿が見当たらないんだが?」
「え?いやいや、ここに居るだろ?」
「いや、どこに居るんだ?」
「だから、ここだよ!!」
「だから、どこだよ!?」
「目の前に居るだろ!!」
「霧で何も見えねぇよ!?」
「それだよ!!!」
「………は?」

 何言ってるんだ??

「だから!がハクレンだって言ってんだよ!!」
「……?…???」

 どういう事だ?
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