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100. 白の宮殿継承者

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 “白の宮殿”の継承式が執り行われた翌朝、王宮に一通の封書が届けられた。
 差出人はルービック家。王が封を切ると、そこには驚くべき事実が記されていた。

 > 「アマイの実父はブランではなく、かつてアンナ妃の護衛を務めていたムスケルである。」

 さらに、ゆえに“白の宮殿”の正統な継承者はアマイではなく、花子であると明記されていた。

 王は深い溜め息をつき、第一王子を呼び寄せた。
「この書状を肯定する文書を整えてくれ。」

 だが、第一王子は眉をひそめ、静かに反論した。
「父上、まだアマイの父がその護衛であると確定したわけではありません。」

 その言葉が終わるより早く、今度はキンソン家の現当主と前当主の二人からの手紙が届いた。
 そこには、アマイを“白の宮殿”の後継者推薦から外す旨が、丁寧な筆致で綴られていた。

 第一王子はその文を読み、押し黙った。
 キンソン家は、第一王子妃の婚約者の家。
 そして、第二王子の婚約者も現在、キンソン家の血を引く者である。
 さすがにキンソン家を優遇し過ぎて、他の貴族家から苦情が出ており、今にも爆発しそうな状況だ。
 さらに、これ以上騒げば、王家とルービック家の関係にも修復し難い亀裂が入る。

 王は静かに目を閉じ、思案に沈んだ。

(花子にはすでに正式な婚約者がいる。だが、花子の異母兄にはまだ正式な婚約者がいない……。となれば、王女たちにブラウンを狙わせるのも一手かもしれない。)

 その横で、第一王子は拳を握りしめていた。
 くそ、くそ。
 今度こそブラウンに恥をかかせてやれると思ったのに。
(いつか……あいつらに一泡吹かせてやる……!)

「ブラウン。」
「はい、陛下。」
「今から連名で、“白の宮殿”の後継者は花子はなこであることを正式に文章で認めることとする。」
「くっ……。わかりました、父上。」
 第一王子は苦々しい表情を浮かべながらも、王が書いた書類の下に同じく署名した。

 二人が署名した書類は、侍従の手によって速やかに花子たちがいる“白の宮殿”へと送られた。
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