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102.正式な継承者
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「白の宮殿」の就任式が行われた三日後、王宮から花子宛てに、正式な継承者として認める旨の書類が送られてきた。
「おめでとうございます! 花子様」
「ありがとう、セバス」
花子は、セバスが淹れてくれたコーヒーと、目の前に置かれたケーキに舌鼓を打った。
うーん。おいしい。
昨日は思う存分読書を堪能できたし、言うことなし。
あれ、そういえば、「白の宮殿」の継承者になれば本が読み放題になるってことばかり気にしてたけど、継承者の仕事って何をするんだっけ?
「どうかされましたか、花子様。何か気がかりなことでもありますか?」
「えっと、今さらなんですが、『白の宮殿』の継承者の仕事って、具体的に何をするのでしょうか?」
「そうですね。いろいろありますが、月に数回、『白の宮殿』にある水晶に魔力を充電することが主な仕事です」
「魔力の充電?」
「はい。その魔力を充電することで、王都中で使われる結界や、東区の公共魔力、いわゆる魔光や魔動力で動くものを支えています」
「それ以外は?」
「王都で起こる犯罪の抑止や事件の解決などもありますが、こちらは私やツヴァイたちが担当しておりますので、今のところ花子様が動かれる必要はございません」
「あれ、それじゃあ今日、お祖母様がここにいないのも、もしかしてその水晶に魔力を充電しに行っているからでしょうか?」
「はい。さすが花子様、その通りです。三日前の就任式でこの書類が届いていれば、本日が花子様の初めての魔力充電日になるはずでした。しかし、アマイとのごたごたで継承が本日となりましたので、花子様に充電をお願いするのは来月になります」
「よくわかったわ。その時はよろしくね、セバス」
「もちろんでございます。このセバスにすべてお任せください」
「花子様、来月の魔法大学からカリキュラムが届きました」
ムツキが花子に大学から届いた書類を手渡した。
そういえば、何やかやとあってすっかり忘れてたけど、まだ通わなくちゃいけないんだっけ。
大学の講義を受けてると本を読む時間が少なくなるから、可及的速やかに飛び級できるように頑張らなくっちゃ。
握りこぶしを作った花子は、大学から送られてきたカリキュラムに目を通した。
なになに。
2年目なので、三分の一が魔法の実践訓練のようだ。
これは楽勝だろう。
残り三分の一が魔法知識関連。
これは地道に本を読んで予習すればなんとかなる。
残りは一般教養。
数学・国語・外国語はなんとかなる。
最難関は、貴族の礼儀作法だ。
ただし、2年目なので、大学で開催される舞踏会に参加して、実戦形式で教師の合格をもらうこと。
あれ、これってどんなことをするの?
「どうかされましたか、花子様?」
フレッドが、大学からのカリキュラムを見て固まっている花子に声をかけた。
あっ、そういえばフレッドって、飛び級して同じ大学を卒業したんだった。
なら、これが何か知ってるよね。
「ねえ、フレッド。『大学で開催される舞踏会に参加して実戦形式で教師の合格をもらうこと』って、具体的に何を指しているの?」
花子は送られてきたカリキュラムの紙をフレッドに見せた。
「ああ、これですか。2学年時に行われる学際で、日時が指定された招待状が全学生に配られるんです。自分のパートナーと出席して、課題曲を踊って、それに合格すれば単位をもらえるというものです。曲はたいてい三拍子のクラシック、つまりワルツですね」
「三拍子・クラシック? ワルツ? なにそれ?」
「ちなみに、それをクリアしないと花子様は卒業資格を得られません」
途中からセバスが話に加わってきた。
「えっ、なんで? 前回、飛び級するときにそんな話なかったよね」
花子は涙目でセバスを見た。
「去年は、まだ花子様は『白の宮殿』の後継者ではありませんでしたので問題ありませんでしたが、今は卒業するための必須項目となっております」
「なんでぇー、そんなことに……」
がーん。
花子は書類を持ったまま、固まった。
「花子様、花子様」
セバスの何度目かの問いかけに、花子はハッとして、涙目でセバスを見た。
「とりあえず、地下で踊ってみましょうか?」
花子は頷くと、セバスの後に続いて地下へと向かった。
「おめでとうございます! 花子様」
「ありがとう、セバス」
花子は、セバスが淹れてくれたコーヒーと、目の前に置かれたケーキに舌鼓を打った。
うーん。おいしい。
昨日は思う存分読書を堪能できたし、言うことなし。
あれ、そういえば、「白の宮殿」の継承者になれば本が読み放題になるってことばかり気にしてたけど、継承者の仕事って何をするんだっけ?
「どうかされましたか、花子様。何か気がかりなことでもありますか?」
「えっと、今さらなんですが、『白の宮殿』の継承者の仕事って、具体的に何をするのでしょうか?」
「そうですね。いろいろありますが、月に数回、『白の宮殿』にある水晶に魔力を充電することが主な仕事です」
「魔力の充電?」
「はい。その魔力を充電することで、王都中で使われる結界や、東区の公共魔力、いわゆる魔光や魔動力で動くものを支えています」
「それ以外は?」
「王都で起こる犯罪の抑止や事件の解決などもありますが、こちらは私やツヴァイたちが担当しておりますので、今のところ花子様が動かれる必要はございません」
「あれ、それじゃあ今日、お祖母様がここにいないのも、もしかしてその水晶に魔力を充電しに行っているからでしょうか?」
「はい。さすが花子様、その通りです。三日前の就任式でこの書類が届いていれば、本日が花子様の初めての魔力充電日になるはずでした。しかし、アマイとのごたごたで継承が本日となりましたので、花子様に充電をお願いするのは来月になります」
「よくわかったわ。その時はよろしくね、セバス」
「もちろんでございます。このセバスにすべてお任せください」
「花子様、来月の魔法大学からカリキュラムが届きました」
ムツキが花子に大学から届いた書類を手渡した。
そういえば、何やかやとあってすっかり忘れてたけど、まだ通わなくちゃいけないんだっけ。
大学の講義を受けてると本を読む時間が少なくなるから、可及的速やかに飛び級できるように頑張らなくっちゃ。
握りこぶしを作った花子は、大学から送られてきたカリキュラムに目を通した。
なになに。
2年目なので、三分の一が魔法の実践訓練のようだ。
これは楽勝だろう。
残り三分の一が魔法知識関連。
これは地道に本を読んで予習すればなんとかなる。
残りは一般教養。
数学・国語・外国語はなんとかなる。
最難関は、貴族の礼儀作法だ。
ただし、2年目なので、大学で開催される舞踏会に参加して、実戦形式で教師の合格をもらうこと。
あれ、これってどんなことをするの?
「どうかされましたか、花子様?」
フレッドが、大学からのカリキュラムを見て固まっている花子に声をかけた。
あっ、そういえばフレッドって、飛び級して同じ大学を卒業したんだった。
なら、これが何か知ってるよね。
「ねえ、フレッド。『大学で開催される舞踏会に参加して実戦形式で教師の合格をもらうこと』って、具体的に何を指しているの?」
花子は送られてきたカリキュラムの紙をフレッドに見せた。
「ああ、これですか。2学年時に行われる学際で、日時が指定された招待状が全学生に配られるんです。自分のパートナーと出席して、課題曲を踊って、それに合格すれば単位をもらえるというものです。曲はたいてい三拍子のクラシック、つまりワルツですね」
「三拍子・クラシック? ワルツ? なにそれ?」
「ちなみに、それをクリアしないと花子様は卒業資格を得られません」
途中からセバスが話に加わってきた。
「えっ、なんで? 前回、飛び級するときにそんな話なかったよね」
花子は涙目でセバスを見た。
「去年は、まだ花子様は『白の宮殿』の後継者ではありませんでしたので問題ありませんでしたが、今は卒業するための必須項目となっております」
「なんでぇー、そんなことに……」
がーん。
花子は書類を持ったまま、固まった。
「花子様、花子様」
セバスの何度目かの問いかけに、花子はハッとして、涙目でセバスを見た。
「とりあえず、地下で踊ってみましょうか?」
花子は頷くと、セバスの後に続いて地下へと向かった。
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