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しゃもん

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101.第二王子の言い分

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 その夜、王宮の執務室に怒気をはらんだ足音が響いた。扉が勢いよく開かれ、第二王子・ダルイが王の机に書類を叩きつけた。

「父上、アマイの父がブランでないのなら、私が彼女の婚約者である必要はないはずです!」

 王は目を細め、静かに問い返す。
「それは、アマイが“白の宮殿”の継承者でないからか? それとも、彼女自身を望まぬからか?」

 ダルイは言葉に詰まった。だが、すぐに顔を上げ、まっすぐに王を見据える。
「私は、王家のために動く覚悟はあります。しかし、血筋が偽られていたのであれば、それは私の義務ではありません。」

 王はしばし沈黙したのち、机の上の書状に目を落とした。
 この文章を第二王子はどこから手に入れたのか。
 そこには、ルービック家から昨日送られてきた、アマイの父親がムスケルであるという情報が記されていた。

「お前の母親は何と言っている。」
「それは……。」
 第二王子・ダルイは黙り込んだ。
 まだ、母親には何も言っていなかった。
 なぜか母はアマイを気に入っていたので、これくらいのマイナス情報では「そのまま婚約を続ければよいわ」とか言われそうだ。

 ダルイが黙ったままでいると、王はダルイが持ってきた書類の上に他の書類を重ねた。
 そこには、ルービック家のブラウンがよく出入りしているパーティーの記録と、アマイとの婚約取り消しの書類があった。

「父上、ありがとうございます。」
 ダルイは満面の笑みを浮かべた。

「ダルイ、花子はなこの異母兄をあったことはあるな。 彼には婚約者候補がいるが、正式な婚約者はまだいなかったはずだ。王女たちも彼には関心を寄せている。お前が王女たちとブラウンとの仲を取り持つのだ。」

 ダルイはその言葉に眉をひそめた。
「それは一応ありますが、第一王子なら彼とは学園の同級生なのでは?」

「第一王子は同級生だからこそ、ブラウンを目の敵にしている。」
「まさか、王女たちにブラウンを……?」
「そうなれば、ルービック家と王家の絆が深くなる。」
「わかりました。努力します。」

 ダルイは二枚の書類を受け取ると、部屋を出るために扉へ向かった。
「ダルイ、母親を説得してから婚約取り消しの書類は使うように。」

 ダルイの足が一瞬止まったが、何も言わずに部屋から出ていった。

 王は何も答えず、部屋を出ていったダルイを振り返ることなく、ただ窓の外に目をやった。
 夜の帳が降り、王宮から見える“白の宮殿”の尖塔が月明かりに照らされていた。
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